Repsol Honda Team 現場レポート2023 - Vol.268
シーズン前半戦を締めくくる3連戦、イタリアGP、ドイツGP、そしてオランダGPの戦いをRepsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が振り返ります。
・・・この3連戦は、Hondaにとって決して楽な戦いではありませんでした。この状況をどう見ていますか?
「もちろん、この状況は満足できるものではありません。そして、受け入れられるものでもありません。私たちのライダーは3人がケガをしていますし、結果もついてきていません。これは私たちの目標とは異なります。今はマルケスとミル、そしてリンスの回復に集中し、できる限り100%に近い状態で戻ってこられるようにしなければなりません。幸いなことに、これからサマーブレイクに入るので、彼らは休養と回復が可能です。
ライダーたちが最大限ポテンシャルを発揮できるように、もっと努力しなければならないのは明らかです。そういう状況の中で、ヨーロッパから日本まで、HRC全員が全力でこの課題に取り組んでいます。私たちは満足していません。そして、さらに取り組まなければなりません」
・・・今年中にどのようなアップグレードや開発が予定されていますか?
「まずは、問題がどこにあるのか、そして、その最善の解決策を深く理解しなければなりません。HRCのすべてのエンジニアにとって、このインターバルでの最優先事項です。シーズンが始まり、その間に得られたライダーのフィードバックを基に、すでにいくつかの項目に取り組んでいます。引き続き、前進しなければなりません。グランプリのマシンは、全体的に改善できるように取り組まなければなりません。新しい一つの部品ですべてが解決されることはないのです。
休み明けには、今後に向けてクリアなアイディアを持ちたいと思います。今は状況を分析し、その状況の核心に迫る時です」
・・・アッセンでは、中上貴晶とRepsol Honda Teamから出場したイケル・レクオーナの力強い走りを見ることができました。
「中上は引き続き熱心に取り組んでいます。多くの周回をこなし、データを集めています。彼の安定性のおかげで最近のレースではポイントを獲得することができました。特にアッセンでは、他のライダーがミスをして転倒しているときに、彼はトップ10に入ることができました。彼の仕事に感謝しています」
「Repsol Honda Teamのピットでは、イケル・レクオーナがとても力強い週末を過ごしました。このマシンに乗るのはまだ2度目ですが、すべてのセッションで速くなることができました。レースウイークを通して彼は落ち着いていて、チームと協力して前進しました。残念ながら日曜日のレースでは完走できませんでしたが、レース前半はすばらしかったです。彼はWSBK、鈴鹿8耐と忙しい時期を迎えますが、彼がベストを尽くせることを願っています」
・・・最後に、ソムキアット・チャントラと小椋藍が、Moto2で再び上位に近づいてきましたね。
「小椋は開幕前のトレーニングでケガをしたことで序盤の2レースを欠場しました。今はケガから回復しつつあり、再びフィーリングをつかんでいます。アッセンでは昨年のようなポテンシャルを見せることができました。彼の目標は力強くシーズンを終えることであり、毎週末トップグループで戦うことです。今年のチャントラは安定した走りを見せています。アッセンではポイントを逃しましたが、いくつかのレースではトップに近いところにいました。シーズンの後半は彼の得意とするサーキットが待っています」