レース1(MXGP/MX2)では、ガイザーがチームメートのMX2ライダーにゲート選択権を譲ったため、1コーナーを回った段階ではトップ20圏外でした。1周目で10番手までポジションを上げたガイザーですが、リズムに乗ったころにはトップグループから大きく引き離されていて、最終的に7位でフィニッシュしました。個人的に望んでいたリザルトではなかったものの、スロベニアにとっては好成績でした。
レース1には、オーストラリアチームからローレンス兄弟がそろって出走しました。J.ローレンス(MXGP)はうまくゲートから飛び出しましたが、3コーナーでの転倒により最後尾まで後退してしまいました。H.ローレンス(MX2)は、450勢を相手にCRF250Rでトップ15圏内につけました。しかしアップダウンに富んだエルネーのコースでは、隅から隅まで格闘を強いられ、10位がやっとでした。J.ローレンスは最後尾からすぐに反撃し、集団の中でポジションアップを図りました。1周目終了時点では23番手でしたが、レースの半分を終えるころには12番手に到達。最終ラップまで猛烈なチャージを続け、6位でチェッカーフラッグを受けました。ローレンス兄弟のすばらしいパフォーマンスによって、オーストラリアは力強いスタートを切りました。
レース2(MX2/OPEN)では、スペインのフェルナンデスがCRF450Rで好スタートを切り、3コーナーでトップに躍り出ました。レース中盤までリードを保っていましたが、残念ながらコースアウトにより8番手まで後退。それでも、最後まで戦い続けて7位でゴールし、スペインの表彰台への望みをつなぎ止めました。その前方では、H.ローレンスが排気量の格差を克服して5位フィニッシュ。MX2クラス2位となる印象的な走りで、オーストラリアの2年連続ポディウムをほぼ確実なものとしました。
レース3(OPEN/MXGP)には、ガイザー、フェルナンデス、J.ローレンスがそろい、450ccマシンによるチェンバレン・トロフィー争奪戦を繰り広げました。スタートから最も好調だったのはJ.ローレンスで、1周目を2番手でクリア。フェルナンデスは5番手、ガイザーは6番手につけました。数周後、トップに躍り出たJ.ローレンスは独走態勢を築いてフィニッシュ。すでに印象的な2023年の戦績に、モトクロス・オブ・ネイションズでの1勝を追加しました。後方ではガイザーが5位入賞を果たしましたが、これも手堅いリザルトであり、スロベニア史上最高となる総合成績を与えるのに十分な成果でした。残念なことに、フェルナンデスはレースを通して調子を維持することができず、何度かの小さなクラッシュでピットインを強いられ、チームの総合順位に貢献できませんでした。
J.ローレンスの勝利によって、オーストラリアは昨年の総合3位から2位に躍進しましたが、チェンバレン・トロフィーには届きませんでした。フェルナンデスがレース2で記録した7位によって、スペインは総合7位を獲得。ガイザーが引っ張ったスロベニアは、総合9位の喜びを分かち合いました。これらはすべてTeam HRC全員による力強いパフォーマンスの賜物であり、Hondaにとって格別だったシーズンにふさわしいフィナーレとなりました。