序盤はバニャイアがじわじわリードを広げました。しかし、バニャイアを上回るハイペースでリンスがバニャイアの背後に迫ります。その数周後、リンスのプレッシャーの中でバニャイアが8周目に転倒し、リンスが単独首位に浮上しました。リンスはその後、後続とのリードを確認しながら20ラップを着実に走り切り、自身としては昨年の最終戦バレンシアGP以来、3戦ぶり。アメリカズGPでは19年以来、2度目の優勝達成となりました。
Hondaとしては、21年のサンマリノGPでマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が優勝して以来、2年ぶり。今年で10回目の開催となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のアメリカズGPでは、これで8回目の優勝達成となりました。
以下、Honda勢は、ケガで欠場のマルク・マルケスの代役として出場のステファン・ブラドルが、11番手を走行中の19周目に転倒。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は9番手を走行していた12周目。ジョアン・ミル(Repsol Honda Team)も10番手を走行中の9周目に転倒し、それぞれリタイアに終わりました。
今大会、リンスをのぞくHonda勢は、リアのトラクション不足で苦戦しました。そうした状況の中で、代役出場のブラドル、中上、ミルの3選手はポイント圏内で健闘しましたが、惜しくもリタイアに終わりました。結果にはつながりませんでしたが、3選手の残したデータ、そして優勝したリンスの走りと彼の残したデータは、Hondaにとって大きな一歩となりました。