野尻がポール・トゥ・ウイン。レースは序盤のアクシデントで赤旗終了
10月28日(土)~29日(日)にかけて、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第7大会(第8戦および第9戦)が鈴鹿サーキットで開催されました。今回は土曜日に第8戦の公式予選および決勝、日曜日に第9戦の公式予選および決勝と、1大会に2レースが開催される形式で、シリーズ最終戦となる第9戦には、伝統ある”JAFグランプリ”のタイトルがかけられます。
Honda/M-TECエンジンを用いるユーザーとして、#1 野尻智紀、#15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、#5 牧野任祐、#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、#50 松下信治、#51 ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、#53 大草りき、#55 ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、#64 大津弘樹、#65 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)ら、6チーム11名の選手が出走しました。#64 大津は負傷欠場中の山本尚貴、#53 大草は事情により欠場した大湯都史樹の代役としての出場です。#53 大草は第8戦がスーパーフォーミュラのデビュー戦となります。
本大会を迎えた段階で、シリーズポイントランキング首位は94点の#37 宮田莉朋で、2番手には86点の#15 ローソン、3番手に84点の#1 野尻が続き、計算上は51点を獲得している4番手の#20 平川亮、50点で5番手の#38 坪井翔までの5人にチャンピオン獲得の可能性が残されていました。
28日(土)は朝から快晴となりました。9時30分から公式予選Q1A組セッションが10分間で始まり、#15 ローソンが2番手、#6 太田が3番手、#65 佐藤が5番手、#50 松下が6番手でQ2セッションに進出しました。9時45分から公式予選セッションQ1B組が10分間で始まり、#1 野尻がトップタイムを出し、5 牧野が4番手、#12 福住が6番手でQ2へ進出しました。
10時05分から始まったQ2セッションでは、各車がタイヤのウォームアップを終えてタイムアタックに入った際、#65 佐藤がコースオフしたためセッションは赤旗で中断となり、残り3分でタイムアタックがやり直されることとなりました。路面温度が低くタイヤのウォームアップが難しい状況の中、#1 野尻がポールポジションを獲得、#5 牧野が3番手、#6 太田が4番手、#15 ローソンが7番手、#50 松下が10番手のスターティンググリッドを手に入れました。
晴天の下、28日(土)14時30分、2023年シリーズ第8戦の決勝レースが始まりました。ポールポジションの#1 野尻はうまく加速して危なげなく第1コーナーへ向かいましたが、その後方では3番手スタートの#5 牧野が出遅れ、代わって4番手スタートの#6 太田が好スタートで#5 牧野をかわすと、2番手スタートの#37 宮田のアウト側から第1コーナーに飛び込んで順位を入れ替えました、しかし、2周目の第1コーナーでは#37 宮田の逆襲を許して3番手に後退しました。
この間、先頭の#1 野尻は、チャンピオンを争う#37 宮田が2番手に上がるのを確認してレース序盤の組み立てに入ろうとしましたが、4周目の130Rで#64 大津と#36 笹原右京が接触、2台がコースアウトするアクシデントが発生し、セーフティカーが介入すると同時にレースは赤旗で中断されました。アクシデントにより破損したキャッチフェンスの修復には時間がかかるため、当日のレースはここで打ち切られ、3周目通過時点の順位で最終結果が決まりました。選手権ポイントは規定により半減となり、ランキングトップは103.5点の#37 宮田、2番手には6.5点差の97点で#1 野尻が浮上、3番手に88.5点の#15 ローソンが続き、最終戦を迎えることになりました。