野尻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目。大湯が3位表彰台
8月19日(土)~20日(日)、モビリティリゾートもてぎ(栃木県)で2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦が開催されました。
前回の第6戦を負傷のため欠場した#53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)は、回復途中ではあるもののレースに復帰。Honda/M-TECエンジンユーザーとして、#1 野尻智紀、#15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、#5 牧野任祐、#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、#50 松下信治、#51 ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、#53 大湯、#55 ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、#64 山本尚貴、#65 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の6チーム計11名が出走しました。
19日(土)14時50分から始まった公式予選は、真夏の日差しが照りつける厳しいコンディションとなりました。Q1はA、Bの2組に分かれて行われ、A組では#5 牧野、#15 ローソン、#64 山本、B組では#53 大湯、#1 野尻、#6 太田がQ2へ進出。
スターティンググリッド上位を決めるQ2では#1 野尻が今シーズン3回目、第2戦以来のポールポジションを獲得。2番手には#6 太田がつけて、初めてフロントローに並びました。さらに3番手に#15 ローソン、4番手に#53 大湯と、Honda/M-TECエンジンユーザーが前回のレースに続いてセカンドローまでを独占し、オーバーテイクの難しいもてぎでの決勝レースに有利な状況で臨むこととなりました。
20日(日)も朝から強い日差しが照りつける天候となりましたが、午後になって雲が広がり、降雨の可能性もあるという予報が出ていました。気温は33℃、路面温度は46℃というコンディションで、15時15分に決勝レースがスタート。2番グリッドの#6 太田が出遅れ、ポールポジションの#1 野尻と3番手スタートの#15 ローソンが争いながら1コーナーへ飛び込みました。ところが、2コーナーの立ち上がりでサイド・バイ・サイドになった#15 ローソンがタイヤを縁石の外側に落としてスピン。そこに#19 関口雄飛と#5 牧野、さらに#50 松下が追突する形でアクシデントが発生しました。
レースはここで赤旗中断となり、15時50分にセーフティカー先導でレースが再開。再スタートでは#1 野尻が危なげなく先頭に立ち、2番手に#53 大湯が続きました。#53 大湯は10周を走ってタイヤ交換を行いましたが、#1 野尻はタイヤ交換を遅らせる戦略を選び、25周目まで先頭を走り続けて後続との距離を稼ぎ出しました。
#1 野尻がコースに戻った段階で、前にはタイヤ交換をしていない#37 宮田莉朋と#20 平川亮が走っており、#1 野尻は3番手、#53 大湯が4番手でそれに続きました。
#20 平川は26周目、#37 宮田は29周でタイヤ交換のためピットに入ると、#1 野尻が先頭を取り戻します。約5秒後方には#53 大湯が続き、3番手には#20 平川がつけました。
#53 大湯は新しいタイヤを装着した#20 平川に差を詰められ、33周目のS字コーナーでオーバーテイクを許して3番手に後退。一方、先頭の#1 野尻は2番手に進出した#20 平川との間隔を約10秒に保ち、残った4周をそのまま走りきってポール・トゥ・ウイン。今シーズン2勝目のチェッカーフラッグを受けました。3位にはハイペースで追い上げてきた#37 宮田を振りきった#53 大湯が入り、今シーズン初めての表彰台に上がりました。
今大会で#1 野尻はポールポジションポイントと優勝ポイントを合わせて23点を獲得。シリーズ合計で84点とし、ランキングトップの#37 宮田(94点)、2番手の#15 ローソン(86点)との差を詰めました。10月28日(土)~29日(日)に鈴鹿サーキットで開催されるシリーズ最終大会(第8戦および第9戦)では、この3選手によってチャンピオンの座が争われることになります。