テストを前にインドネシア・ジャカルタで鮮やかな新カラーリングを発表したHonda HRC Castrolチームは、待望の実戦デビューを迎えます。ポジティブなプレシーズンテストを過ごし、チームは日を追うごとに自信とスピードを高めてきました。特にジョアン・ミルは、ブリラムでのテストに手応えを感じており、仕上がりに満足しています。彼とマリーニは、Honda HRCの新たな時代をMotoGPの舞台で切り開くべく、再びタイの地に向かいます。

今年はMotoGP史上初めて、タイがシーズン開幕戦の舞台となります。2018年にカレンダーへ加わって以来、チャーン・インターナショナル・サーキットでは数々の歴史的瞬間と壮絶なレースが繰り広げられてきました。2025年シーズンも熾烈な戦いが予想されており、ライダーとチームは2週間前に行われた2日間のテストを経て、万全の状態で開幕戦に挑みます。

2020年MotoGP世界チャンピオンのジョアン・ミルは、プレシーズンテストを総合6位で終え、Hondaのファクトリーチームに加入以来、今回の2回のテストが最も充実したテストとなったと語っています。冬の間に行われたHonda RC213Vの改良とアップグレードの成果もあり、ミルはテスト最終日にベストタイムの1分29秒399をマーク。2024年タイGPでのQ1タイムを0.6秒上回る好記録を叩き出しました。もちろん、テストとレースは別物ですが、27歳のミルは再びトラックへと戻り、この勢いをシーズンの好スタートへと繋げる覚悟が出来ています。今回のタイGPは、ミルにとってプレミアクラス通算100戦目の記念すべきレースとなります。

ルカ・マリーニはワークス仕様のHonda RC213Vで2年目のシーズンを迎えます。今季はHonda HRC Castrolの新カラーを纏い、さらなる飛躍を目指します。テスト期間ではHRCのエンジニア陣のリクエストに沿って精力的に作業を進め、多くのデータを収集。得られたデータをもとに、開幕戦から好スタートを狙います。昨年のブリラムでは、日曜日の決勝で12位を獲得し、同年に行われた自身のホームGPであるミサノでのパフォーマンスと並ぶベストリザルトを記録しています。

Honda RC213Vは、2月28日（金）にフルレーシング仕様で初めてコースインし、3月1日（土）現地時間15:00開始予定のシーズン最初のMotoGPスプリントに向けて準備を進めます。日曜のメインイベント、タイGP 26周の決勝レースは3月2日（日）現地時間15:00にスタート。新たなMotoGPシーズンが幕を開けます。

サーキット情報

ドイツの建築家ヘルマン・ティルケによって設計されたチャーン・インターナショナル・サーキットは、2014年にオープンし、2018年からMotoGPの開催地となりました。首都バンコクから北東約410kmに位置するブリラムの町は、「幸福の街」を意味し、典型的な東南アジアの高温多湿な気候が特徴です。全長4.554km、12のコーナーを有し、2015年からはスーパーバイク世界選手権(WSBK)のレースが行われてきました。最先端の施設を備え、総収容人数は10万人、コース周辺に設置されたさまざまなスタンドから観客は素晴らしい視界を楽しむことができます。