午前のFP1は、雲の流れが速く、時折り小雨が降るあいにくのコンディションで、思うように周回を刻めませんでした。午後のFP2ではサーキットの電源設備トラブルと転倒事故のため2度の赤旗中断があり、両セッションともに集中力をキープするのが難しい一日でした。
Honda勢最上位のミルは、FP1で2番手と好調なスタートを切りました。FP1は小雨交じりの難しいコンディションでしたが、FP2がウエットコンディションになることも予想されたため、前後にソフトタイヤを装着してタイムを上げます。コンディションが改善したFP2ではさらに0.433秒タイムを更新。トップから1秒差に14台という接戦の中で12番手でした。
ミルは2週間前に同地で行われた2日間の公式テストで1分38秒762をマークしていますが、この日は1分38秒394とタイムを更新し、RC213Vのセットアップが前進していることを確認しました。
リンスは、ミルと0.022秒差の1分38秒416で13番手。FP1では、1分39秒595で13番手でしたが、FP2では1秒以上タイムを更新しました。リンスも、2週間前の公式テストのタイムを更新しており、RC213Vのパフォーマンスを着実に引き出してきています。
マルケスはFP1で10番手。FP2では、FP1のタイムを1秒以上短縮する1分38秒419をマーク。14番手で初日を終えました。一日を通してフィーリングはよかったというマルケスですが、FP2の3コーナーで転倒を喫し、それ以上のタイム更新は果たせませんでした。
中上貴晶はマルケスの後ろ、15番手に続きました。FP1は、小雨がぱらついた影響でセッション前半はほとんど走行しませんでしたが、雨が上がると14ラップを消化。完全なドライコンディションで行われたFP2では27ラップをこなしました。
ミル、リンス、マルケス、中上のHonda勢4選手のタイム差は、わずか0.433秒。トップから中上までの差は1.118秒で、厳しい戦いだったことを証明する数字でした。
MotoGPクラスは、今年から1大会2レース制となり、スケジュールも大きく変わりました。金曜日の2回のフリー走行でQ2ダイレクト進出(10番手まで)が決まり、土曜日は30分間のフリー走行の後、Q1(上位2台がQ2に進出)とQ2が行われます。そして、日曜の決勝レースの半分の距離で争われる「スプリントレース」が午後3時にスタート。このレースでポイントが与えられるのは9位までで、1位なら12ポイントが与えられます。
今年はこれまでと異なるレースウイークとなり、マシンのセットアップ、決勝に向けての戦略も新しい取り組みが求められます。グランプリに新たな歴史を刻む「スプリントレース」に大きな注目が集まっています。