ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が2位表彰台を獲得
6月26日(木)~28日(土)、セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)で2025年SUPER GTシリーズ第3戦が開催され、GT500クラスに5台のCIVIC TYPE R-GTが出走しました。SUPER GTの海外開催は2019年のタイ戦以来、またマレーシアでの開催は2013年以来となります。

CIVIC TYPE R-GTにとってセパンは、ウインターテストで走行しているものの、今回が初めての実戦です。コースは高速コーナーが多い一方で、大きく回り込むような中低速コーナーもあり、ダウンフォースとドラッグのバランスをどうとるか、国内サーキットと異なる路面コンディションにどう対応するかなどが課題となります。
セパンで課せられるサクセスウエイトは、100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴/牧野任祐組が38kg、8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8の野尻智紀/松下信治組が12kg、17号車 Astemo CIVIC TYPE R-GTの塚越広大/小出峻組が6kg、64号車 Modulo CIVIC TYPE R-GTの伊沢拓也/大草りき組が4kg、16号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16の大津弘樹/佐藤蓮組が0kgでした。
マレーシアの猛暑を考慮し、第3戦公式予選は27日(金)、決勝レースは28日(土)の気温の下がる夕方に実施する変則的なスケジュールで開催されました。
26日(木)に設けられた公式練習1セッションも、公式予選、決勝レースを想定し、16時30分から始まりました。CIVIC TYPE R-GT勢の中で最もサクセスウエイトの重い100号車(牧野)は全走行車のベストタイムとなる1分51秒072を記録しました。100号車は1月のウインターテストにてベストラップ1分48秒996を記録していますが、それと比べると2秒以上も遅く、気温、路面温度、路面コンディションの影響でラップタイムが大幅に変動するという、セパンならではの難しさが浮かび上がります。それでも、CIVIC TYPE R-GTとコース特性の相性に期待が高まりました。
27日(金)、10時30分から晴天下で1時間にわたり行われた公式練習2セッションでは、気温、路面温度が上昇する中、8号車(野尻)が1分52秒489で4番手。ほかのCIVIC TYPE R-GT勢は思うようにタイムを伸ばせずセッションを終えました。
公式練習からおよそ半日後となる17時4分、10分間のQ1セッションが始まりました。太陽が傾きかけた時間帯に薄く雲がかかり気温、路面温度がともに低下する中、10分間のタイムアタックの結果、17号車(塚越)が2番手、64号車(大草)が3番手、8号車(松下)が6番手でQ1セッションを通過、その後10分間のQ2セッションが始まりました。
各マシンがウォームアップに入った段階で、39号車 GR Supraがトラブルによりコースサイドに停止したためセッションは赤旗中断となります。セッション残り7分30秒で再開されると、39号車を除く9台が改めてウォームアップをやり直してタイムアタックに入りました。その結果、CIVIC TYPE R-GT勢は2番手に8号車(野尻)、3番手に64号車(伊沢)、7番手に17号車(小出)が続き、決勝のスターティングポジションが決まりました。
なお、GT300クラスでは、Honda育成ドライバーのGTルーキー、野村勇斗が18号車 UPGARAGE AMG GT3を駆ってQ2セッションを担い、ポールポジションを獲得。18号車は翌日の決勝で初優勝に輝きました。
決勝日の28日(土)は、早朝に熱帯らしいスコールが降り、後に晴れ上がったものの、午後には薄く曇りました。気温33℃、路面温度42℃の中、16時30分に決勝レースが開始されました。
スタートでは、ポールポジションの19号車 GR Supraが先頭を守って第1コーナーへ向かい、8号車(松下)、64号車(大草)がそれに続きました。17号車(小出)、100号車(山本)、16号車(大津)は1周目で順位を上げることに成功します。
19号車のペースは長続きしないと見た8号車(松下)はオーバーテイクのチャンスをうかがい、9周目の第9コーナーでインを奪いトップになります。
一方、3番手スタートの64号車(大草)はペースが上がらず、7、9、10周目にオーバーテイクされ、17号車(小出)に次ぐ6番手までポジションを落としてしまいます。
トップに立った8号車(松下)は、その後19号車のピットインにより2番手に上がった37号車 GR Supraに迫られますが、21周目でドライバー交代と通常のピット作業のためピットに向かいます。
野尻に代わった8号車は、ピットインを終えたマシンの中では先頭、コース上では7番手で復帰。この時点で8号車陣営は、トップを走る37号車がピットインした際にポジションを奪取できると考えていました。ところが、37号車はGT500クラスで最長となる32周までピットインを引っ張り、給油を短時間で終えて8号車(野尻)の前でコースに戻ります。2番手の8号車は、タイヤが温まりきらない37号車に猛然と迫り33周目の第14コーナーで並びかかったものの、ポジションを入れ替えるには至らず、その後はニュータイヤを履く37号車の好ペースに、2台の間隔は徐々に広がります。8号車(野尻)はタイヤの消耗もあり、ペースアップは難しく、2番手のまま55周を走りきってチェッカーフラッグ。今シーズン初めての表彰台に立ちました。
一方、100号車(牧野)が怒涛の追い上げをみせますが、5番手争いを繰り広げていた27周目に発生した38号車 GR Supraとの接触によりレース結果に10秒加算ペナルティーの裁定が下ります。そのペナルティーの影響を最小限に抑えるべく猛アタックを続け、48周目には17号車(塚越)をかわして5番手に、50周目には19号車、54周目には12号車 Zをオーバーテイクして3番手でチェッカーフラッグを受けました。ただし、ペナルティーで10秒が加算されたため、正式結果は6位となりました。
17号車は100号車のペナルティーにより4位に繰り上がり、64号車は10位、16号車は12位でフィニッシュ、CIVIC TYPE R-GT勢は4台が選手権ポイントを獲得しました。

