2020年シーズン以来の開催に先立ち、アウトモトドローム・ブルノは路面を全面再舗装し、ファンやライダー、チームから長らく惜しまれてきたコースがついに戻ってきました。起伏が多く、ハードブレーキング、コーナーの高速侵入、そして力強い加速の組み合わせが魅力のブルノでは、スリリングな展開間違いなしの復帰戦となるでしょう。Hondaは1966年以降、チェコGPの最高峰クラスで19回の勝利を誇っています。

ルカ・マリーニは、復帰戦となったドイツGPで予想を覆す走りを見せ、ポイント獲得にとどまらず、Honda HRCファクトリーライダーとして自己最高の成績を収める快挙を成し遂げました。まだ回復途中にあるマリーニですが、流れを維持するべく自身とHonda RC213Vの日々の進歩に落ち着いて集中しています。ドイツGP前に行われた短いテストを除けば、マリーニにとってブルノでの直近のレース経験は、2020年のMoto2で4位に入った一戦となっています。

一方、ジョアン・ミルにとってチェコGPの鍵となるのは、幸運の女神を味方につけることです。2020年のワールドチャンピオンであるミルは、前戦のドイツGPで確実な結果を手にしかけながら、心を折られるような結末に終わりました。2025年シーズンは厳しい週末が続き、努力が報われない状況でも、日曜日のレースでは常にチャンピオンらしい粘り強さで、力を振り絞っています。わずかな運の後押しがあれば、必ずやポジティブな週末への転機となるでしょう。ミルは2017年のチェコGPをMoto3で制し、その年のワールドチャンピオンタイトル獲得につなげています。

サーキット情報:
ブルノでは1930年以降、世界の名だたるライダーたちがGPに参戦してきました。1982年までは、チェコスロバキア初代大統領のトマーシュ・マサリクにちなんで名付けられた公道コースで、村や街の西部を駆け抜けるレースが行われていました。これまでにブルノより多くのグランプリが開かれた会場はオランダのTTサーキット・アッセンだけで、アッセンはMotoGP創設以来70年連続でダッチTT(オランダGP)を開催しています。初のチェコスロバキアGPは1965年に行われ、500ccクラスのレースは全長13.94kmの公道サーキットを13周で争われました。安全性向上を目的に1975年には10.92kmへと短縮され、1977年に公道サーキットでの最後の最高峰クラスレースが開催されました。現在の常設サーキットは1987年から使用され、1991年までチェコスロバキアGPとして開催されました。1992年には一度カレンダーから外れましたが、1993年にチェコGPとして復活し、それ以降毎年開催されています。観客とライダーの両方から人気の高いこのサーキットは、自然の地形を活かして設計されており、観客に素晴らしい眺望を提供するバンクが各所に設けられています。森林に覆われた丘陵地を縫うように駆け抜け、起伏のある高速コーナー群を特徴とするブルノ・サーキットは常に高低差が変化し、ライダーの技術とマシンのエンジニアリングを極限まで試す舞台となっています。

HRC公式Instagramで最新情報をチェック！
https://www.instagram.com/hondaracingcorporation/