Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.244
2年ぶりの開催となった第15戦アメリカズGPは、予選3番手から決勝に挑んだマルク・マルケスがホールショットを奪い、それからも快調にラップを重ね今季2勝目を達成しました。アメリカズGPが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズでは、3年2大会ぶり、通算7勝目。首位を快走しながら転倒リタイアした2年前の雪辱を果たしました。
今大会、マルケスはユーズドタイヤで快調にラップを刻みました。そのため、序盤はややペースを抑え、タイヤがわずかに消耗してきてからペースを上げていく作戦としました。その通りのレースを実践したマルケスは、2位以下との差を着実に広げ、独走で20周のレースを制しました。これでマルケスは、第8戦ドイツGPに続いて今季2勝目。完全なドライコンディションということに限っては、ケガから復帰して13戦目の初勝利となりました。
今大会は、レース終了後のコースに観客が入り、表彰台は地元ファンの大きな声援と拍手に包まれました。
完全復帰に向けて、また一歩大きく前進したマルク・マルケス。その他のHonda勢は思うような結果にはなりませんでしたが、随所で光る走りを見せていました。マルク・マルケスの活躍で終盤の3戦に弾みをつけたHonda陣営。桒田哲宏HRC運営室長が今大会を振り返ります。
・・・オースティンで再び勝利することができました。感想をお聞かせ下さい。
「テキサスに来る前にミサノでとてもいいテストができ、そのためチームもライダーたちもさらにモチベーションを上げてここに来ることができました。このサーキットは伝統的にHondaが得意とするトラックで、2013年以降何度も優勝してきました。一度だけ、マルクがリードしているときに転倒して優勝を逃しています。今年は決して楽な状況でないことは分かっていましたが、それでも日曜日はすばらしい結果を期待していました。マルクが再びここで勝つことができ、彼にとってとても難しいシーズンで2勝目を飾ることができたことは、特別な感慨があります」
・・・このコースはいつも体力的に厳しく、今回はさらにバンプがあってたいへんでした...。
「正直、今週末はいろいろなトラブルがありました。それでもマルクは自分自身とマシンをとてもうまくコントロールしました。彼はタイヤの使い方や、どのように走ればいいのか正確に理解していました。彼のすべての努力にとても感謝しています」
・・・今大会のマルケスの優勝は、Repsol Honda Teamにとって450回目の表彰台になりました。
「RepsolとHondaは、ともにすばらしい数字とすばらしい歴史を築いてきました。COTAのすばらしい勝利で450度目の表彰台を達成することができてとてもうれしいです。この勝利は私たちにとってとても重要です。次のレースに向けてまた一歩前進することができました」
・・・レースを終えて、よかった点、悪かった点は?
「今大会の勝利はチームにとって、そして、一緒にサーキットで仕事をしている人々、そして各自のホームやベースで仕事を続けている人々にとって、とてもポジティブなことです。ネガティブなことは、残念ながら、ポル(エスパルガロ)が期待していた結果に届かなかったことです。タカ(中上貴晶)はいい結果を達成できるポテンシャルがあったので、彼の転倒は残念でした。彼にはいいスピードがあります。小さなミスが大きく影響します」
・・・最後に、今大会のインサイドストーリーがあれば聞かせてください。
「2年ぶりにアメリカに戻ってこられたことは、とてもうれしいことでした。2人の若いHonda AMAスーパークロスのライダー、ジェットとハンター・ローレンスに会う機会がありました。彼らは今年とても力強い結果を残しています。この2年、コロナ禍の中でたくさんのHondaレーシングファミリーに会えずに寂しい思いをしました。でも振り返る時間はありません。すでに私たちは、今シーズン2度目の開催となるミサノのことを考えています。ミサノはレースとテストのデータがたくさんあります。これらのデータをもとにパフォーマンスを向上させ、再び表彰台を目指します」
次戦は10月21日から23日の3日間、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで、第16戦エミリア=ロマーニャGPが開催されます。