今大会、初日から好調な走りをみせる中上は、決勝でも想定していた1分38秒台でラップを刻み、4位でフィニッシュしました。オープニングラップは7番手。2周目には大混戦の中で8番手へとポジションを落としますが、3周目には6番手に浮上。その後も、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)を先頭に、中上、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)と続く5位争いのグループを形成しました。
レース後半には、トップを走っていたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がペースを落として集団に加わり、5位争いの集団は4位争いへと変化しました。しかし、クアルタラロのペースが遅く、グループの差が一気に縮まり混戦となります。その中でペースの落ちない中上が混戦を抜け出し単独4位となります。さらに、前を走る3番手のフランコ・モルビデリ(ヤマハ)との差を縮めましたが、約1秒差になったところで25周のチェッカーが振られました。
コロナ禍の中で昨年は7月にヘレスで2連戦が行われました。その2週目に開催されたアンダルシアGPで中上は、表彰台にあと一歩に迫る4位でフィニッシュしましたが、今年も惜しくも表彰台には届きませんでした。
前戦ポルトガルGPで、昨年7月のスペインGPのケガから9カ月ぶりに復帰したマルク・マルケスが、予選14番手から9位でフィニッシュしました。今大会、マルケスは金曜日に順調なスタートを切りました。マシンのフィーリングもよく、ライディングも本来の走りに近づいてきたことを感じさせましたが、土曜日のフリー走行で転倒、さらに決勝日朝のウォームアップでも転倒を喫し、決勝は着実に走ることを目標にしました。9位という結果は、マルケスにとって納得するにはほど遠いものですが、ポルトガルGPの7位に続き、今大会も9位完走を果たし、完全復活にまた一歩前進しました。
ポル・エスパルガロは10位でフィニッシュしました。エスパルガロも土曜日のフリー走行と決勝日朝のウォームアップで転倒を喫し、不安を残しましたが、決勝ではチームメートのマルケスを追撃する形で10位フィニッシュしました。エスパルガロはRepsol Honda Teamに移籍して4戦目。まだまだRC213Vのパフォーマンスを出し切れていませんが、次戦フランスGPに向けて一歩前進のレースとなりました。
ワイルドカードで出場のステファン・ブラドルは12位でフィニッシュしました。今大会は、ウインターテストとのデータを比較しながらの実戦となりましたが、フリー走行では総合3番手につけるなど、ライダーとしてすばらしいパフォーマンスを発揮しました。厳しい戦いの中で今大会も12位でフィニッシュ。RC213Vの開発が確実に進んでいることをアピールしました。
予選20番手と厳しいグリッドから決勝に挑んだアレックス・マルケスは、オープニングラップに他者の転倒に巻き込まれ、リタイアとなりました。