Track Report
MotoGP 2021
Round 11

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.240

at Red Bull Ring - Spielberg

第10戦スティリアGPに続き、レッドブル・リンクで2週連続の開催となった第11戦オーストリアGPは、不安定な天候の中で決勝レースが行われ、スタートと同時に”フラッグ・トゥ・フラッグ”が宣言されました。断続的に降る小雨。レース終盤になると雨脚が強くなり、マシンチェンジをする選手が続出。波乱のレース展開となりました。

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.240

その中で今季ベストグリッドタイの5番手から好スタートを切ったマルク・マルケスは、ドライコンディション、そしてマシンをチェンジしてからのウエットコンディションでもトップグループを走りました。ラスト3周となった1コーナーで濡れた路面に足元をすくわれ転倒。再スタートして15位という結果でしたが、マルク・マルケスのパフォーマンスが戻ってきていることを感じさせるレースとなりました。

Honda勢最上位はマシンをチェンジしなかったアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)で9位。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)もマシンをチェンジせず13位。そして、マルク・マルケスが15位、ポル・エスパルガロはドライコンディションで苦戦しポジションを上げられず、最終ラップにマシンチェンジして16位という結果でした。波乱のレースとなったレッドブル・リンクでの2戦目を、アルベルト・プーチHRC監督が振り返ります。


最終結果がよくありませんでしたが、いい気持ちでオーストリアを後にすることができるのではありませんか?

「最終的な結果はよくありませんでしたが、たとえ不利な状況にあったとしてもマルクは、ドライコンディションでトップのライダーたちとレースをすることができました。これはマルク・マルケスにとって重要なことですし、Repsol Honda Teamにとっても、マルクが本来のポテンシャルを取り戻してきたことを理解するという点でとても重要なことです。もちろん、RC213Vのポテンシャルがまだ少し足りないままオーストリアを後にしますが、改善できるように取り組んでいます。まだ完全ではありませんが、目標に向かって進んでいます」



すべてのライダーがバイクを乗り換えたわけではありませんが、どのような戦略がベストだったのでしょうか?

「この状況では、レースが終わらなければどの戦略がベストだったのかは分かりません。そして、それはライダーにしか分かりません。これはギャンブルですし、運が必要なこともあります。言葉で言うことは簡単ですが、行動することは複雑です。それが今日のレースでした」



レースを終えてポジティブな点と、ネガティブな点がありましたら教えて下さい。

「ポジティブなことはマルクがレースを通してトップのライダーたちと戦えたということです。ネガティブなことは彼がレース終盤で転倒したことです。彼のリアタイヤの選択は正しかったと思いますが、いつもとは違うレースでした。でもマルクもチームも何が必要かは分かっています。また、ポル・エスパルガロと彼のマシンの理解についてもネガティブでした。彼のポテンシャルにはほど遠い走りで、マシンのポテンシャルも発揮できませんでした。彼は苦戦しています。この状況を乗り越えられるように彼と一緒に取り組んでいかなければなりません」


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次戦は、昨年レース開催のなかったシルバーストーンです。

「イギリスに2年ぶりに戻ります。シルバーストーンはとても難しいサーキットです。長く、高速で、時には寒いこともあります。過去のレースでもそうですが、オーストリアのように、いろいろなことが起きます。そして、イギリスは寒くなることがあるので、さらに複雑になります。オーストリアではたくさんのデータを集めることができました。マルクが彼のスタンダードレベルに一歩一歩戻ってきたことが分かったという点で重要な2週間でした」

シーズンは1週間のインターバルを経て、2年ぶりの開催となる英国シルバーストーンで、第12戦イギリスGPが開催されます。


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