Track Report
MotoGP 2021
Round 5

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.235

fr Le Mans

2017年のチェコGP以来となった”フラッグ・トゥ・フラッグ”。フランスGPでは13年以来、8年ぶりの”フラッグ・トゥ・フラッグ”となりましたが、復帰3戦目を迎えるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がすばらしい走りをみせました。

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.235

予選6番手から序盤はトップグループに加わり、”フラッグ・トゥ・フラッグ”が宣言された5周目以降は首位に浮上。2位以下に大きなリードを築きました。

しかし、8周目の最終コーナーで転倒。再スタートを切りますが、この時点で18番手へとポジションダウン。そこから猛列に追い上げて11番手まで浮上しましたが、18周目の4コーナーで2度目の転倒を喫し、リタイアとなりました。すばらしい走りをみせながら、優勝、表彰台は果たせませんでしたが、本来のパフォーマンスが戻りつつあることを感じさせるレースでした。

Repsol Honda Teamで5戦目を迎えるポル・エスパルガロは、フリー走行、予選と随所ですばらしい走りをみせました。しかし、まだ完全にRC213Vのパフォーマンスを引き出すには至らず、特にウエットコンディションでは苦戦しました。それでもしっかり走り切って8位でフィニッシュしました。

”フラッグ・トゥ・フラッグ”を初めて経験するアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、予選19番手から6位まで追い上げるすばらしい走りをみせます。そして、予選7番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)も一時は3番手に浮上するなど、見ている者を興奮させました。

厳しいコンディションの中で繰り広げられたフランスGP。今大会もHonda勢は表彰台には立てませんでしたが、Repsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督がレースを振り返ります。



今日のマルクのレースへのアプローチはどうでしたか?

「結論から言えば、チャンピオンとして生まれたら、常にチャンピオンであるということを感じさせてくれました。マルクは、まだ体調が万全でないにもかかわらず、今日は優勝できるチャンスでした。マルクはレースをリードしていました。転倒しましたが、その後レースに戻り、再び最速のライダーになりました。2度目の転倒は残念でしたが、彼のスピリットと彼の中にあるパワーはすばらしいものです。もちろん結果には満足していませんが、マルクが彼本来の姿をみせてくれたことをうれしく思います。何カ月たっても彼の走りは失われていませんでした。

ポル・エスパルガロはレース序盤に問題を抱えており、後方からの追い上げになってしまいました。この問題がなければもっと速かったでしょう。それでも彼のポジションは悪くありません。私たちはもっといい結果を待っています。

全体的にフランスGPのHRCの結果はあまり芳しいものではありませんでした。しかし、アレックス・マルケスと中上貴晶は2人とも表彰台に挑戦し完走しました。いずれにしても、今回の結果を受け入れなければなりません」

今大会を終えて、ポジティブポイントとネガティブポイントがあれば、それも教えて下さい。

「ネガティブな点は、マルクが転倒したことですね。ポジティブな点は彼の中にスピリットが見えたことです。これこそが、彼がどんなライダーなのかを明確にしています。彼は何カ月もあきらめませんでした。ル・マンでは優勝のチャンスが訪れました。彼は優勝を目指していました。遅かれ早かれ彼は優勝するでしょう。今はまだ身体が万全ではありません。Honda、HRCはそれを分かっていますし、彼の準備ができるのを待っています。彼にはもう少し時間が必要でしょう。私たちはそれを待っています」



レース中、ピットウォールから見ていた感想は?

「マルクが最初にレースをリードしたときはとても興奮しました。彼が転倒し、再スタートを切ってからのラップタイム、そしてギャップを縮めていく様子にも興奮しました。ほかのHondaライダーたちは序盤に少しタイムを落とし、真ん中辺りで戦っていました。厳しいレースでしたが、レース中盤から終わりにかけてなんとか生き残りました。結果的には、彼ら2人に(フランチェスコ)バニャイア(ドゥカティ)が先行しました」

 

インサイドストーリーがあれば、教えてください。

「ヘレスで話したように、今、私たちは問題を抱えています。これを隠すことはしません。RC213Vを改善しなければなりません。マルクは、まだケガが完全に治っていませんし、100%の状態ではありません。彼は一歩ずつ復帰することに集中していますが、同時に私たちはマシンを改善しなければなりません。エンジニアは努力しています。時間が限られていることもわかっています。次のムジェロとバルセロナはとても難しいサーキットです。特にムジェロは難しく、バランスのとれたマシンが必要です。解決策を準備できるか様子をみたいと思います。そして現地に着いたらベストを尽くすだけです」



次戦イタリアGPは、2年ぶりの開催となるムジェロで5月28日から30日までの3日間で開催されます。


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