ガイザーが過酷なドイツGPを乗りきり総合2位を獲得
6月2日(日)、トイチェンタルにてモトクロス世界選手権(MXGP)第8戦ドイツGPの決勝が開催されました。ライダーとマシンに試練を与えるかのように、前日よりも非常に厳しいコンディションとなりましたが、ティム・ガイザー(Team HRC)は困難な状況下でも、総合2位(3-2)で表彰台に登壇し、今シーズンのMXGPチャンピオン争いにとどまりました。
昨日の予選レースを制したガイザーは、今日の決勝2レースで活用できる1番目のゲートピックを得ましたが、コンディションが激変する中で、どちらのレースでも好スタートを切ることができませんでした。前夜から朝にかけての降雨により、コースの路面は昨日より重たくなり、ガイザーにとっても順応が難しい荒れたコンディションになりました。ガイザーはレース1の序盤、2番手までポジションを上げましたが、その後リズムが乱れて5番手まで下がるなど、苦しい時間帯もありました。それでもチャンピオンとして世界に5度君臨してきたガイザーは、1ポイントの重みを熟知しているので、最後まであきらめず、3位までばん回してフィニッシュしました。
チームが一丸となって事態の好転を目指したレース2では、早めに3番手に浮上したガイザーはより快適に乗れているようでした。先行する2台を観察しながら、現地特有の深いわだちがほぼ全周にわたって発生しつつあるコースで、効果的なパッシングポイントを探し続けました。レース終盤の12周目に、ガイザーはジェフリー・ハーリングス(KTM)に対し見事なパッシングを敢行して2番手に浮上。さらにリーダーのホルヘ・プラド(ガスガス)に照準を定めました。その差を2.6秒から0.6秒に縮めたガイザーは、余裕でトップに仕かけられそうでしたが、周回遅れの出現によってライン取りの変更を強いられ、優勝の可能性を断念せざるを得ませんでした。
ドイツGPを終えて開幕から8戦を消化した時点で、ランキング首位をプラドに譲ったガイザーですが、その差はわずか2ポイントに過ぎません。今シーズンはまだ12戦(予選12レース・決勝24レース)が残っているので、ガイザーはこれまでの輝かしい経歴に新たな成果を書き加える絶好の位置につけているといえるでしょう。そのチャンスは来週末のラトビアGP、ガイザーが何度も成功を収めてきた実績があるケグムスのサンドコースへと続きます。
MX2 ザンキが安定した走りをみせ、トップ10でチェッカー
MX2クラスに参戦中のフェルッチョ・ザンキ(Team HRC)は、カムバック以来の連続得点が昨日の予選レースで途切れてしまった失望を払拭しました。レース1で好スタートを切り、トップ10に食い込むまでにそれほど時間はかかりませんでした。ザンキはそのポジションをキープし、6位争いにも加わろうとしましたが、最終的には8位でフィニッシュしました。
レース2でも同様の展開となり、Honda CRF250Rで再び好スタートを切ったザンキは、MX2クラスのトップライダーたちと競り合う機会を得ました。またしても非常に難しいコンディションとなりましたが、ザンキは終始安定した走りを貫き、8位でチェッカーフラッグを受けました。総合8位(8-8)を獲得したザンキは、MX2クラス総合ランキングのトップ10に迫っており、ケガで3戦欠場していたことを考えると、実にすばらしい成績です。
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