Repsol Honda Team 現場レポート2023 - Vol.266
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催された第3戦アメリカズGPは、プラクティス3番手、予選2番手、スプリントレースで2位になったLCR Honda CASTROLのアレックス・リンスが、決勝で優勝しました。10周で行われたスプリントレースでは、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)の独走を許しましたが、決勝ではバニャイアをピタリとマーク。8周目にバニャイアが転倒を喫し、それからはリンスの独走となりました。
Honda RC213Vの優勝は、2021年のエミリア=ロマーニャGP(イタリア・ミサノ)でマルク・マルケスが勝って以来のこと。開幕戦ポルトガルGPでは、マルケスがポールポジションを獲得、スプリントレースで3位になっていますが、今大会のリンスの優勝は、RC213Vが確実に進化していることを証明しました。今大会、Repsol Honda Teamのジョアン・ミルとマルケスの代役として出場のステファン・ブラドルは転倒リタイアでしたが、Repsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が、アメリカズGPを振り返ります。
・・・今大会のリンスの活躍は、RC213Vのポテンシャルの高さを見せてくれました。
「そうですね。リンスは、RC213Vのポテンシャルの高さを見せてくれました。今大会、HondaのマシンがGPを制しました。これは私たちが毎戦目標にかかげていることです。ここ数カ月、我々のマシンのポテンシャルは疑問視されてきましたが、今大会は、RC213Vが高いポテンシャルを持っていることを証明することができました。リンスのライディングと集中力、そしてパフォーマンスには、本当に感謝しています。彼は明らかに速いライダーですが、我々もまた、ここ数戦のマシンの進化を喜びたいと思います」
・・・ミルにとっても、多くの可能性を秘めたレースウイークでした。今大会、彼に欠けているものは何だったのでしょうか?
「ジョアンの高いポテンシャルは、疑いの余地がありません。彼はいま、RC213Vを理解し、乗りこなそうと努力しています。そして、毎週毎戦、進歩しています。HRCは、彼のポテンシャルは少なくともリンスと同じだと考えています。彼らは長年同じチームでレースをして、そして結果を出してきたのですから。いずれにしても、ジョアンはもうじきRC213Vのパフォーマンスを引き出せると信じています。彼はマシンのポジションをよく研究しており、アメリカでは一歩を踏み出すことができました」
・・・ケガで欠場しているマルク・マルケス選手の回復はどうでしょうか。自宅でレースを見ていたと思いますが・・・
「マルクは医師が決めたプラン通りにリハビリを続けており、よくなっています。スペインGPの前には、右手の状況を確認するために、もう一度チェックを受ける予定です。その時点で、彼の回復の状況がはっきりわかると思います。今大会の結果は、彼を満足させたと思います」
・・・最後に、今大会を終えてのメッセージをお願いします。
「日本やヨーロッパでのハードワークが、やっと報われました。HRCをはじめ、Repsol Honda Team、LCRなど、優勝という目標に向かって全員が全力で取り組んできました。今大会は、リンスの努力のおかげで勝利を得ることができました。私たちは、MotoGPという舞台で今も働き、そして挑戦しているということをしっかり証明することができました」
第2戦アルゼンチンGP、第3戦アメリカズGPを終えて、戦いの舞台は再びヨーロッパへ。1週間のインターバルを経て、第4戦スペインGPがヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われます。Hondaは、2戦連続優勝に向けて全力で挑みます。