野尻が粘りの2位表彰台
AUTOPOLIS5月18日(日)、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第5戦決勝が大分県のオートポリスインターナショナルレーシングコースで開催されました。17日(土)の悪天候により、18日(日)に予選と決勝が行われ、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションから2位でフィニッシュしました。
■予選
オートポリスがある阿蘇地方は、金曜日夕方から天候が悪化し、17日(土)は朝からの雨と強風に加え濃霧が発生し午前のフリー走行が中止。午後になっても視界ゼロに近い濃霧は晴れず、土曜日の走行はすべてキャンセルとなりました。そのため、18日(日)に9時40分から実施予定だったフリー走行時間に代えて、40分間の予選が実施されることになりました。通常のノックアウト方式とは異なる計時予選方式は、セッションを通して全車がタイムアタックを行いタイム順にスターティンググリッドが決定します。
18日(日)は濃霧は消えたものの曇り空で、気温18℃、路面温度20℃、路面の一部にウエットパッチが残るコンディションとなりました。前日の土曜日に走行できなかったため、使用できるタイヤは持ち込み3セット、ニュータイヤ3セットに変更されました。
計時予選が始まると、開幕から好調の#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が先陣を切って1分28秒196をマークし、#16 野尻が0.1秒差で2番手タイム、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も4番手タイムとHonda/M-TEC勢は順調なすべり出しをみせます。セッションの折り返しを迎えるころには、#15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、#64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)もタイムを更新していきます。そんな中、トップタイムを出したのは#8 福住仁嶺(トヨタ)でした。これにすかさず応戦したのが#16 野尻で、1分26秒757を記録し#8 福住を上回ります。
予選時間終盤、ほとんどの車両がピットに戻ってニュータイヤを装着し、残り約5分となったタイミングで全車が一斉に最終アタックに向かいました。ところが、#16 野尻が計測に入った第1コーナーでオーバーラン。フロントウイングを破損してスロー走行状態となります。その直後、最終コーナーでも停止車両があったために黄旗が提示され、多くの車両がタイムアタックを中止せざるを得ず、ラップタイムを更新できないままセッションは終了。結果、最終アタック前にベストタイムを記録していた#16 野尻がポールポジション、6番手#65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、7番手#15 岩佐、10番手に#64 佐藤が入りました。また、今シーズン好調で総合ランキング首位だった#6 太田は8番手、昨年オートポリス戦の優勝者で総合ランキング2位の#5 牧野は13番手に沈みました。
■決勝
13時35分から特別に20分間のウォームアップ走行が実施された後、各車は決勝レースに向けダミーグリッドにつきました。このころから空に黒い雲が広がり、雨粒も落ち始めるなど天候悪化が懸念される中で、全車スリックタイヤを装着して14時42分に決勝レース(41周)が始まりました。
ポールポジションの#16 野尻が好スタートを切り、先頭で第1コーナーを通過。7番手スタートの#15 岩佐、10番手スタートの#64 佐藤が前の車列をうまくすり抜けて、3番手と7番手へそれぞれポジションアップに成功します。一方で6番手スタートの#65 オオムラ・フラガと#6 太田は大きくポジションダウンとなりました。
トップを走る#16 野尻に対し約3秒後方には、スタートでジャンプアップし2番手につけた#1 坪井翔(トヨタ)、この2台を追う3番手#15 岩佐は14周を終えた時点で動きます。アンダーカットを狙ってトップ2台より先にピットインを行いますが、左リアタイヤの装着に手間取り、約8秒の停止時間を費やして11番手でコースに復帰。それでも17周目にはファステストラップをマークし、1回目のピットを終えた車両の中でトップにつけます。
一方、1、2番手を走行する#16 野尻と#1 坪井は、18周を走って同時にピットイン。#16 野尻、#1 坪井の順でコースインした後すぐに#16 野尻は#1 坪井にインを取られ2番手へ後退してしまいます。その直後、アンダーカット戦略を採った#15 岩佐がこの2台を次々にオーバーテイクしトップに立ちました。
その後19周目にコースオフ車両によりセーフティカー(SC)が導入され、25周目のリスタートでトップを守った#15 岩佐でしたが、27周目に入ったところで突然スローダウン。右フロントのホイールナットが外れるトラブルにより、コース脇にマシンを止めてリタイアとなりました。
これによって先頭には#1 坪井が繰り上がり、#16 野尻が追うかたちに。その後方では、SC導入タイミングでタイヤ交換を行い、リスタート7番手から次々とオーバーテイクを繰り広げていた#64 佐藤が4番手までポジションアップしました。#16 野尻は#1 坪井を追い続け、#64 佐藤も表彰台を懸けて前車を攻略しようと試みるもオーバーテイクには至らず、41周でチェッカーフラッグが振られました。
#16 野尻は2位、#64 佐藤は4位、13番手スタートだった#5 牧野は6位、#65 オオムラ・フラガは8位でフィニッシュし選手権ポイントを獲得しました。
第5戦終了後のランキングは、#5 牧野が通算得点を65点に伸ばしてトップに立った一方で、このレースをノーポイントで終えた#6 太田は61点で2位となりました。
次回は7月18日(金)～20日(日)、静岡県の富士スピードウェイで第6戦と第7戦が開催予定です。
悪天候の結果ワンデー開催になり、走る時間も限られていてクルマをまとめ上げるのは非常に難しかったです。予選でポールポジションは取りましたが、最終アタック中にフロントウイングを壊してしまい、決勝レースでは本来と違うものを使わざるを得なくなりました。チームはクルマをいい状態に仕上げてくれて、なんとか優勝したかったのですが果たせず残念です。でも予選を含めて多くのポイントを取れたので、前回のもてぎで苦しかったことを考えるとポジティブな気持ちでいます。次は、テストを挟んでの富士大会なので、もう1ステップ高いレベルに仕上げてレースウイークを迎えようと思います。
悪天候の結果ワンデー開催になり、走る時間も限られていてクルマをまとめ上げるのは非常に難しかったです。予選でポールポジションは取りましたが、最終アタック中にフロントウイングを壊してしまい、決勝レースでは本来と違うものを使わざるを得なくなりました。チームはクルマをいい状態に仕上げてくれて、なんとか優勝したかったのですが果たせず残念です。でも予選を含めて多くのポイントを取れたので、前回のもてぎで苦しかったことを考えるとポジティブな気持ちでいます。次は、テストを挟んでの富士大会なので、もう1ステップ高いレベルに仕上げてレースウイークを迎えようと思います。
予選に関してはちょっと消化不良な部分がありました。でも決勝のスタートで順位を大きく上げられました。序盤はペースが少し辛かったのですが、なんとか前のクルマについていきました。タイヤを交換したタイミングでちょうどSCが出てくれたので、レース序盤でタイヤ交換をしていた車両をリスタート時にオーバーテイクでき、展開にも救われてさらに順位を上げられました。チームとしても私としても最大限のことができたかなと思います。ただ、総合的に見ると、やはりトップを走る車両に対しては少し足りない部分があったので、そこは次のテストで見直そうと思います。
予選に関してはちょっと消化不良な部分がありました。でも決勝のスタートで順位を大きく上げられました。序盤はペースが少し辛かったのですが、なんとか前のクルマについていきました。タイヤを交換したタイミングでちょうどSCが出てくれたので、レース序盤でタイヤ交換をしていた車両をリスタート時にオーバーテイクでき、展開にも救われてさらに順位を上げられました。チームとしても私としても最大限のことができたかなと思います。ただ、総合的に見ると、やはりトップを走る車両に対しては少し足りない部分があったので、そこは次のテストで見直そうと思います。
