Honda勢の4人がホームグランプリのバルセロナに挑む
第7戦カタルニアGPが、6月4日(金)~6日(日)の3日間、スペイン・バルセロナ郊外のバルセロナ-カタルニア・サーキットで開催されます。このサーキットでグランプリが開催されるのは今年で30回目。カタルニアGPとしては26回目を迎えます(1992~95年はヨーロッパGPとして開催)。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で日程が大幅に変更となり、9月に第9戦として開催されましたが、今年は例年通りの開催時期に第7戦として開催されます。
過去バルセロナでは、1950年代と60年代に市内のモンジュイックで公道を利用したスペインGPが開催されていました。61年には、125ccクラスでトム・フィリスがHondaのグランプリ初優勝を達成しました。Hondaにとってバルセロナは、グランプリにおける栄光の第一歩を踏み出した記念すべき場所となりました。
2001年には、この年の開幕戦日本GP(鈴鹿サーキット)で達成したHondaグランプリ通算500勝の祝賀会がバルセロナで行われました。その後、15年のインディアナポリスGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)による勝利で通算700勝目を達成。昨年10月のアラゴンGPでは、Moto3クラスのハウメ・マシアによって800勝を達成しました。
スペインでは、スペインGP(ヘレス)、カタルニアGP(バルセロナ)、アラゴンGP(アルカニス)、バレンシアGP(バレンシア)と、年間4戦が行われてきました。昨年は新型コロナウイルスのパンデミックの中、この4つのサーキットで7レースが行われましたが、今年は例年通り4つのサーキットで4大会が予定されています。
バルセロナ-カタルニア・サーキットは、16年までは一周4.727kmでしたが、17年にコース終盤のレイアウトが変更されて4.655kmに短縮。さらに、19年に最終セクションの安全性を高める改修工事が終了し、4.627kmに変更となりました。今年は10コーナーが改修されました。
カタルニアGPの開催されるバルセロナは、Repsol Honda Teamのヨーロッパにおける拠点となっており、ホームGPを迎えるHondaの2チーム4選手は気合が入っています。
マルケスは、125cc時代の10年にカタルニアGP初制覇を達成しました。Moto2クラス時代は11年に2位、12年に3位と表彰台に立っています。そして、MotoGPクラスでは13年に3位、14年に優勝。15年は優勝争いに加わりますが転倒リタイア。16年、17年、18年と3年連続で2位。そして19年は5年ぶりの優勝を果たし地元ファンの期待に応えました。昨年はケガのために欠場しており、2年ぶりのホームGP出場となります。
カタルニア・サーキットの隣町グラノレス出身のポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)にとっては、カタルニアGPは一年でもっとも気合の入る大会となります。子どものころは「サーキットから聞こえるエンジン音を聞いてバイクのレーサーになることを夢見た」と語ります。125cc時代の08年に2位、10年に3位表彰台に立っていますが、このときに優勝したのが現在チームメートのマルク・マルケスでした。Moto2時代は13年に優勝し、この年はタイトルを獲得しました。
MotoGPクラスでは16年の5位がベストリザルトで、まだこのサーキットでは表彰台に立っていません。当然、今大会の目標は、Honda移籍後初表彰台、そしてバルセロナ-カタルニア・サーキットでの初表彰台獲得となります。Repsol Honda Teamで6戦を終えて、カタールGPとフランスGPの8位が最高位と、ここまでは期待したような結果を残せていませんが、毎戦確実に前進しており、今大会の活躍が期待されます。
6戦を終えて総合12位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、ヨーロッパラウンドに入ってから毎戦表彰台を期待させる走りが続いています。前戦イタリアGPは惜しくも転倒リタイアに終わりましたが、今大会は第4戦スペインGPの予選5番手、決勝4位をしのぐリザルトが期待されます。バルセロナはグランプリに参戦してからヨーロッパラウンドの活動の拠点にしており、中上にとっては第2のホームGPとなります。これまでカタルニアでは、Moto2時代の16年に3位になっています。昨年の大会は表彰台争いを視野に入れる大接戦の中で7位でフィニッシュしています。今大会は、今度こその期待に応える意気込みです。
アレックス・マルケスはここカタルニアで、Moto3時代は14年に優勝、16年2位。Moto2クラスでは17年優勝、18年2位、19年優勝とすばらしい成績を残しています。Repsol Honda TeamからMotoGPクラスにデビューした昨年は、タイヤの選択に苦労し、予選18番手、決勝13位と苦戦しました。今年は昨年の経験を生かし、MotoGPクラスのベストリザルト、そして初表彰台に挑みます。