Track Report
MotoGP 2021
Round 12

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.241

gb Silverstone Circuit

2年ぶりの開催となった第12戦イギリスGPは、Repsol Honda Teamにとって大きなターニングポイントのレースになりました。予選ではRepsol Honda Team入りして12戦目となるポル・エスパルガロが今季初のポールポジションを獲得。RC213Vのパフォーマンスを遺憾なく発揮し、決勝の序盤ではトップグループの主導権を握りました。タイヤ選択がソフト側だったことで、中盤以降はトップをキープすることができませんでしたが、今季ベストの5位でフィニッシュしました。

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.241

マルク・マルケスは初日のFP1でトップタイムをマークして幸先のいいスタートを切りますが、セッション終盤に転倒を喫します。その際に右目に土が入り、治療を受けて予選、決勝を走行しました。100%の状態ではありませんでしたが、大接戦となった予選では5番手に入りました。決勝はオープニングラップに他者と接触して転倒。再スタートできずにリタイアとなりました。しかし、レッドブル・リンクで開催された2連戦に続き、ドライコンディションでも確実に右腕の状態が回復していることを感じさせました。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は予選17番手から追い上げて8位。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)はリアタイヤのパフォーマンスを引き出せず13位でした。今回のレースを、アルベルト・プーチHRC監督が振り返ります。

今大会、ポル・エスパルガロがいい走りをしました。本来の力を発揮する出発点になりましたか?

「今週末は、ポル・エスパルガロにとってはとても重要なターニングポイントになりました。彼は今回大きく前進したと思います。レースへのアプローチはとてもよくて、彼の本来のポテンシャルを発揮することができました。ポルはこうしたポジションにいられるライダーなので、今後もこの調子で前進し続けることを願っています。チームもHRCもとても喜んでいます。これまで難しい時期がありましたが、今日の結果は彼にふさわしいと思います。予選で彼は最高の走りをしてポールポジションを獲得しました。もちろん決勝でも表彰台を狙っていました。表彰台には立てませんでしたが、重要な一歩を踏み出しました。彼の以前のフォームに戻ることができました」



マルク・マルケスはオーストリアでレベルの高さを示し、このイギリスGPの週末を通しても好調でした。

「この数戦、マルケスが強い走りをするのを見てきました。残念ながらマルティンをオーバーテイクするときにミスジャッジをしてしまいました。故意にやったわけではありませんが、序盤に接触があり、結果的に転倒してしまいました。マルティンと彼のチームに申し訳なく思っています。レースでは1周目でこのようなことが起きることがあります。優勝は無理だったしても、表彰台は獲得できたかもしれないので残念です」



今大会のポジティブポイントとネガティブポイントがあれば、それを教えてください。

「ポジティブなことは、ポル・エスパルガロが本来のレベルに戻ってくることができたことです。私たちがHRCに彼を誘った理由を示すことができました。ネガティブなことはマルケスの転倒です。今週末はアレックス・マルケスもすばらしい走りをしました。彼は最高のレースをしました。彼と彼のパフォーマンスをとてもうれしく思います」



レース中、ピットウォールからの眺めは?

「マルクが1周目で転倒したのを見たときは悲しかったです。しかしその反面、ポルのレースはスリリングでした。彼は順位をキープしようと序盤からがんばっていました。後半は追い上げてくるライバルたちから自分の走りで5位を守り切り、走り切りました」

ポルの戦略とは?

「彼の目標はいいレースをして自分を成長させることでした。私たちは表彰台は求めていませんでした。ポールポジションからスタートすると、普通は表彰台獲得が目標になりますが、今回は違いました。とにかくポルのリアタイヤが大きく消耗したことは事実です。ソフトタイヤの選択が間違っていたのかもしれません。なによりも重要なことは彼が速さを取り戻し、金曜日から日曜日までいい週末を過ごしたことです」



次の目的地はアラゴン。いつもホンダのRC213Vにとってはいいサーキットです。

「アラゴンに再び戻ってくることができてうれしいです。難しいサーキットですが、アラゴンはマルケスととても相性がよく、Hondaもこれまでいい結果をコンスタントに残してきました。もちろん2021年は状況が変わっているし、マルクの状態は100%ではありません。それでも彼は限界のポテンシャルでがんばっています。そして、エスパルガロの進歩を確認でき、中上とアレックスがライダーとして進歩しながらどういうレースをするのか、ということも興味深いことです



第13戦アラゴンGPは、1週間のインターバルで開催されます。マルク・マルケスは2013年に最高峰クラスにデビューしてからアラゴンGPで5回の優勝を達成しています。マルク・マルケスにとっては2年ぶりの大会となる今年は6回目の優勝が期待されます。ポル・エスパルガロもRC213Vで走るのは初めてとなりますが、今大会の好調をキープし、初表彰台、初優勝に挑みます。また、2連戦で行われた昨年の大会では、中上貴晶がテルエルGPでポールポジションを獲得、アレックス・マルケスはアラゴンGPで2位表彰台に立っています。次戦アラゴンGPは、Honda勢4選手の活躍に注目されます。


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