栃木の山深くに位置するモビリティリゾートもてぎは、1997年にHondaが多目的テストコースとして建設し、オーバルコースも併設されています。多数のHonda Racing Corporationのマシンが初走行を迎えたこの全長4.8kmのコースは、2004年から日本GPを開催しており、これまでに多くのHondaライダーが勝利や世界選手権タイトルを獲得してきました。カレンダーの中でも屈指のハードブレーキングが特徴で、MotoGPマシンのリアタイヤが浮き上がり左右に振られる場面が頻繁に見られます。

ルカ・マリーニは世界選手権ランキングトップ10入りを視野に入れて日本GPに臨みます。怪我から復帰したドイツGP以降、着実にスピードを上げています。総合トップ10入りだけでなく、Honda最上位も目標として掲げているマリーニは、序盤に築いたザルコのポイントリードを少しずつ詰めており、現在は33ポイント差です。残り6戦、逆転のチャンスは十分にあります。マリーニは2024年の日本GPでは14位でしたが、2025年はさらなる上位を狙っています。彼のスピードと成長は、過去12か月間にHonda HRCのエンジニア陣が進めてきた開発の成果を如実に示しています。

誰よりも遅いブレーキングで知られるジョアン・ミルのスタイルと、Honda RC213Vの特性、そしてもてぎのコースレイアウトは、大きな可能性を秘めた組み合わせです。ミルはしっかり1週間、ミサノで負った首の負傷からの回復に専念して過ごし、過去数戦の走りを再現すべく、日本での多忙な週末に備えています。不運が続いているものの、2020年MotoGP世界チャンピオンはすでに2024年シーズンの倍以上のポイントを獲得しています。日本GPにおける最高峰クラスでの過去最高成績は2019年の8位となっています。

グリッドにはファクトリーライダーの2人に加え、日本人テストライダーの中上貴晶も並びます。2025年4度目のMotoGP参戦となり、HRCテストチームからのワイルドカード参戦は今回が2度目となります。

サーキット情報
北関東地方の広大な自然に囲まれたモビリティリゾートもてぎは、国際基準に基づいて建設された全長2.4キロのオーバルコースと全長4.8キロのロードコースで構成されています。Hondaが1997年8月に最高峰のテスト施設として建設し、ロードコースは1999年からMotoGPを開催してきました。一方、オーバルコースはアメリカのモータースポーツ文化を日本に紹介するために設計されました。

モビリティリゾートもてぎは、博物館「Honda Collection Hall」が併設されており、一年中モータースポーツファンを魅了する人気スポットとなっています。ホール内には歴代のバイクや車、レーシングマシンを展示しています。さらに敷地内には安全運転スクール、ゴーカート場、ホテル、レストラン、ショップ、イベントホールを備え、現在約300名のスタッフが従事しています。

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