朝のウォームアップはウェットコンディションで始まりましたが、その後すぐに回復し、ザクセンリンクでの週末最高の天候となりました。週末を通して25万人以上の観客が詰めかけ、過去最高の動員を記録したドイツGPは、白熱した30周にわたるドラマチックなレースで幕を閉じました。

ルカ・マリーニは今季最高とも言えるスタートを決め、15番グリッドからロケットのようにポジションを上げ、1周目終了時には9番手に浮上しました。イタリア人ライダーは痛みの限界の一歩手前まで耐えながらトップ10圏内をキープし、終盤に備えて体力を温存する走りを見せており、厳しい状況での1周目となりました。コンディションとタイヤ摩耗に悩まされるライダーが続出する中、マリーニはミスのない完璧な走りでブラッド・ビンダーとジャック・ミラーを抜き去り、残り数周で6位に浮上。10ポイントを獲得したマリーニは、Honda HRCライダーとして自身最高のリザルトを記録しました。さらに、全戦ポイント獲得のパーフェクトランも継続しています。

この結果により、マリーニは総合ランキング15位に浮上し、14位の小椋藍との差はわずか1ポイント。コンストラクターズランキングでは、HondaはKTMに9ポイント差まで迫っています。

チームメイトのジョアン・ミルも序盤からポジションを上げていき、好調な滑り出しを見せました。レース中盤にはマリーニとともにトップ10圏内に入り、最後までHonda最上位を狙える絶好のポジションにつけていました。しかし、不運にも第1コーナーで小椋の不安定なマシンがミルのHonda RC213Vに接触し、持てる力を発揮するチャンスが断たれてしまいました。今回もまた、大きな可能性を見せながらも不運に終わったレースとなり、ミルはチームとともに悔しさを噛み締める結果となりましたが、幸い大きな怪我はありませんでした。

Honda HRC Castrolはすぐに次戦の地、チェコへと移動します。ブルノ・サーキット(アウトモトドローム・ブルノ)が2020年以来となるカレンダー復帰を果たし、久々の開催となります。新たに路面が再舗装されたことで、次戦もMotoGPらしいスリリングな週末が期待されます。

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