Race
SUPER GT 2022
Round 4

ARTA NSX-GTが5位入賞

jp Fuji Speedway

前戦からおよそ2カ月のインターバルを置いた8月6日(土)~7日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2022年度SUPER GTシリーズ第4戦が開催され、GT500クラスに5台の2022年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が出走しました。今回のレースは、通常のレース距離の1.5倍となる450kmで競われます。

ARTA NSX-GTが5位入賞

関東地方を襲った猛暑から一転、レースウイークを迎えた富士スピードウェイは曇天となり、8月初旬としては異例の22度という低気温の中、公式予選が行われました。各車入念にタイヤをウォームアップしタイムアタックにかかりましたが、サクセスウエイトの影響もあってNSX-GT勢のラップタイムは伸び悩み、8号車 ARTA NSX-GT(福住仁嶺)のみがQ2へ進出。Q2を担当した野尻智紀がNSX-GT勢最上位の5番手となるタイムを記録して決勝レースに臨むこととなりました。

日曜日は天候が回復、決勝レース直前に通り雨が降ったものの、スタート時には雲間から太陽が射し、コースはドライコンディションとなって、通常イベントよりも走行距離の長い450kmレースが始まりました。

5番グリッドからスタートした8号車ARTA NSX-GT(福住)は、ポジションを守ってレースを始め、5周目に38号車 ZENT CERUMO GR Supraがペナルティーで後退したため4番手へ順位を上げました。その後、後方から12号車 カルソニック IMPUL Zに先行を許したものの、ポールポジションからスタートしながらペースが上がらない19号車 WedsSport ADVAN GR Supraをオーバーテイクしたことで再び4番手へ浮上。37周を走ってピットイン、ドライバー交代のほか給油とタイヤ交換を行いました。

マシンを引き継いだ野尻は事実上の4番手を守ってレース後半に入りましたが、後方から追い上げてきた36号車 au TOM'S GR Supraと数周にわたって接近戦を繰り広げ、56周目にオーバーテイクされて5番手へ後退しました。その後、野尻は5番手を守って71周目にピットインしましたが、ドライバー交代は行わず給油とタイヤ交換のみ済ますと、事実上5番手のポジションを守ってレースに復帰しました。

80周目、ピット作業を遅らせて見かけ上の首位を走っていた39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがピットイン。タイヤ交換とドライバー交代を行わず最小限の給油だけを行うスプラッシュ&ゴー作戦を採ってロスタイムを削り、野尻の前でコースに復帰しました。この戦略によりいったんは39号車 Supraに先行を許した野尻でしたが、すぐに39号車 Supraの背後につくと、83周目の第1コーナーでオーバーテイク。5番手のポジションを取り戻しました。

39号車 Supraをかわし、徐々に引き離した野尻は5番手のポジションを確保し、99周を走りきって5位でチェッカーフラッグを受けました。8位には100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)、10位に17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が入賞。それぞれ選手権ポイントを獲得し、100号車がトップから8点差の23点でランキング5位、8号車がトップから10点差のランキング7位でシーズン前半戦を終えることとなりました。

なお、GT300クラスでは18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が5番グリッドから3位に入賞し表彰台に上がりました。今季2度目の表彰台獲得によってシリーズランキングでも3位につけて後半戦へと挑みます。


Masahiro Saiki
Masahiro Saiki
HRC SGT Large Project Leader
公式予選は、サクセスウエイトを考えれば順当な結果だと考えています。想定以上に気温が下がり『タイヤが路面温度に合わないかもしれない』とも思いましたが、十分に働いていたようです。決勝は長い450kmレースでしたが、大きなトラブルを起こすことなく全車無事に完走できました。上位4台に対してはタイヤをうまく発動させることができず最上位が8号車の5位に終わりましたが、開幕から4戦連続で選手権ポイントを重ねることができ、ランキング上位に大きく離されることもなかったので、セットアップやタイヤの内圧などを含めクルマの状態を検討してシリーズ後半戦に臨みます

Tomoki Nojiri
Tomoki Nojiri 8
ARTA
予選ではストレートスピードを上げるためにダウンフォースを減らせるだけ減らして走ったのですが、決勝では逆転の発想で、あえてストレートスピードを追求するのではなく、むしろダウンフォースをつけることでレース中のペースを維持する方向性でセットアップしました。それが功を奏して予選順位から下がることなくレースを終えることができました。もし、ストレートスピードに固執してダウンフォースを減らしていたら、タイヤを傷めて順位を下げていたかもしれません

Nirei Fukuzumi
Nirei Fukuzumi 8
ARTA
走り出しでは決して高いパフォーマンスを得られているという状況ではありませんでしたが、予選に向けたチームのがんばりによって、いいクルマに仕上げてくれたのでQ2へ進むことができました。手応えとしては2番手、3番手になれるだけのパフォーマンスは合ったと思うのですが、僅差でそこまではいけませんでした。決勝では、バトルになったときに強いほうがいいと割り切ったセッティングにして、最後まで安定して走ることができました。悪くない週末だったと思いますし、ここ何戦か良いレースができているので、次のレースでも良い結果を出せるようがんばります

GT500決勝リザルト

Pos. Num. Machine Driver Time/Gap
1 37 KeePer TOM'S GR Supra S.フェネストラズ/宮田莉朋 2:34'24.270
2 12 カルソニック IMPUL Z 平峰一貴/B.バゲット +7.542
3 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹/平手晃平 +12.863
4 36 au TOM'S GR Supra 坪井翔/G.アレジ +15.822
5 8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/福住仁嶺 +41.978
6 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛/中山雄一 +45.334
8 100 STANLEY NSX-GT 山本尚貴/牧野任祐 +1'08.814
10 17 Astemo NSX-GT 塚越広大/松下信治 +1Lap
11 64 Modulo NSX-GT 伊沢拓也/大津弘樹 +1Lap
13 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京/大湯都史樹 +1Lap

GT300決勝リザルト

Pos. Num. Machine Driver Time/Gap
1 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝 2:35'41.213
2 11 GAINER TANAX GT-R 安田裕信/石川京侍 +5.959
3 18 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志/太田格之進 +17.520
4 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹/河野駿佑 +1Lap
5 96 K-tunes RC F GT3 新田守男/高木真一 +1Lap
6 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ +1Lap
  55 ARTA NSX GT3 武藤英紀/木村偉織 +48Laps

GT500 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 37 S.フェネストラズ/宮田莉朋 KeePer TOM'S GR Supra 31
2 14 大嶋和也/山下健太 ENEOS X PRIME GR Supra 30
3 3 千代勝正/高星明誠 CRAFTSPORTS MOTUL Z 26
4 12 平峰一貴/B.バゲット カルソニック IMPUL Z 24.5
5 100 山本尚貴/牧野任祐 STANLEY NSX-GT 23
6 36 坪井翔/G.アレジ au TOM'S GR Supra 21.5
7 8 野尻智紀/福住仁嶺 ARTA NSX-GT 21
8 17 塚越広大/松下信治 Astemo NSX-GT 19
14 16 笹原右京/大湯都史樹 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 0.5

GT300 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 56 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 38
2 61 井口卓人/山内英輝 SUBARU BRZ R&D SPORT 29.5
3 18 小林崇志/太田格之進 UPGARAGE NSX GT3 26
4 7 荒聖治/近藤翼 Studie BMW M4 21
5 11 安田裕信/石川京侍 GAINER TANAX GT-R 20
6 10 富田竜一郎/大草りき TANAX GAINER GT-R 15
24 55 武藤英紀/木村偉織 ARTA NSX GT3 1


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