今日のレースでは優勝を狙いたかったのですが、悔しい結果となりました。結果的には2位に8号車、4位に17号車、6位に100号車と、現在総合ランキングトップの1号車 GR Supraの前にCIVIC TYPE R-GTが3台入れたので、中盤戦に向けたチャンピオン争いに踏みとどまったかたちとなりました。さらにいろいろな面で精度を上げ、最後まで複数台がチャンピオン争いに加われるよう頑張ります。
今日のレースでは優勝を狙いたかったのですが、悔しい結果となりました。結果的には2位に8号車、4位に17号車、6位に100号車と、現在総合ランキングトップの1号車 GR Supraの前にCIVIC TYPE R-GTが3台入れたので、中盤戦に向けたチャンピオン争いに踏みとどまったかたちとなりました。さらにいろいろな面で精度を上げ、最後まで複数台がチャンピオン争いに加われるよう頑張ります。

松下選手からトップで受け継いでコースに戻った段階では、37号車がピット作業を終えた後、僕らの後ろで戻ってくると考えていました。でも予測と違って彼らのピットストップ時間が短かったため、前に出られてしまいました。とはいえ、タイヤに厳しいサーキットで、あれだけのロングスティントに耐えて2位を守り抜けたので、そこはポジティブに捉えて、次のレースに臨もうと思います。悔しい2位ではありますが、次の富士に向けて弾みをつけていきたいです。
松下選手からトップで受け継いでコースに戻った段階では、37号車がピット作業を終えた後、僕らの後ろで戻ってくると考えていました。でも予測と違って彼らのピットストップ時間が短かったため、前に出られてしまいました。とはいえ、タイヤに厳しいサーキットで、あれだけのロングスティントに耐えて2位を守り抜けたので、そこはポジティブに捉えて、次のレースに臨もうと思います。悔しい2位ではありますが、次の富士に向けて弾みをつけていきたいです。

スタートした後は、相手のタイヤのことも考えて最初のうちに仕かけて前に出て、マージンを広げた上でセカンドスティントにバトンタッチするという作戦でした。トップに立てたまではよかったのですが、相手もペースがよく、間隔を広げられず、我々のセカンドスティントに対してリスクを作ってしまいました。さらに、37号車のペースが最後までよかったので追いつけず、悔しい2位です。でもCIVIC TYPE R-GTにとっては初めてのセパンの実戦で、いろいろ分かって収穫もありました。次回の富士ではノーウエイトになるので、必ず表彰台に立ちます!
スタートした後は、相手のタイヤのことも考えて最初のうちに仕かけて前に出て、マージンを広げた上でセカンドスティントにバトンタッチするという作戦でした。トップに立てたまではよかったのですが、相手もペースがよく、間隔を広げられず、我々のセカンドスティントに対してリスクを作ってしまいました。さらに、37号車のペースが最後までよかったので追いつけず、悔しい2位です。でもCIVIC TYPE R-GTにとっては初めてのセパンの実戦で、いろいろ分かって収穫もありました。次回の富士ではノーウエイトになるので、必ず表彰台に立ちます!
GT500 Race Result
Pos. | No. | Team | Driver | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | TGR TEAM Deloitte TOM’S | Ukyo Sasahara / Giuliano Alesi | 1:48'01.698 |
2 | 8 | ARTA #8 | Tomoki Nojiri / Nobuharu Matsushita | +19.046 |
3 | 12 | TEAM IMPUL | Kazuki Hiramine / Bertrand Baguette | +23.582 |
4 | 17 | Astemo REAL RACING | Koudai Tsukakoshi / Syun Koide | +25.107 |
5 | 19 | TGR TEAM WedsSport BANDOH | Yuji Kunimoto / Sena Sakaguchi | +31.207 |
6 | 100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU | Naoki Yamamoto / Tadasuke Makino | +31.410 |
10 | 64 | Modulo Nakajima Racing | Takuya Izawa / Riki Okusa | +41.716 |
12 | 16 | ARTA #16 | Hiroki Otsu / Ren Sato | +52.403 |
GT500 Team Ranking
Pos. | No. | Team | Driver | Pts |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | TGR TEAM au TOM’S | Sho Tsuboi / Kenta Yamashita | 48 |
2 | 37 | TGR TEAM Deloitte TOM’S | Ukyo Sasahara / Giuliano Alesi | 39 |
3 | 100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU | Naoki Yamamoto / Tadasuke Makino | 33 |
4 | 14 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE | Kazuya Oshima / Nirei Fukuzumi | 31 |
5 | 8 | ARTA #8 | Tomoki Nojiri / Nobuharu Matsushita | 30 |
6 | 38 | TGR TEAM KeePer CERUMO | Hiroaki Ishiura / Toshiki Oyu | 29 |
9 | 17 | Astemo REAL RACING | Koudai Tsukakoshi / Syun Koide | 18 |
12 | 64 | Modulo Nakajima Racing | Takuya Izawa / Riki Okusa | 10 |
14 | 16 | ARTA #16 | Hiroki Otsu / Ren Sato | 6 |























