クラッシュのため60周でレースが終了。STANLEY NSX-GTが5位
6月3日(土)~4日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)で2023年度SUPER GTシリーズ第3戦が開催され、GT500クラスに5台の2023年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が出走しました。SUPER GTシリーズの決勝レースは通常300kmで争われますが、今回のレースは第2戦に引き続き、その1.5倍に当たる走行距離450kmの長距離レースとして開催されました。450kmレースでは、決勝レース中に2回の給油ピットストップが義務づけられます。
レースウイークの鈴鹿サーキットは、搬入日の金曜日まで台風接近による悪天候に見舞われましたが、競技車両が走り始める3日(土)には、風が強かったものの雨は止み、天候は好転していきました。
午後に行われた公式予選では、Q2セッションに3台のNSX-GTが進出し、100号車 STANLEY NSX-GT 山本尚貴/牧野任祐組が3番手、16号車 ARTA MUGEN NSX-GT 福住仁嶺/大津弘樹組が6番手、17号車 ARTA MUGEN NSX-GT 塚越広大/松下信治組が7番手のスターティンググリッドを獲得しました。
翌4日(日)も朝から快晴となりましたが、決勝レースのスタートが近づくにつれ薄曇りとなりました。午後1時30分に決勝レースのスタートが切られ、乱れのない状態でレースが始まりましたが、3番手スタートの100号車 STANLEY NSX-GTを操る牧野は後方から1号車 MARELLI IMPUL Zに攻められ、7周目のシケインで4番手に後退しました。100号車 STANLEY NSX-GTの牧野は28周を走ってピットイン、タイヤ交換と給油を行うとともに山本へドライバー交代しました。
100号車 STANLEY NSX-GTは47周目に2回目のピットストップを行って、当初の戦略通り柔らかめのタイヤへ交換してペースを上げました。77周レースの約3分の2にあたる51周目時点で、前方にはまだ2回目のピット作業を終えていない3号車 Niterra MOTUL Z、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zを含め6台の車両が走行していましたが、その後、54周目に24号車 Zがピット作業を行ったため、100号車 STANLEY NSX-GTは見かけ上6番手、事実上5番手となりました。
100号車 STANLEY NSX-GTを操る山本は、事実上の首位を争う19号車 WedsSport ADVAN GR Supraと36号車 au TOM'S GR Supraを上回るペースで走り、前を行く23号車 MOTUL AUTECH Z、1号車 Zとの間隔を縮め始めました。
ところが58周目、前を走る23号車 ZがGT300車両との接触により130R出口でクラッシュ、セーフティカーが介入されました。その事故処理のため赤旗が提示されて走行が中断となりましたが、のちにコース設備修復の目途が立たないことを理由にレースは終了となりました。この時点で100号車 STANLEY NSX-GTは5番手、16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが7番手、17号車 Astemo NSX-GTが9番手でした。
レース後、2回のピット義務を1回しか消化していなかった3号車が優勝したという結果に対して、全10チームから抗議が出され、これが大会審査委員会により「正当」と認められました。その結果、3号車Zには「ピットイン+給油相当時間」の60秒ペナルティーが科され、19号車 GR Supraが優勝、3号車Zは4位という暫定結果になりました。
ところが、これに対して今度は3号車Zが抗議。大会審査委員会がこの抗議を却下したことについて、3号車は控訴を行うことを表明しました。そのためSUPER GT第3戦のレース結果は、この控訴結果が確定するまで留保されることになりました。
※追記
6月12日、3号車は競技関係者との再協議の末、正式な控訴手続きを行わないことを発表。レース結果が確定しました。
GT500決勝リザルト
Pos. | Num. | Machine | Driver | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 |
19 |
WedsSport ADVAN GR Supra |
国本 雄資/阪口 晴南 |
1:59'51.274 |
2 |
36 |
au TOM'S GR Supra |
坪井 翔/宮田 莉朋 |
+2.094 |
3 |
1 |
MARELLI IMPUL Z |
平峰 一貴/B.バゲット |
+25.303 |
4 |
3 |
Niterra MOTUL Z |
千代 勝正/高星 明誠 |
+28.218 |
5 |
100 |
STANLEY NSX-GT |
山本 尚貴/牧野 任祐 |
+29.555 |
6 |
14 |
ENEOS X PRIME GR Supra |
大嶋 和也/山下 健太 |
+41.713 |
7 |
16 |
ARTA MUGEN NSX-GT |
福住 仁嶺/大津 弘樹 |
+49.071 |
9 |
17 |
Astemo NSX-GT |
塚越 広大/松下 信治 |
+1’28.614 |
12 |
8 |
ARTA MUGEN NSX-GT |
野尻 智紀/大湯 都史樹 |
+1’42.345 |
14 |
64 |
Modulo NSX-GT |
伊沢 拓也/太田 格之進 |
+1Lap |
GT300決勝リザルト
Pos. | Num. | Machine | Driver | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | Studie BMW M4 | 荒 聖治/柳田 真孝 | 1:59'31.713 |
2 | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤 優威/平良 響/加藤 寛規 | +0.607 |
3 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田 広樹/川合 孝汰 | +1.383 |
4 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | J.P.デ・オリベイラ/名取 鉄平 | +15.341 |
5 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 富田 竜一郎/石川 京侍/塩津 佑介 | +19.222 |
6 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人/山内 英輝 | +24.327 |
20 | 27 | Yogibo NSX GT3 | 岩澤 優吾/伊東 黎明 | +1'47.288 |
27 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林 崇志/小出 峻 | +49Laps |
GT500 ポイントランキング
Pos. | Num. | Driver | Machine | Pts |
---|---|---|---|---|
1 | 36 | 坪井 翔/宮田 莉朋 | au TOM'S GR Supra | 36 |
2 | 3 | 千代 勝正/高星 明誠 | Niterra MOTUL Z | 29 |
3 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MOTUL AUTECH Z | 25 |
4 | 19 | 国本 雄資/阪口 晴南 | WedsSport ADVAN GR Supra | 22 |
5 | 100 | 山本 尚貴/牧野 任祐 | STANLEY NSX-GT | 22 |
6 | 14 | 大嶋 和也/山下 健太 | ENEOS X PRIME GR Supra | 21 |
8 | 17 | 塚越 広大/松下 信治 | Astemo NSX-GT | 17 |
9 | 8 | 野尻 智紀/大湯 都史樹 | ARTA MUGEN NSX-GT | 11 |
13 | 16 | 福住 仁嶺/大津 弘樹 | ARTA MUGEN NSX-GT | 5 |
15 | 64 | 伊沢 拓也/太田 格之進 | Modulo NSX-GT | 1 |
GT300 ポイントランキング
Pos. |
Num. |
Driver |
Machine |
Pts |
---|---|---|---|---|
1 |
56 |
J.P.デ・オリベイラ/名取 鉄平 |
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R |
30 |
2 |
2 |
堤 優威/平良 響 |
muta Racing GR86 GT |
30 |
3 |
52 |
吉田 広樹/川合 孝汰 |
埼玉トヨペットGB GR Supra GT |
28 |
4 |
7 |
荒 聖治 |
Studie BMW M4 |
25 |
5 |
65 |
蒲生 尚弥/篠原 拓朗 |
LEON PYRAMID AMG |
24 |
6 |
7 |
柳田 真孝 |
Studie BMW M4 |
20 |
7 |
18 |
小林 崇志/小出 峻 |
UPGARAGE NSX GT3 |
20 |
11 |
27 |
岩澤 優吾/伊東 黎明 |
Yogibo NSX GT3 |
8 |