ティム・ガイザーは2015年、CRF250RWを駆り、5度の世界タイトル獲得へと続く最初の栄冠を手にしました。これは、HondaとHRCにとって、モトクロスにおける重要な節目となりました。その後、2018年のMX2クラスでは、カルバン・ファランデレンがTeam HRCに加入してこのファクトリーマシンを駆り、MXGPインドネシアで優勝を飾りました。さらにそのシーズンを通じて何度も表彰台に上がり、総合6位でフィニッシュしました。

2019年は怪我に苦しみ、前年と同じような高みには届きませんでしたが、MXGPスウェーデンで1モトを制すると、その後、アッセンでの豪雨の中で開催されたモトクロス・オブ・ネイションズでは、オランダ代表の一員として同国史上初の優勝に貢献。これにより、CRF250Rがあらゆるコンディションで高い性能を発揮できることを示しました。

その後、短い活動休止期間を経て、ジェット・ローレンスとハンター・ローレンス兄弟がアメリカでHonda CRF250Rを駆って成功を収めたことに後押しされたTeam HRCは、2024年にルーキーのフェルッチョ・ザンキを起用してMX2世界選手権に復帰。実力者揃いのMX2クラスでの挑戦は容易ではありませんでしたが、ザンキは見事に順応し、最終的にシリーズランキング10位という素晴らしい成績を収めました。

2025年には、バレリオ・ラタが新たにチームに加わり、この２人のライダーは今年さらなる高みを目指すとともに、Honda CRF250Rのポテンシャルを世界に示すことが期待されています。