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Tim Gajser 243

ティム・ガイザー

Tim Gajser

「Tiga 243」 の名で知られるティム・ガイザーは、2013年末にHondaとジャコモ・ガリボルディ率いるチームに加わって以来、圧倒的な活躍を見せています。2015年のモトクロス世界選手権MX2クラス、続く2016年のMXGPクラスでタイトルを獲得。その後もMXGPタイトルを2連覇し、2022年には通算5度目の世界王者に輝きました。

2015年、19歳の誕生日を迎えてわずか12日後、ティム・ガイザーは自身初のモトクロス世界選手権MX2タイトルを獲得し、一つの夢を実現させました。ガイザーは誰もが認める卓越した才能の持ち主で、ヨーロッパ大会や世界大会のタイトルを次々と獲得しながら、選手権の各クラスを着実に駆け上がっていました。しかし、中でもこのMX2タイトルは特別なものでした。それはこの勝利のわずか2年前、彼のレース活動の継続を断念せざるを得ない状況に直面していた彼の家族にとっても、20年ぶりとなる小排気量クラスの世界タイトルを獲得したHondaにとっても、大きな意味を持ちました。

ガイザーとHondaはその後も快進撃を続け、2016年には若きスロベニア人ライダーがMX2クラスから即座にMXGPクラスへ昇格することを発表し、モトクロス界に衝撃を与えました。その大胆な決断に懐疑的な声も多くありましたが、Hondaとガイザーはその可能性を信じて突き進みました。

そしてやってきた2016年は、まさに記録尽くしのシーズンとなりました。MX2タイトル獲得から1年も経たずして、ガイザーは再び頂点に立ち、ルーキーイヤーにして圧倒的な走りでMXGPクラスの世界タイトルを獲得。前年のMX2クラスでは最終戦までタイトル争いが続きましたが、今大会では、20歳の誕生日を迎える前に、3レースを残した状態でMXGPのタイトル獲得を決めました。Honda CRF450RWでのデビューシーズンで示した圧倒的な強さは、彼とマシンの完璧な組み合わせを証明することとなりました。その後、2019年、2020年、そして2022年も、ガイザーは同様の成功を収めています。

残念ながら、2023年はケガに苦しんだシーズンとなりましたが、それでもシーズン終盤にはトルコとイギリスのグランプリで勝利し、2024年の6度目のタイトル獲得に向けて、見事な足がかりを築きました。

昨年はシーズンの大半でランキングトップを維持し、総合グランプリ4勝、レース7勝、予選8勝を記録しました。惜しくも最終戦直前でレッドプレートを手放すこととなり、最終的にはチャンピオンとの差わずか10ポイントの2位でシーズンを終えました。しかし、シーズン最終イベントのモトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)では、劇的なレース展開の末、圧巻の1-1フィニッシュを決めて見事復活。彼が世界最速のライダーであることを改めて証明しました。

過酷な冬季トレーニングを終えたスロベニア人ライダーは、再び世界最高峰のモトクロスライダーたちと20戦にわたる戦いに挑む準備が整っています。2025年シーズンは、開幕戦のアルゼンチン・コルドバでスタートを切ります。

2016年のMXGPタイトル獲得により、ガイザーはHondaにとって2000年のフレッド・ボレー以来、実に16年ぶりとなる最高峰クラスの世界チャンピオンの座に輝きました。彼はHondaのマシンでモトクロス世界選手権の連覇を果たした9人目のライダーとなり、中でも、より上位クラスに昇格しながら連続年での優勝を達成した、より限られた精鋭ライダー(太字表記)としても名を連ねています。

Hondaの歴代連覇チャンピオン:

  • アンドレ・マレルべ – 1980、1981(500cc)

  • デビッド・ソープ– 1985、1986(500cc)

  • エリック・ゲボス – 1987(250cc)、1988(500cc)

  • ジャン・ミッシェル・バイル – 1988(125cc)、1989(250cc)

  • ジョルジュ・ジョベ – 1991、1992(500cc)

  • グレッグ・アルバーティン – 1992(125cc)、1993(250cc)

  • ステファン・エバーツ – 1996、1997(250cc)

  • フレデリック・ボレー – 1999、2000(250cc)

  • ティム・ガイザー – 2015(MX2)、2016(MXGP)、2019、2022(MXGP)

ガイザーはHonda史上2番目に若い最高峰クラスの世界チャンピオンとなりました。最年少記録は1993年に250ccクラスでタイトルを獲得したグレッグ・アルバーティンです。ガイザーと同じ19歳でしたが、アルバーティンが61日若くタイトルを獲得しています。

主要ライダーの初タイトル獲得時の年齢:

  • グラハム・ノイス(1955年生)– 1979(500cc)= 24歳

  • アンドレ・マレルベ(1956年生)– 1980(500cc)= 24歳

  • デビッド・ソープ(1962年生)– 1985(500cc)= 23歳

  • ジョルジュ・ジョベ(1961年生)– 1987(500cc)= 26歳

  • エリック・ゲボス(1962年生)– 1987(250cc)= 25歳、1988(500cc)= 26歳

  • マルカス・ハンソン(1969年生)– 1994(500cc)= 25歳

  • ジャン・ミッシェル・バイル(1969年4月1日生)– 1988(125cc)= 19歳、1989(250cc)= 20歳

  • トランパス・パーカー(1967年生)– 1991(250cc)= 24歳

  • グレッグ・アルバーティン(1973年10月13日生)– 1992(125cc)= 18歳(8月23日 鈴鹿)、1993(250cc)= 19歳(8月8日 フィンランド)

  • アレッサンドロ・プツァール(1968年生)– 1995(125cc)= 27歳

  • ステファン・エバーツ(1972年生)– 1996(250cc)= 24歳

  • フレデリック・ボレー(1974年生)– 1999(250cc)= 25歳

  • ティム・ガイザー(1996年9月8日生)– 2015(MX2)= 19歳(9月20日 グレン・ヘレン)、2016(MXGP)= 19歳(9月3日 シャーロット)

Rider Statistics

誕生日

1996年9月8日

出身地

スロベニア プトゥイ

カーナンバー

243


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