ガイザーが今季3勝目を挙げレッドプレートを堅守
モトクロス世界選手権第2戦が、イギリスのマタリーベイズンで行われました。ウインチェスター郊外にある放牧エリアの窪地に設けられたモトクロス場は、自然な起伏に人工的なビッグジャンプを加えたレイアウトが特徴で、ティム・ガイザー(Team HRC)が最も好きなコースの一つに挙げています。
ガイザーはMXGPクラスに昇格後、当地でレースウインを4回(2016年2勝、2019年1勝、2020年1勝)記録してきましたが、今回はそのリストにもう1勝を追加しました。
前戦を欠場したミッチェル・エバンス(Team HRC)は、左手首の手術を受けるためオーストラリアに帰国しています。今大会の不参加は、昨年のイギリスGPで3位デビューを果たしたエバンスの再訪を願うファンには残念でしたが、今は早期カムバックを祈るばかりです。
天気予報で心配された通り、マタリーベイズンでは午後から雨が降り出しました。レース1のガイザーは、スタートで隣りのライダーと接触したこともあり、1コーナーでは6番手でした。5番手に浮上後、ガイザーはジェフリー・ハーリングス(KTM)をマークし、終始1秒ほどの僅差で追走しました。7周目にはグレン・コルデンホフ(ヤマハ)の後退により、ハーリングスとガイザーが3-4番手にポジションアップ。後半になると雨脚が強まる中、さらにスパートしたガイザーでしたが、フィニッシュ順はアントニオ・カイローリ(KTM)、ホルヘ・プラド(KTM)、ハーリングスに次ぐ4位にとどまりました。
レース2では、ガイザーがオープニングの混戦を3番手でクリア。3周目にはプラドを抜いて、トップのロマン・フェーヴル(カワサキ)に照準を定めました。当初は5秒ほどあったマージンは徐々に削り取られ、レースが後半に突入すると1秒前後の攻防戦になりました。ガイザーはフェーヴルの滑りを観察しながら、違うライン取りを試み、自己ベストとなる2分24秒891を刻みました。ガイザーはそのラスト2周でパッシングに成功。直後フェーヴルに先行を許すも、ラスト1周で抜き返してトップチェッカーを受けました。総合2位(4位-1位)を得たガイザーのポイントリードは、15点差に広がりました。