ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト(以下ヘレス)では1987年に初めてグランプリが開催され、以降スペインGPの舞台として定着しました。コロナ禍で開催された2020年には第2戦スペインGPと第3戦アンダルシアGPが開催され、グランプリ史上初めて同一サーキットでの2連戦が行われました。

スペインGPは、ヘレスのグランドスタンドやコース周辺の丘に多くのファンが詰めかける、シーズンで最も観客数の多い象徴的なレースの一つです。サーキットのあるアンダルシア地方は一年を通じて温暖な気候で、ウインターテストやプライベートテストの舞台となっています。そのため選手、チームともにサーキットでの経験が豊富で、初日からレベルの高い走りが予想されます。

全長4.423kmのへレスでは、これまで数々の名勝負が生まれています。ミック・ドゥーハン vs アレックス・クリビーレ、バレンティーノ・ロッシ vs セテ・ジベルノー、マルク・マルケス vs ホルヘ・ロレンソなどの熱戦は、サーキットに集まったファンを興奮させました。Hondaはこのサーキットで初開催の87年に初優勝、2019年までに22回の優勝を達成しています。

前戦アメリカズGPでスプリント、決勝レースともに転倒を喫したジョアン・ミル(Repsol Honda Team)は、シーズン序盤の2戦でみせた調子を取り戻し、自分のパフォーマンスを最大限に発揮しようと意気込んでいます。ヘレスはRC213Vの開発テストにおいて中心的なサーキットであり、テストデータがフィードバックされたマシンでミルがどんな走りをするのか注目です。

チームメートのルカ・マリーニも、今大会から始まるヨーロッパラウンドで活躍が期待されます。前戦アメリカズGPではスプリント、決勝レースをともに完走。今大会も引き続き前進を続け、Honda勢のトップ争いに加わることに集中します。今最も必要とされているのは、RC213Vで最大限の周回をこなし、より多くの情報を得ること。マリーニのスペインGPでのベストフィニッシュは、昨年の大会の6位です。

今大会は、HRCのテストチームからステファン・ブラドルがワイルドカード参戦。また、大会終了後の4月29日(月)に行われる公式テストにはHonda勢全員が参加予定です。

○サーキット情報

ヘレス・サーキットはシーズンを通じて最も人気のあるサーキットの一つで、1986年に建設され、翌87年に初めてグランプリが開催されました。スペインの南部に位置し、地中海性気候のため一年を通じて温暖で、美しい景色に恵まれています。一周4.423kmでバラエティーに富んだ大小13のコーナーがあり、そのすべてがパッシングポイントと言っても過言ではなく、毎年厳しい戦いが繰り広げられます。サーキットを取り巻く観客席はレースウイークを通じて最大25万人の観客を集め、熱気あふれる大会となります。

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