太田が開幕戦を制す。岩佐と佐藤が表彰台登壇
2025年3月7日(金)~9日(日)、鈴鹿サーキットで2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)シリーズ第1大会(第1戦および第2戦)が開催されました。金曜日に2回のフリープラクティス、土曜日に第1戦の公式予選および決勝、日曜日に第2戦の公式予選および決勝が実施され、第1戦で#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が優勝し、Honda/M-TECエンジン搭載マシンが勝利を飾りました。

今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズには、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、 #6 太田、#10 Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、#12 三宅淳詞(ThreeBond Racing)、#15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、#50 小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、#64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、#65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)の、6チーム計9人がHonda/M-TECエンジンで参戦します。このうち小出とオオムラ・フラガがルーキーとなります。
■予選
8日(土)の第1戦の公式予選では、スターティンググリッドが決まるQ2セッションで、#16 野尻と#15 岩佐のチームメート同士が火花を散らす争いをみせます。ポールポジションを獲得したのは先輩に当たる#16 野尻で、TEAM MUGENがフロントローを独占。3番手には昨年の最終大会で鈴鹿2連勝を飾った#6 太田、4番手には#5 牧野と、Honda/M-TECユーザーが1-2-3-4態勢でスターティンググリッド2列目までを固めました。
■決勝
14時45分、気温13℃、路面温度21℃の曇り空の下、27周の決勝レースがスタートしました。ホイールスピンによりスタート加速が鈍った#16 野尻を、#15 岩佐が先行し、#6 太田と#5 牧野がTEAM MUGENの2台に続きました。その直後、#12 三宅がNIPPOコーナーでコースオフしてクラッシュ。このマシンを回収するため、1周目からセーフティカー(SC)が導入されました。
5周目にレースが再開されると、リスタートの機運をとらえた#64 佐藤がポジションアップに成功。Honda/M-TECユーザーが1-2-3-4-5態勢を築きました。9周目、S字コーナーでアクシデントが発生し2度目のSCが導入されます。このSCラン中に先頭車両が10周を走りきりタイヤ交換が可能となったため、全車がピットインを選択しました。
TEAM MUGEN、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2チームは2台体制のため、順位の高いドライバーからピット作業に入ります。#16 野尻と#5 牧野のタイヤ交換のタイミングは遅れるかたちになり、後退を余儀なくされます。さらに#5 牧野はピットインの最中にエンジンが止まってしまい、大幅に順位を下げてしまいました。全車がタイヤ交換を終えピットアウトした段階ではまだSCランが続いており、トップは#15 岩佐が守りましたが、2番手に#6 太田が浮上、迅速なピット作業で#1 坪井翔(トヨタ)が3番手に進出、その後ろに#64 佐藤がつけました。
13周目にレースが再開されると、オーバーテイクシステム(OTS)を使った#6 太田が#15 岩佐に迫り、第1コーナーアウト側から前に出てトップに立ちました。また、#64 佐藤も#1 坪井を果敢に攻めて順位を入れ替えます。しかし、この周のシケインでまたしてもアクシデントが発生し、3度目のSCが導入されました。
SCランが終わった時点でレースは残り10周。トップは#6 太田、2番手に#15 岩佐、3番手に#64 佐藤が続きます。OTS使用時間の残量に着目すると、2番手#15 岩佐が#6太田より多い状況です。#15 岩佐はOTSを駆使して#6 太田に迫ります。#6 太田も絶妙なタイミングでOTSを使い応戦。結果、#6 太田が0.197秒差で逃げきってチェッカーフラッグを受けました。#6 太田は昨シーズンの最終大会で鈴鹿2連勝を飾っており、これでシーズンをまたいで鈴鹿3連勝となりました。3位に入った#64 佐藤は3年ぶりの表彰台登壇となり、Honda/M-TECユーザーが表彰台を独占しました。

今までは前に出て逃げるという展開が多かったのですが、今日はオーバーテイクをして勝てたというところで、速さだけでなく強さも証明できたかなと思うので、非常に気持ちがいいです。チャンスはSCランが明けてタイヤが温まりきる前のところだと考えていて、実際仕掛けた周は(前を走る)岩佐選手がスライドする場面が多かったので、「ここがチャンスだ」と思って積極的にOTSを使って攻めました。そこからは逃げられると思ったのですがなかなか引き離せず、最後まで本当にプレッシャーをかけられるかたちとなったので、今までと違ってタフなレースでした。
今までは前に出て逃げるという展開が多かったのですが、今日はオーバーテイクをして勝てたというところで、速さだけでなく強さも証明できたかなと思うので、非常に気持ちがいいです。チャンスはSCランが明けてタイヤが温まりきる前のところだと考えていて、実際仕掛けた周は(前を走る)岩佐選手がスライドする場面が多かったので、「ここがチャンスだ」と思って積極的にOTSを使って攻めました。そこからは逃げられると思ったのですがなかなか引き離せず、最後まで本当にプレッシャーをかけられるかたちとなったので、今までと違ってタフなレースでした。























