序盤は、フロントローからスタートしたフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)とトップグループを形成しました。その後、4周目にミラーが転倒、マッチレースを繰り広げたバニャイアも23周目に転倒し、終盤は悠々の独走状態に。27周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。
今大会は雨の多い不安定な天候となりました。決勝日は、青空が広がる絶好のコンディションとなりましたが、選手たちにとっては路面のフィーリングをつかみにくい厳しいレースとなりました。その中でマルク・マルケスは、1分32秒台の好タイムで連続走行。先行するバニャイアをピタリとマークすると、23周目にバニャイアが転倒。その時点で2位以下に大きなリードを築いていたマルク・マルケスは、1分33秒台へとペースを落とし、ミサノでは2019年以来2年ぶりの勝利を獲得。また、最高峰クラスにおいて、ということでは、ミサノで4勝目を挙げました。この優勝でランキングを7位から6位へと一つあげました。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が、予選4番手からバニャイアとマルク・マルケスを追撃して2位でフィニッシュ。Repsol Honda Teamとなってから初の表彰台を獲得しました。今大会はウエットコンディションとなった初日のフリー走行で苦戦しましたが、土曜日のウエットコンディション、そしてウエットからライン上が乾いていく微妙な路面コンディションによく適応して4番グリッドを獲得。決勝では9月のサンマリノGP後の公式テストで得たデータをしっかり活かし2位でフィニッシュしました。
Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュは、2017年のアラゴンGP(マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ)以来4年ぶり。次戦アルガルベGP(ポルトガル)、最終戦バレンシアGPでもW表彰台を目指します。
予選17番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、13番手を走行していた9周目に転倒、再スタートを切って15位でフィニッシュしました。今大会はウエットコンディションに苦しみましたが、ドライコンディションになった決勝日のウォームアップでは今季5回目のトップタイムをマークしました。決勝では追い上げを狙いましたが、リアのフィーリングが万全ではなく、思うような走りができませんでした。
中上と同じグループで走行していたチームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)も12番手を走行していた10周目にトラブルが発生し、マシンを止めてリタイアとなりました。レースウイークを通して日曜日だけが完全なドライコンディションとなり、タイヤのパフォーマンスを活かすのが難しく、アレックス・マルケスを含む8選手が転倒などでリタイアする厳しいレースとなりました。次戦アルガルベGP、最終戦バレンシアGPでは、今季初の表彰台獲得に挑みます。