マルク・マルケスは、このサーキットで2019年に1分23秒027をマークしています。今大会はこのタイムを目標に挑み、最後のアタックで今大会の自己ベストを更新しましたが、2年前の自己ベストには届きませんでした。しかし、決勝に向けて重要なセッションとなるFP4では、フロントにハード、リアはミディアムとソフトの両方をテストして、決勝に向けて準備を進めました。ラップタイムはどちらのタイヤも1分24秒台で、決勝日のコンディションを見て最終的にどのタイヤにするかを決めることになります。
レッドブル・リンクは、シーズンを通して最速のサーキットです。そのサーキットで着実にタイムを更新したことは、右腕の回復を感じさせるものでした。今大会は、前戦オランダGPで投入されたシャシーとその改良型の2種類のテストを行い、大きな収穫を得ることにも成功しました。
マルク・マルケスは、これまでレッドブル・リンクで優勝したことはありませんが、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ホルヘ・ロレンソと繰り広げた優勝争いはファンを熱狂させました。今大会はレッドブル・リンク初優勝、そして今季2勝目を目指します。
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、15番グリッドからの決勝になります。フリー走行では、1分24秒台で連続ラップを刻み、それほど悪くはありませんでしたが、新品タイヤのパフォーマンスを活かし切れませんでした。そのためフリー走行ではトップから0.643秒差の11番手。Q1からの予選では5番手に終わり、この時点で15番グリッドが確定しました。第2戦ドーハGPと同じ15番手という厳しいグリッドからの決勝になりますが、追い上げのレースに挑みます。
初日首位発進の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が10番グリッドを獲得しました。中上もこの日は決勝に向けてタイヤテストに集中しました。前日のFP1では前後ミディアムをテスト。この日は、フロントにハード、リアはミディアムとソフトのテストに集中し、決勝がどういうコンディションになっても対応できる準備を進めました。
昨年の2連戦は、初表彰台獲得、初優勝達成を大いに期待させるものでした。今年の連戦も初表彰台、初優勝への期待が膨らみますが、その最初のレースとなるスティリアGPは、雨の可能性が高まっています。第5戦フランスGPでは、初めて”フラッグ・トゥ・フラッグ”を経験し、一時は3番手を走行し7位でフィニッシュしています。今大会は、その経験が生きることになるかもしれません。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が、今季ベストの11番グリッドを獲得しました。フリー走行では総合14番手に終わり、Q1からの予選となりましたが、Q1でトップタイムをマークしてQ2に進出し今季ベストグリッドを獲得しました。Q1では1分23秒547をマーク。Q2では1分23秒841と自己ベストを更新できませんでしたが、これまで課題だった新品タイヤのパフォーマンスを活かす走りで一歩前進しました。今季は、”フラッグ・トゥ・フラッグ”になった第5戦フランスGPで6位と今季ベストリザルトを獲得しています。決勝が雨になれば、さらに上位が期待されます。