Luca Marini 10
イタリア・ウルビーノ出身のルカ・マリーニは、冷静かつ緻密なアプローチであらゆるレースの課題に向き合う、分析力に優れたライダーとして評価を築いてきました。Moto2クラスでは安定したフロントランナーとして活躍し、その実績が評価され、2021年から最高峰クラスへの昇格を果たします。2023年には飛躍のシーズンを迎え、常にフロントランナーを脅かすライダーとして存在感を示しました。そして2024年、マリーニはキャリアの次なるステップに進み、MotoGPにおいてファクトリーHonda HRCチームの一員として参戦。その献身的な姿勢と高い技術力で強い印象を残しています。

経歴
ルカ・マリーニは1997年8月10日、イタリアのウルビーノで生まれ、幼少期からバイクとレースに囲まれた環境で育ちました。最初は趣味として始めたバイクでしたが、やがて若きイタリア人ライダーにとって大きな軸となっていきます。母国イタリアでジュニアカテゴリーを戦い抜いたマリーニは、2013年のCIV Moto3選手権で4位に入り、6度の表彰台を獲得。同年、サンマリノGPでロードレース世界選手権デビューを果たしました。
イタリアでキャリアを積んだマリーニは、CEVレプソルインターナショナル選手権へとステップアップ。まずはMoto3マシンで経験を重ね、2015年にはMoto2クラスへと進出しました。わずか2戦目で2位フィニッシュを果たすなど、その才能は疑いようもなく、シーズンを通してトップ5圏内で安定した成績を記録。Moto2での経験がわずか1年という状況ながら、当時19歳だったマリーニは、Forward Racingからロードレース世界選手権(MotoGP)Moto2クラスへのフル参戦デビューを果たしました。
2016年のルーキーシーズンは、ドイツGPでの6位が最高成績となりましたが、翌年にはスピードと安定感が大きく向上し、チェコGPでの4位を含む5回のトップ10フィニッシュを記録しました。このパフォーマンスが評価され、マリーニは翌シーズンからVR46 Teamに加入。そこで再び大きな飛躍を遂げ、ドイツGPで初表彰台を獲得すると、チェコGPでは初のポールポジションを獲得し、決勝では2位に入ります。さらにオーストリアGPとタイGPでも表彰台を重ね、トップ争いの常連へと成長。2018年マレーシアGPでは、Moto2クラス初優勝を飾りました。
2019年シーズンには、タイGPと日本GPで勝利を挙げ、通算勝利数をさらに伸ばしました。全19レース中ポイントを逃したのはわずか2戦のみで、レースクラフトと安定感が着実に向上していることを示しました。実力が十分に備わったマリーニは、短縮開催となった2020年シーズンを明確なタイトル候補として迎えます。開幕戦でリタイアを喫するも、続くヘレスで勝利を挙げると、シーズン通算3勝に加えてさらに3度の表彰台を獲得。VR46ライダーとしてシリーズランキング2位に入り、エネア・バスティアニーニにわずか9ポイント差でタイトルを逃しました。
2021年、マリーニは新設されたSky VR46 Avintiaチームから最高峰クラスへデビューを果たしました。Moto2昇格時と同様、この年は学習と着実な成長のシーズンとなり、全レースを完走。オーストリアGPでは5位という自己最高位を記録しました。翌2022年には、安定した完走を重ねる存在からトップ10常連へと進化し、オーストリアGPとミサノGPで4位を記録。表彰台獲得も目前となるなか、知的で緻密なMotoGPライダーとしての評価をさらに高めていきました。
2023年シーズン第2戦アルゼンチンGPでは、スプリントレースで初表彰台を獲得。続く第3戦アメリカズGPでは激戦の末に2位フィニッシュを果たしました。最高峰クラスで表彰台を経験したマリーニは、スプリントレース、決勝レースともにトップ5を常に狙う存在として安定した結果を残していきます。インドネシアGPでは初ポールポジションを獲得し、スプリントレースで2位に入賞。インドGPでの負傷から復帰した後の見事な結果となりました。その後、ポールポジション獲得に加え、土曜のスプリント、日曜の決勝の両レースで3位表彰台を記録するなど、これらの活躍はマリーニにとってMotoGPクラスで最も充実したシーズンを象徴する成果となりました。
マリーニのキャリアにおける次なるステップは2024年に訪れました。26歳のマリーニは、Repsol Honda Teamに加入し、ジョアン・ミルのチームメートとしてファクトリーライダーの座を手にしました。バレンシアで行われた初のレース後テストから、彼の高いプロ意識と緻密で理路整然としたアプローチは、Repsol Honda Team及びHRCエンジニア陣に即座に好印象を与えました。その姿勢はシーズンを通して一貫しており、Honda RC213Vへの適応とともに、着実に成績を向上させていきます。2025年に向けては、エンジニアと緊密に連携し、マシン開発をさらに進化させることが目標とされました。マリーニは常にトップ5争いに加わり、安定してポイントと貴重なデータをもたらす走りを続けることで、その目標を見事に達成しました。









