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Joan Mir 36

ジョアン・ミルは1997年9月1日、スペインのパルマ・デ・マヨルカで生まれました。彼のバイクへの情熱は、多くの世界選手権ライダーとは異なりすぐには芽生えませんでした。幼少期はマヨルカで店を営んでいた父親の影響でスケートボードに熱中していました。しかし、彼は目覚ましいスピードで成長を遂げ、2017年にはロードレース世界選手権(MotoGP)Moto3クラス、2020年にはMotoGPクラスを制覇。複数の世界タイトルを持つトップライダーの仲間入りを果たしました。2023年、ミルはRepsol Honda Teamと2年契約を結び、その後さらに2年間の契約延長に合意。2026年シーズン終了まで、Hondaのファクトリーチームで戦うことが決まっています。

Joan Mir

経歴

ジョアン・ミルは1997年9月1日、スペインのパルマ・デ・マヨルカで生まれました。彼のバイクへの情熱は、多くの世界選手権ライダーとは異なりすぐには芽生えませんでした。幼少期はマヨルカで店を営んでいた父親の影響でスケートボードに熱中していました。しかし、世界選手権で活躍する従兄弟の姿を見たことをきっかけに、バイクに興味を持ち始めます。そこからはチーチョ・ロレンソのスクールで基礎を学び、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権やレッドブル・ルーキーズ・カップへと、瞬く間にステップアップしていきました。

2013年と2014年のレッドブル・ルーキーズ・カップではすぐに頭角を現し、特に2年目にはホルヘ・マルティンとタイトル争いを繰り広げました。2015年には#36をまといFIM CEVレプソルインターナショナル選手権に本格参戦。序盤は苦戦しながらも、最終的にはランキング4位に入りました。しかし、その年最大のハイライトは、ロードレース世界選手権(MotoGP)Moto3クラスのオーストラリアGPでデビューを果たしたことでした。負傷した尾野弘樹の代役として参戦したミルは、15番手グリッドから驚異的な追い上げを見せ、一時は4番手まで浮上。惜しくも転倒を喫しましたが、世界レベルで十分に戦える才能を証明し、この瞬間に彼の次なるステージが決まりました。

2016年、ミルはMoto3クラスの世界選手権にフル参戦し、オーストリアGPで初優勝を遂げ、同クラスでの初表彰台を獲得しました。シーズン中に3度の表彰台を経験し、総合ランキング5位に入った彼は、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。翌2017年にはHonda NSF250RWを駆り、Moto3クラスを席巻。10勝・13回の表彰台を獲得し、見事Moto3世界チャンピオンに輝きました。シーズンを通して圧倒的な強さを見せたミルは、さらなるステップアップを果たします。

ミルの快進撃はMoto2クラスでも続きました。2018年にMarc VDSチームから参戦し、経験豊富なライダーが揃う中、すぐにトップ争いに加わりました。フランスGPで初の表彰台を獲得し、数戦後のイタリアGPで2度目の表彰台を獲得。最終的にランキング6位でシーズンを終えました。この活躍が評価され、SuzukiのファクトリーライダーとしてMotoGPクラスへのデビューが決まりました。

MotoGPデビューシーズンではトップ10フィニッシュを重ねていたものの、ブルノでのテスト中に負傷し、中盤戦の2レースを欠場。その後の2019年シーズンは、自信の立て直しに注力しました。しかし、シーズン終盤には再び上位争いに復帰。この負傷は一時的なつまずきに過ぎず、ミルのスピードが健在であることを証明しました。

2020年は世界にとって異例の厳しい年となりましたが、ミルは試練や困難の中でも高い集中力を保ち、安定したパフォーマンスを発揮しました。SuzukiのMotoGPマシンを駆るミルにとって、その安定感こそが勝負の鍵を握っていました。タイトルを争う多くのライダーが欠場や転倒トラブルに見舞われ、総合ランキングの入れ替わりが激しい中、ミルは安定してトップ5フィニッシュや表彰台を獲得し続けました。そして、運命を決めることとなった最終戦一つ前のバレンシアGP。その1週間前に同サーキットでMotoGP初勝利を挙げたミルは、翌週のレースで見事2020年MotoGPタイトルを獲得。最高峰クラス参戦2年目にして、世界王座の座に輝きました。

ディフェンディングチャンピオンとして迎えた2021年シーズン。自身の実力を証明すべく挑んだミルは、年間で6度の表彰台を獲得し、最終戦までタイトル争いに加わりましたが、最終的には総合ランキング3位に甘んじることとなりました。しかし、そのパフォーマンスはミルの紛れもない実力を証明しました。

しかし、2022年はミルにとって再び厳しいシーズンとなりました。第6戦でSuzukiのMotoGP撤退が発表され、さらにオーストリアGPでの激しい転倒により4戦を欠場。3度の4位フィニッシュを記録したものの、リタイアが多く、本来の実力を発揮するには至りませんでした。しかし、この困難な経験が彼の闘志に火をつけることとなりました。

2023年、ミルは新たな挑戦としてRepsol Honda Teamに加入しマルク・マルケスと共にシーズンを戦いました。彼にとってもHonda RC213Vの改良に取り組むHRCのエンジニアたちにとっても、難しい2年間となることが予想されました。それでも、インドGPでの5位フィニッシュなど、明るい兆しも見えました。二度の世界王者であるミルは、毎戦全力を尽くし続けました。将来を見据え、Hondaが本来のポテンシャルを発揮できると確信したミルは、2024年に2年間の契約延長を決断。これにより、2026年シーズン終了までHonda HRCファクトリーチームで戦うことが決まりました。


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