マディコンディションを耐え抜いたガイザーがポイントリードをキープ
モトクロス世界選手権第3戦イタリアGPが、マッジョーラで開催されました。ミラノにワークショップを構えるTeam HRCにとって、郊外のマッジョーラは正にホームラウンド。ティム・ガイザー(Team HRC)は世界チャンピオンに初戴冠(MX2)した2015年に、このマッジョーラで総合優勝(3位-2位)を飾った成功体験があります。さらに今年4月に当地で行われたイタリア選手権で勝っており(1位-1位)、好印象を抱きながら再訪したガイザーでしたが、マッジョーラには天候の急変が待ち受けていました。
レース1はドライコンディションでしたが、滑りやすいハードパックだったため、ポジション変動の少ない展開となりました。スタート7番手だったガイザーは、オープニングラップで5番手まで浮上しましたが、そこから先は新しいライン取りを駆使してもパッシングできない状態が続きます。オーダーはロマン・フェーヴル(カワサキ)、ホルヘ・プラド(KTM)、アントニオ・カイローリ(KTM)、グレン・コルデンホフ(ヤマハ)。ガイザーは4周目には自己ベストラップの1分46秒884を出して先行する4台を追走しましたが、1周目の順位を保ったまま5位でフィニッシュしました。
レース2は、スタート前から降り出した雨でマディコンディションとなりました。イン側から2個目のゲートを選んだガイザーは、スタートで出遅れて1周目を11番手でクリア。アップダウンの激しさに加えて、レース1とは正反対の滑りやすさに苦しめられましたが、ガイザーは中盤8周目までに7番手にアップ。前走車が巻き上げる泥を避けながら、さらなるキャッチアップを試みましたが、最終ラップにプラドを抜いて6位になったところでチェッカー。Hondaライダー最上位だった、5位ヘンリー・ジャコビ(JM Honda Racing)からは、1.1秒のビハインドでした。全18戦36レースからなるシリーズの中には、今大会のように足踏みを強いられることもありますが、リスクマネジメントを駆使しつつ困難を乗り切ったガイザーは、6ポイントリードでレッドプレートを守っています。