レッドブル・リンクでの連戦、Honda勢が勝利を目指す

今シーズンも新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅に開催日程が変更されたことで、スティリアGPに続き2週連続の開催となりました。オーストリアで開催されるグランプリとしては32回目。レッドブル・リンクという呼称になってからは8回目の開催となります。

8月8日に行われたスティリアGPでは、不安定なコンディションの中で、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)がHonda勢トップの5位でフィニッシュ。終盤はヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、ブラッド・ビンダー(KTM)とし烈な4位争いを繰り広げ、ファンを喜ばせました。2連戦となった昨年の大会では、2週目に開催されたスティリアGP(今年は順番が逆になっています)で優勝争いをしましたが、赤旗中断になり、再開されたレースでは、大接戦の中で7位でした。今年は、昨年の大会でほぼ手中にしていた初表彰台獲得に挑みます。

復帰9戦目となるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、不安定なコンディションとなった前戦スティリアGPは8位でした。1回目のスタートは予選8番手から好スタートを切り「今日はいいレースができそうだ」と確信しましたが、赤旗中断となりました。そして2度目のスタートは、思うような位置取りができず、加えて、リアのトラクション不足に苦しみ、序盤は13番手までポジションを落としました。その後、追い上げて8位でフィニッシュしますが、今大会は前戦スティリアGPのデータをしっかり分析し、その解消に努めます。

マルク・マルケスは、レッドブル・リンクでは、過去5回大会に出場し、2017年、18年、19年と3年連続で2位。3年連続でし烈な優勝争いを繰り広げ、ファンを喜ばせました。昨年はケガのために2大会ともに欠場しました。最高峰クラスでこれまで6回のタイトルを獲得してきたマルケス。これまで優勝していないサーキットは、レッドブル・リンクと昨年から大会が行われるようになったポルトガルのアルガルベ・サーキットだけ。昨年ケガをした右腕上腕の状態はまだ完ぺきではありませんが、レッドブル・リンク初優勝に挑みます。

チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、先週のスティリアGPは、予選15番手、決勝16位という結果でした。昨年の大会で表彰台に立っているだけに悔しいレースとなりました。決勝レースで低迷したのは、レースが赤旗中断となり、再スタートに向けてバックアップのリアタイヤがないことが最大の要因でした。今週行われるオーストリアGPでは、RC213Vのパフォーマンスとポル・エスパルガロ自身の実力をしっかり引き出し、Hondaでの初表彰台、初優勝に挑みます。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、先週のスティリアGPで予選11番手から決勝を9位でフィニッシュ。今季3回目のシングルフィニッシュを果たしました。スティリアGPでは、フリー走行、予選と新品タイヤのパフォーマンスを活かせるようになり、これまでの課題を解消しつつあります。決勝も好スタートからチームメートの中上貴晶とバトルを繰り広げ、終盤は兄マルク・マルケスを追撃しました。2週連続となる今大会は、第5戦フランスGPの6位をしのぐ今季ベストリザルト、そして今季初の表彰台と初優勝を目指します。