そのバトルに加わったのは、今季ベストタイの5番グリッドから好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)とフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、そしてファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)の3人で、し烈な戦いが続きました。終盤、雨脚が強くなりペースが落ちてからは、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、ホアン・ミル(スズキ)も加わり、トップグループは5台に膨れあがりました。
そしてラスト4周の時点で、トップグループの5人がマシンチェンジのために一斉にピットロードへ。その後方にいたブラッド・ビンダー(KTM)は、スリックタイヤのまま走行を続け、その作戦が見事に成功して優勝。2位にはマシンをチェンジしたバニャイア、3位にマルティンという結果でした。
ドライコンディションでトップグループに加わり、マシンをチェンジした後もトップに立ち後続を引き離し始めたマルク・マルケスは、26周目の1コーナーで濡れた路面に足元をすくわれてスリップダウン。再スタートを切りましたが15位でした。今季2勝目にあと一歩に迫ったマルク・マルケス。残念ながら優勝は果たせませんでしたが、そのアグレッシブな走りは、サーキットに集まった大観衆を魅了しました。
予選14番手のアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が、Honda勢最上位の9位でフィニッシュしました。ドライコンディションではタイヤ選択に失敗し苦しい走りを強いられ、チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)と13番手、14番手争いを繰り広げます。中盤には17番手までポジションを落としましたが、雨が降り始めてからもスリックタイヤで走行を続け、9位でチェッカーを受けました。
チームメートの中上は、予選12番手から前半はアレックス・マルケスとし烈なバトルを繰り広げ、中盤から後半に掛けては、ルカ・マリーニ(ドゥカティ)、イケル・レクオナ(KTM)らに追いついて11番手まで浮上します。終盤、雨が降り始めてからは、アレックス・マルケス同様スリックタイヤで走行し、マシンチェンジのタイミングで一時は6番手まで浮上しますが、最終的に13位でチェッカーを受けました。前戦スティリアGPではし烈な4番手争いに加わり5位でフィニッシュ。今大会はそれ以上を目指しましたが、厳しい走りを強いられました。
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、スティリアGPに続き2戦連続の16位でした。今大会はフリー走行、予選と、ところどころでいい走りを見せましたが、予選は11番手と思うようなグリッドを獲得できませんでした。迎えた決勝レースもグリップ不足に苦しみ15番手前後を走行。雨脚が強くなってからは、マシンチェンジのタイミングで8番手まで浮上しますが、最終ラップにマシンチェンジを行い16位へとポジションを落としました。思うような走りができなかったレッドブル・リンクの2連戦ですが、次戦イギリスGPでは、その雪辱に挑みます。