SUPER FORMULA

2021年シーズン前半戦レビュー/終盤戦プレビュー

全日本スーパーフォーミュラ選手権は2戦を残して、いよいよ終盤戦を迎えています。現時点でシリーズランキングのトップは76点を獲得している#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、2番手が41点の#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)となっており、39.5点で3番手につけている#19 関口雄飛(トヨタ)をリードしてHonda勢が1-2体制を築いています。#16 野尻は第6戦ツインリンクもてぎの結果次第で、最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを獲得できる状況ですが、シリーズ終盤戦を展望する前に、ここまでの戦況を振り返ってみましょう。

2021年シーズン前半戦レビュー/終盤戦プレビュー

4月3日(土)~4日(日)、富士スピードウェイで開催された開幕戦では#16 野尻がポールポジションを獲得。2番手に #64 大湯、3番手に病気療養のため欠場した牧野任祐の代役を務めた#6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、4番手に#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いて、Honda勢がグリッド2列目までを独占しました。

決勝レースはスタートで出遅れながらも#16 野尻がトップに立ち、そのまま自身4回目となる優勝のチェッカーフラッグを受け、2位に#64 大湯、3位に#5 福住が続いてHonda勢が表彰台を独占しました。上位6名中5名がHonda勢という大戦果とともにシリーズは開幕しました。


開幕戦富士スピードウェイ Honda勢が表彰台を独占
開幕戦富士スピードウェイ Honda勢が表彰台を独占

4月24日(土)~25日(日)、鈴鹿サーキットで開催された第2戦より、#51 松下信治(B-MAX Racing Team)がHonda勢に加わって出走することになりました。公式予選の結果、ここでもHonda勢は快調で、#5 福住は自身初のポールポジションを獲得、2番手に#16 野尻、3番手に#64 大湯が続き、Honda勢が予選上位3ポジションに並びました。決勝レースではトップを走る#5 福住のタイヤにトラブルが発生しレースから脱落してしまいましたが、替わって2番手につけていた#16 野尻が先頭に立ち、そのままレースを走りきって開幕戦に続く優勝を飾りました。3位には牧野の代役、#6 笹原が入賞し、スーパーフォーミュラで初めての表彰台に上がりました。


第2戦鈴鹿サーキット 開幕2連勝を挙げた#16 野尻
第2戦鈴鹿サーキット 開幕2連勝を挙げた#16 野尻

5月15日(土)~16日(日)、オートポリスで開催されたシリーズ第3戦から、昨年の最終戦以来体調を崩してレースを欠場していた#6 牧野(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が戦線に復帰しました。ここでのHonda勢は、これまでとは一転して予選で苦戦し、#16 野尻が最上位で7番手、#6 牧野が8番手、#12 塚越広大(ThreeBond DragoCORSE)が9番手と、中団に沈むことになってしまいました。

決勝レースは朝から雨と霧に見舞われ、スタート直後の第1コーナーで上位陣がスピンする隙に、13番手スタートだった#51 松下が一気に順位を上げて3番手へ抜け出しました。その後、雨が突然強まり、11周目にセーフティカーが介入。レースは13周終了時点で赤旗中断、結局そのまま終了となりました。最終結果は#51 松下が3位、#16 野尻は5位、#15 大津弘樹(RedBull MUGEN Team Goh)が6位でレースを終え、規定によりハーフポイントながらもシリーズポイントを獲得しました。


第3戦オートポリス 予選13番手から3位へジャンプアップを果たした#51 松下
第3戦オートポリス 予選13番手から3位へジャンプアップを果たした#51 松下

6月19日(土)~20日(日)、スポーツランドSUGOで行われたシリーズ第4戦。ヘビーウエットコンディションとなった公式予選では#6 牧野が2番手、#5 福住が5番手、#64 大湯が7番手、#15 大津が8番手となりました。決勝レース前には晴れて太陽が射し、ドライコンディションでスタートが切られました。

スタートで#6 牧野が遅れ、入れ替わりに#5 福住、#64 大湯が順位を上げて、ポールポジションからトップに立った#19 関口を2台で追撃する態勢を取りました。#5 福住はレース半ば、ピット戦略でトップに立ち、その後#64 大湯も順位を上げて、Honda勢が1-2体制を築き、そのままチェッカーフラッグを受けました。#5 福住は2018年に全日本スーパーフォーミュラ選手権にスポット参戦して以来、4シーズン目にして初めての優勝を遂げることとなりました。


第4戦スポーツランドSUGO 初優勝を果たした#5 福住
第4戦スポーツランドSUGO 初優勝を果たした#5 福住

8月28日(土)~29日(日)、ツインリンクもてぎでシリーズ第5戦が開催されました。ここでは#16 野尻が快調で、計時セッションすべてでベストタイムを記録。公式予選ではコースレコードでポールポジションを獲得しました。3番手に#51 松下、5番手に#64 大湯、7番手に#15 大津が続きました。

決勝レースでは、トップでレースを始めた#16 野尻がタイヤ消耗に気を配りながら後続の追撃を許さず、そのままトップでフィニッシュ。今季3勝目、通算6勝目を挙げてシリーズポイントを76点へ伸ばし、シリーズ2戦を残してシリーズチャンピオンに王手をかけることとなりました。3番手の#51松下はレース終盤に#20 平川亮(トヨタ)と接近戦を繰り広げながら、3位のポジションを守りきりました。


第5戦ツインリンクもてぎ 今季3勝目を挙げた#16 野尻
第5戦ツインリンクもてぎ 今季3勝目を挙げた#16 野尻

こうして、#16 野尻は王座を目前にシリーズ終盤戦を迎えることとなりました。第6戦は年間スケジュール見直しの結果、第5戦に引き続きツインリンクもてぎでのレースとなります。ツインリンクもてぎは、第5戦の計時セッションすべてで最速だった#16 野尻にとっては勢いに乗って戦える場所であり、最終戦が開催される鈴鹿サーキットは、育成プログラム時代から走り込んだホームコースです。#16 野尻の国内トップカテゴリー初戴冠に向けて、舞台は整っています。


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