Luca Marini 10
ルカ・マリーニ
ルカ・マリーニは1997年8月10日にイタリアのウルビーノで生まれ、幼い頃からバイクとレースに囲まれて育ちました。当初は趣味として始めたバイクが、やがてこの若いイタリア人にとって人生の中心となりました。母国イタリアのジュニアカテゴリーを転戦したマリーニは、2013年のCIV Moto3選手権で4位に入り、6度の表彰台を獲得。そして、同年のロードレース世界選手権(MotoGP)Moto3クラス第12戦サンマリノGPにワイルドカードとして参戦。これがマリーニの世界選手権デビューでした。
その後は、CEVレプソルインターナショナル選手権Moto3クラスで経験を積み、15年にはMoto2クラスにステップアップ。デビュー2戦目にして2位表彰台を獲得したマリーニは、シーズンを通してコンスタントにトップ5圏内でフィニッシュし続け、その才能をみせつけました。そして、クラスデビューわずか1年でMotoGPのMoto2クラスにフルタイム参戦を果たしました。
16年のルーキーシーズンでは、ドイツGPでの6位が最高成績となりましたが、翌17年には、チェコGPでの4位を含む5回のトップ10入りを果たし、スピードと安定性に磨きがかかりました。この活躍によって、18年はVR46 Teamの一員となり、マリーニのパフォーマンスは目覚ましい進歩を遂げました。ドイツGPで3位表彰台に登壇するとチェコGPではポールポジションを獲得。マレーシアGPではMoto2クラス初優勝を果たしました。
19年はタイGPと日本GPで勝利を挙げると、全19戦中17戦でポイントを獲得する好成績を残し、翌20年のシーズンをタイトル獲得候補の一人として迎えました。開幕戦こそリタイアに終わりますが、第5戦スペインGPでは優勝。合計3回の勝利と3回の表彰台を獲得し、ランキング2位となりました。
21年、マリーニは新たに結成されたSky VR46 Avintia Teamに加入し、最高峰クラスデビューを果たしました。Moto2クラスに参戦したときと同様にすべてのレースを完走し、オーストリアGPでは5位を獲得しました。続く22年でもオーストリアGPとサンマリノGPで4位を獲得するなど、コンスタントにトップ10入りする走りをみせました。マリーニは、知的で理路整然としたMotoGPライダーとして評価を高め続け、表彰台獲得は目前に迫っていました。
23年の第2戦アルゼンチンGPのスプリントデビュー戦で表彰台を獲得し、続く第3戦アメリカズGPでは2位表彰台を獲得しました。最高峰クラスでも表彰台を獲得するようになったマリーニは、ほかのライダーを脅かす存在となりました。
そして24年、26歳のマリーニはジョアン・ミルが所属するレプソル・ホンダ・チームに加入しました。バレンシアで行われた最初のテストでは、その仕事ぶりと理路整然としたアプローチによってチームとHonda Racing Corporationのエンジニアたちに好印象を与えました。