マルク・マルケスは、MotoGPクラスでこれまで6回のタイトルを獲得。サーキット・オブ・ジ・アメリカズではこれまで6回の優勝を達成しています。昨年はコロナ禍のために大会が中止となり、2年ぶりの開催となりましたが、一昨年、トップを快走しながら転倒リタイアに終わった雪辱を果たすことに成功しました。
今大会は、ケガから復帰して13戦目。今季初めてフロントロー3番手からスタートしたマルク・マルケスは、ホールショットを奪うことに成功すると、それから2位以下との差を着実に広げる快走。これで、第9戦ドイツGP以来今季2勝目となり、完全なドライコンディションでは復帰後初の優勝となりました。しかし、昨年骨折した右腕はまだ完全ではなく、レース後半は疲労が大きく、厳しいレースとなりました。シーズンは残り3戦。総合9位から7位へとランクを上げたマルク・マルケスの終盤戦の戦いに注目されます。
これでマルク・マルケスは最高峰クラスで58勝目。COTAでは8回出場して7回の優勝。アメリカ大会では14大会に出場して13勝目と、驚異的な記録を更新しました。表彰台では、今年のAMAプロモトクロス選手権250ccクラスチャンピオンのジェット・ローレンス(Team Honda HRC)と大会前にかわした賭けにより、アメリカンドーナツを食べて話題を集めました。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、厳しい戦いの中で10位でフィニッシュ。貴重なポイントを獲得しました。今大会は初日、2日目とまずまず順調にセットアップを進めましたが、決勝ではフロントのフィーリングが完全ではなく、完ぺきな走りにはほど遠いものでした。しかし、前戦サンマリノGP後にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われた公式テストで大きな手応えを獲得しているだけに、ミサノで開催される次戦エミリア=ロマーニャGPの走りに期待されます。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、MotoGPマシンで初めて経験するCOTAを12位でフィニッシュしました。今大会はレースウイークを通じてリアのグリップに苦しみました。決勝レースでは、ブレーキングのミスで大きなタイムロスがあり、それがなければトップ10フィニッシュができただけに悔しい結果となりました。
チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、予選5番手からオープニングラップ6番手とまずまずのスタートを切り、ポジションを上げようとペースアップを図りましたが、2周目の12コーナーでバンプに乗り上げて転倒。再スタートを切りましたが17位でした。朝のウォームアップではトップタイムをマーク。再スタートを切ってからのペースもよく、転倒がなければ間違いなく表彰台争いに加われていただけに悔しいレースとなりました。