昨年7月のスペインGPで右腕上腕を骨折し、連戦となったアンダルシアGPのフリー走行と予選に出場して以来、9カ月、15戦ぶりの出場となったマルク・マルケスは、RC213Vのフィーリングを取り戻すのは順調でしたが、長いブランクの影響で右腕に疲労がたまり、苦しい戦いを強いられました。朝のウォームアップはマシンの確認程度の走行でわずか4ラップと右腕のパワーを温存し、決勝に備えました。
そして迎えた決勝では、6番グリッドから好スタートを切ってオープニングラップ4番手へと浮上しますが、3コーナーでフロントがスライドしタイムロス、7番手へとポジションを落とします。その後も、着実に走ることを心がけて3周目には9番手に後退しましたが、その後、ポジションを上げて7位でフィニッシュしました。今大会は優勝したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)から13秒差というもので、3度の手術を行い9カ月のブランクがあったとは思えない、すばらしい復帰戦となりました。
これからは、右腕の回復につれてペースも成績も上がっていくことは間違いなく、次戦スペインGPでは、本来の走りにさらに近づくことが期待されます。
マルク・マルケスの弟のアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が、13番グリッドから8位でフィニッシュしました。オープニングラップはグリッドと同じ13番手。序盤は大混戦の中でなかなか前に出ることができませんでしたが、ミゲル・オリベイラ(KTM)、ルカ・マリーニ(ドゥカティ)らをパス、転倒者もあって着実にポジションを上げます。中盤には兄マルク・マルケスを視野に8番手を走行し25周のレースでチェッカーを受けました。カタールの2戦はともに転倒リタイアに終わっています。その雪辱に向けて、まずは一歩を踏み出しました。
金曜日のフリー走行で激しく転倒、右鎖骨の付け根を痛め、土曜日の予選をキャンセルしたことで最後尾グリッドの21番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が10位でフィニッシュしました。前日のフリー走行同様に痛み止めの注射を打って決勝に挑んだ中上は絶好のスタートを切ってオープニングラップ14番手に浮上します。中盤まではバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)らとグループを形成し、バスティアニーニには先行を許しますが、10位でフィニッシュしました。予選をキャンセルしたときに「トップ10を走れるスピードはある。体調次第」とコメントしていましたが、右鎖骨の痛みを堪え今季初ポイント獲得を果たしました。
Repsol Honda Teamで3戦目を迎えるポル・エスパルガロは、14番グリッドから決勝に挑みましたが、4周を終えてピットに戻りリタイアとなりました。