シャレイナとヴァン・ベバレン、2025年ダカールラリーで表彰台を獲得
この日、サウジアラビアの地でMonster Energy Honda HRCは二重の祝福に包まれました。世界的に有名なモータースポーツイベントであるダカールラリーの第47回大会で、トーシャ・シャレイナとエイドリアン・ヴァン・ベバレンがそれぞれ2位と3位を獲得し、チームにとって2年連続となるダブル表彰台を達成したのです。
総走行距離7453kmに及ぶこの大会は、最終となる第12ステージで劇的なフィナーレを迎えました。このステージは、砂漠での壮観たるマススタートで幕を開け、その光景はかつて選手たちがゴールを目指して相争ったセネガルのラック・ローズでの伝統的なレース風景を彷彿とさせるものでした。この日のステージを以て、アラビア半島を舞台にした2週間にわたる壮大なラリーレイドは幕を閉じました。
今年でまだ4回目のダカール参戦となるシャレイナは、これまでトップ10入りの経験さえなかったものの、13日間にわたるレースで終始卓越した走りを見せ、見事2位を獲得。優勝したダニエル・サンダースに最後までプレッシャーをかけ続け、53時間の競技時間の末、そのタイム差はわずか8分50秒という僅差でした。昨年のダカールでは、第1ステージでのクラッシュにより手首を骨折し、リタイアを余儀なくされましたが、今年はこの若きスペイン人ライダーにとってきわめて上首尾の結果に終わりました。第11ステージでサンダースとの差を7分も縮める素晴らしい走りで優勝を飾ったシャレイナは、周囲の期待を受けながらも冷静さを保ち、前日と同じ砂丘地帯で再び圧巻のパフォーマンスを披露。ここぞという場面でプレッシャーを乗り越える実力を証明しました。幼い頃に世界で一番有名なこのラリーで憧れの選手たちが戦うのを観ていたシャレイナは、彼らとただ競い合うだけでなく、Monster Energy Honda HRCの選手の中で表彰台に最高位で立つという夢を叶えました。
フランス人ベテランライダー、エイドリアン・ヴァン・ベバレンは、2年連続で3位表彰台を獲得。さらに、ダカールラリーでのキャリア通算6度目のステージ勝利も果たしました。特に第2週に入ってからリズムをつかみ、2024年FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)ランキング2位の実力を発揮。ルチアーノ・ベナビデスを抑え込み、チームメイトのトーシャ・シャレイナと共に表彰台入りを祝うことができました。最終ステージ、砂地のプロフェッショナルであるヴァン・ビバレンは砂丘地帯を抜ける54分間のスプリントで全力を尽くし、ラリーGPクラスで最速となるタイムを記録。ステージ勝者となったラリー2クラスのマイケル・ドハティとの差はわずか2秒でした。
2020年と2024年のダカールチャンピオンであるリッキー・ブラベックは、2024年シーズン最終戦のモロッコラリーで負った脛骨高原骨折から復帰。今大会では過去に達成した通算10回のステージ勝利に新たに1回の勝利を追加し、自身のパフォーマンスに満足しています。ダカールラリー2連覇を当初の目標としていたものの、昨年11月までHonda CRF450 RALLYに乗ることさえできなかったことを考えれば、総合5位入賞と第6ステージでの優勝は素晴らしい結果だったと言えます。
ブラベックと同時にゴールしたのは、同じく怪我から復帰したアメリカ人ライダーのスカイラー・ハウズ。FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)には昨年6月のデサフィオ・ルタ40以来の出場となりました。7回目の挑戦となった今年のダカールラリーでは総合6位を獲得しましたが、レース全体を通してトップ集団と互角のペースを維持した彼の走りを十分に反映させる順位ではありませんでした。自身のパフォーマンスへの不満はやや残りつつも、すでに今シーズンの諸大会に向けてさらに力をつけて戻ってくることを決意しています。
サウジアラビアの広大な風景の中を駆け抜けた2週間の戦いが最高潮で幕を閉じました。Monster Energy Honda HRCのライダーたちは、約1か月後にアブダビで開催されるFIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)の次戦に挑みます。
RallyGP ステージリザルト
Pos. | Rider | Num | Nation | Team | Constructor | Time/Gap |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | VAN BEVEREN Adrien | 42 | FRA | Monster Energy Honda HRC | Honda | 54:14 |
2 | SCHAREINA Tosha | 68 | SPA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 00:54 |
3 | SVITKO Stefan | 142 | SLO | Slovnaft Rally Team | KTM | + 00:56 |
4 | SANDERS Daniel | AUS | KTM Factory Racing Team | KTM | + 01:04 | |
5 | BENAVIDES Luciano | 1 | ARG | KTM Factory Racing Team | KTM | + 01:04 |
6 | GONÇALVES Rui | 19 | POR | Sherco TVS Rally Factory | Sherco | + 02:05 |
7 | BRABEC Ricky | 9 | USA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 02:19 |
8 | HOWES Skyler | 10 | USA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 02:19 |
9 | CORNEJO FLORIMO José Ignacio | 11 | CHI | Hero Motorsports Team Rally | Hero | + 02:25 |
10 | SANTOLINO Lorenzo | 15 | SPA | Sherco TVS Rally Factory | Sherco | + 13:01 |
RallyGP 総合リザルト
Pos. | Rider | Num | Nation | Team | Constructor | Time/Gap |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | SANDERS Daniel | AUS | KTM Factory Racing Team | KTM | 53:08:52 | |
2 | SCHAREINA Tosha | 68 | SPA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 08:50 |
3 | VAN BEVEREN Adrien | 42 | FRA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 14:46 |
4 | BENAVIDES Luciano | 1 | ARG | KTM Factory Racing Team | KTM | + 22:16 |
5 | BRABEC Ricky | 9 | USA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 29:50 |
6 | HOWES Skyler | 10 | USA | Monster Energy Honda HRC | Honda | + 42:44 |
7 | CORNEJO FLORIMO José Ignacio | 11 | CHI | Hero Motorsports Team Rally | Hero | + 58:20 |
8 | SVITKO Stefan | 142 | SLO | Slovnaft Rally Team | KTM | + 02:14:38 |
9 | GONÇALVES Rui | 19 | POR | Sherco TVS Rally Factory | Sherco | + 02:50:50 |
10 | SANTOLINO Lorenzo | 15 | SPA | Sherco TVS Rally Factory | Sherco | + 04:16:48 |