SUPER GT

【2025シーズンプレビュー】 CIVIC TYPE R-GT、2年目の飛躍に高まる期待

【2025シーズンプレビュー】 CIVIC TYPE R-GT、2年目の飛躍に高まる期待

2024年シーズン、ホンダ・レーシング(HRC)は長年使用してきたNSX-GTを、新開発のCIVIC TYPE R-GTに切り替えてSUPER GT GT500クラスに投入しました。ベース車両が2シーターミッドシップだったNSX-GTに対し、4シーターのCIVIC TYPE R-GTは空気抵抗が少ない反面ダウンフォースも少なめという特性がありました。さらに、スキッドブロックの厚みを減らして車両の最低地上高を引き上げ、ダウンフォースを抑制して安全性の向上を図るレギュレーション変更も重なって、車両の熟成には時間を要しました。しかし、開幕までに天候に恵まれなかったこともあり、作業は難航しました。開幕後もレースウィークでの悪天候が続き、フリー走行セッションで走り込むことができず、セッティング追求にも困難が伴いました。それでも、シリーズ第4戦で8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)がCIVIC TYPE R-GTとして初めての優勝を遂げ、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)も最終大会までチャンピオン争いを続けるなど、シーズンを通して進化してきました。

2025年、2シーズン目となるCIVIC TYPE R-GTは、24年と同様に5台が出走します。ドライバー布陣は以下のとおりです。

8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8:野尻智紀/松下信治
16号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16:大津弘樹/佐藤蓮
17号車 Astemo CIVIC TYPE R-GT:塚越広大/小出峻
64号車 Modulo CIVIC TYPE R-GT:伊沢拓也/大草りき
100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT:山本尚貴/牧野任祐

昨年17号車に乗っていた太田格之進が、アメリカ『IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権』に挑戦するため、Hondaのドライバー育成プログラム出身で、24年『全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権』でシリーズチャンピオンとなった小出峻がルーキーとして参戦します。

また24年に最終大会までチャンピオンの座を競った100号車はチーム体制が変わり、HRCがメンテナンスを担当することになりました。これまでHRCは、2輪レースではワークス活動を展開してきましたが、SUPER GTでは車両開発に徹してきました。しかしチームからの依頼があったこと、将来的に4輪でも2輪レース同様のワークス体制を築く、その可能性を探るため、まずは経験ある外部スタッフとともに100号車のメンテナンスを行うことで、新たな分野に踏み出すことになりました。


テストでつかんだ好感触

1~3月にかけてマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット、岡山国際サーキットと富士スピードウェイで合同テストが開催されました。富士のセッション3では8号車、100号車、16号車が2~4番手タイムをマークするなど、シーズンオフの解析の成果が見られました。

今季は規則により車両の開発は基本的に凍結されています。それでも昨年1シーズン、実戦を通して蓄積したデータを綿密に解析してセッティングを詰めてきました。エンジンも24年後半に実戦投入したスペックをベースに、さらなる性能向上を目指して開発が進められ、いよいよ開幕戦を迎えます。

「テストを通して、5台が同じ方向のセットアップに収束して落ちつき始めたように感じます。近年のレースでは燃費がかなり重要な要素となりますが、その点でも良い感触を得ています。しっかりミスなく戦えれば、獲得ポイントも増えてチャンピオンが狙えると思っています」と、佐伯昌浩SGTプロジェクトリーダーは抱負を語っています。

2025年SUPER GTシリーズは、4月12日に岡山国際サーキットで開幕し、国内6サーキットにマレーシア・セパンサーキットを加えた全8戦を転戦する予定です。2シーズン目を迎えたCIVIC TYPE R-GTのパフォーマンスにご期待いただくとともに、引き続きHRCへの応援をお願いいたします!



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