今大会には、Team HRC契約のライダーのうち、スペイン代表のルーベン・フェルナンデス、スロベニア代表のティム・ガイザーに加え、オーストラリア代表としてジェット・ローレンスとハンター・ローレンスが兄弟で参加。個人の栄光と国家の誇りを胸に、大きな期待を抱いて、今年最大のレースに臨みました。
3人編成の代表チームの中、2022年世界チャンピオンのガイザーは、祖国スロベニアのAファイナル進出のため、先頭に立って奮闘する必要がありました。ガイザーは、第1コーナーを2番手でクリアした後、トップチェッカーを目指しましたが、腕上がりを起こし、ライディングに影響が出たため、無理をせず6位でフィニッシュしました。スロベニアは予選3レースの総合成績によって、決勝レースで8番目のゲートピックを獲得しました。
スペインはMXoNで一度も表彰台経験のない国です。フェルナンデスとチームメートは、その過去を断ち切る決意を持って参戦しました。オープンクラスに出走したフェルナンデスは、好スタートこそ切れなかったものの、1周目の終わりには4番手に浮上。前を走るライダーとの差を縮めていき、最終的に2位でフィニッシュしました。決勝でスペインに好成績をもたらすためには、十分なポジションです。
アメリカから遠征してきたJ.ローレンスとH.ローレンスは、才能にあふれたオーストラリアチームの中核メンバーとして、初の優勝獲得を目指します。2人は渡米する以前、GPに参戦していたことがあるため、エルネーの丘陵にある硬くて荒れたコースに違和感を覚えることはなかったものの、リズムをつかむまでには少々時間がかかりました。しかし、コースに慣れた2人は予選3レース中2レースで実力を発揮し、J.ローレンスは強豪ぞろいのMXGPクラスで2位、H.ローレンスはMX2クラスで終始3位を保ってフィニッシュ。ナショナルカラーである「グリーン&ゴールド」を有利なポジションに導きました。
日曜の決勝は少々異なるフォーマットで実施され、レース1=MXGP/MX2、レース2=MX2/OPEN、レース3=OPEN/MXGPというように、2クラスずつの混走となります。のべ6つのリザルト(2人×3レース)のうち、ワーストを除いた5つの順位を合計してスコアとし、最もスコアの低かった国が、優勝チームに与えられるチェンバレン・トロフィーを手にします。Team HRCの全員が、2023シーズンのすばらしいフィナーレにふさわしい、このトロフィーを目指します。