開幕戦をディフェンディングチャンピオンのガイザーが完勝
モトクロス世界選手権の2021シーズンが、ロシアのオリョーノクで開幕しました。新型コロナウイルス感染症の流行により、レースカレンダーが見直され、例年よりも遅いスタートとなりました。Team HRCは今季、ディフェンディングチャンピオンのティム・ガイザー、MXGP参戦2年目のミッチェル・エバンスの2台体制でシリーズに臨みます。開幕戦の最高峰クラスでは、ガイザーがレース1とレース2を制し、完全優勝を果たしました。
会場のオリョーノクは、2014年に冬季オリンピックが行われたソチに近く、黒海を臨む青少年キャンプ施設に隣接したモトクロス場です。硬質路面で抜きにくいハイスピードコースですが、ガイザーは計時予選で1分47秒403を記録し、2番目のゲートピックを得ました。なおエバンスは、手首の負傷により今大会を欠場しています。
レース1のガイザーは、中央からややイン寄りのゲートからスタート。1コーナーでは3~4番手でしたが、4コーナーでイン側に集中する先行車をアウトからまくったガイザーが、一気にトップに躍り出ました。2番手はホルヘ・プラド(KTM)の転倒によって、アントニオ・カイローリ(KTM)に入れ替わりましたが、ガイザーは毎周ベストラップを更新しながら独走。最終的に2位となったロマン・フェーヴル(カワサキ)に対し、16秒の大差をつけガイザーが勝ちました。
レース2でも好発進を切ったガイザーでしたが、1コーナーの進入で転倒車に弾かれてコースアウト。再スタート時には最後尾近くでしたが、オープニングラップのコントロールラインでは9番手までばん回しました。ガイザーの猛追撃は止まることを知らず、6周目にはジェフリー・ハーリングス(KTM)をかわし、2番手に浮上しました。CRF450RWを駆るガイザーは、4秒ほどのビハインドを詰め、12周目にはカイローリを攻略。トップに立ってからもペースを緩めずに独走で優勝しました。全く異なる展開の2レースでしたが、両レース優勝によりオーバーオールウインを掌中に収めたガイザーは、10ポイントリードを得ています。