MXGP Race 2
MXGP 2021
Round 10

骨折を押して出場したガイザーが完走(19位-8位)を果たす

it Riola Sardo

モトクロス世界選手権第10戦サルデーニャGPが、イタリアのリオラサルドで開催されました。現時点で18戦が組まれているシリーズの折り返し点を過ぎ、後半戦に突入する今大会の開催地は、地中海に浮かぶサルデーニャ島。年間を通して比較的温暖な気候に恵まれているため、Team HRCはシーズンオフのテストで利用してきました。またリオラサルドは、2月から3月にかけて行われるインターナショナルモトクロスの会場としても馴染みがあり、ティム・ガイザー(Team HRC)には優勝経験もあります。

骨折を押して出場したガイザーが完走(19位-8位)を果たす

今回も活躍が期待されたガイザーでしたが、直前にクロアチアのコースで練習中、左鎖骨を骨折してしまいました。ガイザーは手術後、テスト走行でライディングが可能であると確認した上で、サルデーニャに赴きました。フリー走行では3位のタイムを記録したガイザーですが、計時予選では18位にとどまり、スタートのゲートは外寄りになりました。

レース1のガイザーはスタートでやや出遅れましたが、1コーナーでアウトに行ったところ前のライダーの転倒に巻き込まれ、1周目23番手というハンディキャップを負いました。さらに2周目にも再度転倒を喫し、27番手まで後退。荒れたサンドコースでガイザーは、苦しい追い上げを強いられました。15分すぎには、23番手までポジションを上げましたが、前を行くライダーからは9秒以上のビハインド。しばらくガイザーの単独走行が続きましたが、終盤になってターゲットが現れるとパッシングを敢行し、19位でチェッカーを受けました。

レース2でのガイザーは、1周目12番手から追い上げを開始しました。前後にはヘンリー・ジャコビ(JM Honda Racing)や、ベノワ・パトゥレル(Team Honda SR Motoblouz)がいましたが、この混戦を抜け出したガイザーは、6周目には10番手に浮上します。レース後半になると、さらに2台をオーバーテイクしたガイザーが、トップ3並みのラップタイムを刻みながらスパートを続けましたが、最終的に8位でフィニッシュ。ポイントリーダーは、今回の勝者(1位-1位)であるジェフリー・ヘーリングス(KTM)に入れ替わりましたが、堅実なリザルトを残したガイザーは、1ポイント差でランキング2位につけています。


Tim Gajser
Tim Gajser 243
Team HRC
このレースに出るのは非常に厳しいことだと分かっていましたが、チャンピオン争いではたった1ポイントでもおろそかにできないので、とにかくトライしてみたかったのです。負傷していたのに実際はかなり気分よく走れて、フリープラクティスでは速いラップタイムを記録したのですが、計時予選では好タイムを出すことができず、トップ10内のゲートピックを逃してしまいました。そして残念なことに、レース1の1コーナーでは転倒車に巻き込まれ、ほとんど最後尾からの再スタートになってしまいました。なんとか追い上げを試みたのですが、2周目にも転倒してしまい、状況はさらに苦しくなりました。あきらめずに追撃を続け、何台か抜いた結果、19位でフィニッシュしました。がっかりしたのは確かですが、スタートさえ決まればもっとうまく走れそうな手応えをつかみました。ありがたいことに、レース2ではそのとおりになりました。1周目を12番手でクリアし、本当に難しいコースでしたが、いいリズムに乗れました。けがをしていたものの、それ以外のフィジカルコンディションは良好で、8位まで追い上げることができました。振り返ってみると、総合で貴重な15ポイントを獲得できてうれしく思います。再来週のトイチェンタルまでに体調を整え、また勝利を目指して戦えるようになりたいです。今回はとても困難な大会でしたが、チームのサポート一つひとつに感謝しています


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