骨折を押して出場したガイザーが完走(19位-8位)を果たす
モトクロス世界選手権第10戦サルデーニャGPが、イタリアのリオラサルドで開催されました。現時点で18戦が組まれているシリーズの折り返し点を過ぎ、後半戦に突入する今大会の開催地は、地中海に浮かぶサルデーニャ島。年間を通して比較的温暖な気候に恵まれているため、Team HRCはシーズンオフのテストで利用してきました。またリオラサルドは、2月から3月にかけて行われるインターナショナルモトクロスの会場としても馴染みがあり、ティム・ガイザー(Team HRC)には優勝経験もあります。
今回も活躍が期待されたガイザーでしたが、直前にクロアチアのコースで練習中、左鎖骨を骨折してしまいました。ガイザーは手術後、テスト走行でライディングが可能であると確認した上で、サルデーニャに赴きました。フリー走行では3位のタイムを記録したガイザーですが、計時予選では18位にとどまり、スタートのゲートは外寄りになりました。
レース1のガイザーはスタートでやや出遅れましたが、1コーナーでアウトに行ったところ前のライダーの転倒に巻き込まれ、1周目23番手というハンディキャップを負いました。さらに2周目にも再度転倒を喫し、27番手まで後退。荒れたサンドコースでガイザーは、苦しい追い上げを強いられました。15分すぎには、23番手までポジションを上げましたが、前を行くライダーからは9秒以上のビハインド。しばらくガイザーの単独走行が続きましたが、終盤になってターゲットが現れるとパッシングを敢行し、19位でチェッカーを受けました。
レース2でのガイザーは、1周目12番手から追い上げを開始しました。前後にはヘンリー・ジャコビ(JM Honda Racing)や、ベノワ・パトゥレル(Team Honda SR Motoblouz)がいましたが、この混戦を抜け出したガイザーは、6周目には10番手に浮上します。レース後半になると、さらに2台をオーバーテイクしたガイザーが、トップ3並みのラップタイムを刻みながらスパートを続けましたが、最終的に8位でフィニッシュ。ポイントリーダーは、今回の勝者(1位-1位)であるジェフリー・ヘーリングス(KTM)に入れ替わりましたが、堅実なリザルトを残したガイザーは、1ポイント差でランキング2位につけています。