Track Report
MotoGP 2021
Round 9

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.239

nl TT Circuit Assen

ドイツGPからの連戦となった第9戦オランダGPは、Honda勢にとっては再び厳しいレースとなりました。多くの人がドイツGPからの連勝と連続表彰台を期待しましたが、それを果たすことはできませんでした。

Repsol Honda Team 現場レポート2021 - Vol.239

しかし、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスが20番手という厳しいグリッドから7位でフィニッシュ。マルク・マルケスらしい豪快な走りを世界のレースファンに届けました。また、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は前半上位陣に加わり、初表彰台獲得に大きく前進。後半は9位へ後退しましたが、これからの活躍を大いに期待させました。ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)も結果は10位でしたが、フリー走行と予選では今季最高の走りをみせ、後半戦の活躍に期待が膨らみました。

グランプリはこれで5週間のサマーブレイクに入ります。Hondaにとっては厳しい前半戦となりましたが、マルケスが2年ぶりの優勝を達成するなど明るい話題もありました。前半戦の締めくくりとなったドイツGPからの連戦となったオランダGPを、アルベルト・プーチHRC監督が振り返ります。


ザクセンリンクの後、アッセンは別のストーリーになるだろうと話していました。

「はい。ザクセンリンクはHondaとマルク・マルケスにとって、とても相性がいいサーキットです。マルクはザクセンリンクでチャンスがあり、優勝を両方の手でしっかりとつかみとりました。対してアッセンは、これまで決して簡単なサーキットではありませんでした。すべてのHonda HRCライダーにとってよりたいへんなサーキットでした。このことは到着する前からはっきり分かっていました。金曜日のマルクの転倒でさらに週末は複雑になりました。あの転倒がなければ、彼は自信を失わずにすみ、表彰台争いができたかもしれません」



マルケスは、金曜日の時点では電子制御について強い不満を述べていました。しかし、土曜日のQ1終了後には、Honda HRCの素早い対応を賞賛しています。

「Hondaを始め、チーム全員でこの問題に対処し、克服しようとしましたが十分ではありませんでした。今はゆっくり休んで、シーズン後半へ向けてしっかりと準備するときです。それにしてもレース序盤には、マルクのすばらしい追い上げを見ることができました。20番手からスタートして、わずか1周で約10人のライダーをパス。これこそ私たちが知っているマルクです。彼の努力とポテンシャルを示しています。休み明けのオーストリアでさらに回復した彼の走りを見るのが楽しみです。

中上貴晶もレースですばらしいスタートを切りました。彼のスタートは力強く、レースの半分をトップ3で走行しました。しかしいくつかの問題があって、前のライダーたちについていくことができなくなりました。残念です。また、ポル・エスパルガロにもいいレースをしてくれることを期待していましたが、彼も問題を抱えていました。好調だったし力強い週末だったので、とても残念です」



今シーズン、ここまではHondaにとっては最高のスタートではありませんでしたが、復活に向けて今は充電するときですね。

「シーズンのスタートは簡単ではありませんでした。チームの一部は、これから日本の家に戻り、まずは休息することになります。家族と遠く離れてヨーロッパでずっと過ごしてきた日本人のスタッフにとっては簡単なことではありませんでした。彼らの努力には多大な敬意を払いたいです。そして彼らエンジニアを信頼しています。これまでのレースでたくさんのデータを集めてきました。自分たちに弱点があることも分かっています。日本で彼らはそれを調べて、一生懸命仕事に取り組み、アイディアを持って戻ってくるでしょう」

シーズン後半戦は、オーストリアのレッドブルリンクでスタート。第9戦スティリアGP(決勝 8月8日)、第10戦オーストリアGP(決勝 8月15日)の2連戦から始まります。今季2勝目、3勝目に向けてHondaは全力を尽くします。



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