ポル・エスパルガロは、開幕戦カタールGPでは8位でフィニッシュし、優勝者との差は5.990秒でした。今大会も6.063秒とその差はほとんど変わりませんでした。しかし、2週連続で開催されたことで、ハイレベルな戦いになったこともあり、エスパルガロのポジションは13位へと後退しました。
今大会は、優勝したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)から15位のミゲル・オリベイラ(KTM)までのタイム差が8.928秒。この記録は、19年のカタールGPの15.093秒差という史上最小記録を更新するもので、その中でHonda勢は、全体的にフロントのセッティングをつめきれず、RC213Vのパフォーマンスを十分に発揮することができませんでした。
ポル・エスパルガロは、前戦カタールGPのデータを参考にセットアップを進めましたが、猛暑、強風、そして砂嵐と路面コンディションが目まぐるしく変わり、決勝グリッドについたときは十分な状態ではありませんでした。しかし、22ラップのほとんどを1分55秒台で周回し、RC213Vの攻略とセットアップが大きく前進したことを感じさせるレースでした。
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として2連戦に出場したステファン・ブラドルが、11番グリッドから14位でフィニッシュしました。厳しい接戦の中でブラドルは、オープニングラップに18番手までポジションを落としましたが、その後、着実に順位を上げ、17周目にはポル・エスパルガロの背後に迫ります。そして、そのままチームメートとランデブー状態のままチェッカーを受けました。
前戦カタールGPで転倒リタイアに終わっている中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、今大会、その雪辱に挑みましたが、フロントタイヤの消耗に苦しみ、17位でした。予選16番手だった中上は、序盤14番手までポジションを上げます。そして前半は1分55秒台のハイペースでラップを重ねますが、中盤以降は、1分55秒台から56秒台へとタイムを落とし、17番手までポジションを落としました。得意とするロサイル・インターナショナル・サーキットで2週連続でノーポイント。その悔しさを次戦ポルトガルGPにぶつけます。
チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、14番グリッドから、大接戦の中で18番手までポジションを落とす苦しい戦いでした。その後、16番手までポジションを上げますが、13周目に転倒を喫しリタイアとなりました。2戦連続転倒リタイアとなったアレックスもフロントのセットアップに苦戦。決勝でもフロントからスライドしての転倒でした。しかし、昨年最終戦のポルトガルGPでは9位でフィニッシュしています。チームメートの中上とともにポルトガルではばん回に挑みます。