この日は、開幕戦カタールGPに向けてレースシミュレーションを予定していた選手も多く、消化不良の最終日となりましたが、Honda勢は好天に恵まれた2日間のデータを、開幕戦カタールGPでしっかりと活かす意気込みです。
今季、Repsol Honda Teamに加入したポル・エスパルガロは、RC213Vへの乗り換えもスムーズで、公式テスト1回目から順調に乗りこなし、1分53秒899のベストタイムで総合10番手。29歳のベテランらしく、落ち着いた走りで限界点を探り、徐々にペースを上げていきました。最終日に予定していたレースシミュレーションと一周のアタックは悪天候のために本番へと持ち越しましたが、全体的にはすばらしいペースで周回を刻み、注目を集めました。
今回のテストは、新しいシャシーやエアロパーツ、さらに電子制御にも取り組みました。ポル・エスパルガロは2013年に当時Hondaエンジンを使用していたMoto2クラスでチャンピオンを獲得しています。今年は念願のHondaのマシンで最高峰クラスに挑みますが、開幕戦カタールGP、そして連戦となる第2戦ドーハGPでの活躍を大いに期待させました。
LCR Honda IDEMITSUで4年目のシーズンを迎える中上貴晶は、1分54秒262のベストタイムを記録し、総合12番手で公式テストを終えました。1回目の公式テストでは初めて乗る2021年型RC213Vの確認テストが中心でした。そして2回目の公式テストでは本格的なセットアップに挑み、連続ラップのアベレージを確実に上げることに成功しました。そして最終日は、ポル・エスパルガロ同様、レースシミュレーションと予選を想定したアタックを行う予定でしたが、悪天候のため果たせませんでした。そのため初日のベストタイムを更新できないまま12番手という順位で終わりましたが、開幕戦カタールGPに向けてほぼ準備を整えました。カタールGPとドーハGPの行われるロサイル・インターナショナル・サーキットは、中上が最も得意とするサーキットの一つ。開幕戦から活躍が期待されます。
今季、Repsol Honda TeamからLCR Honda CASTROLに移籍したアレックス・マルケスは、2日目のテストで転倒して右足の第4中足骨を骨折し、最終日の走行をキャンセルしました。アレックスは、2014年にMoto3クラス、19年にMoto2クラスのタイトルを獲得しています。そして最高峰クラスにデビューした昨年は2度の表彰台登壇を果たしてルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。今回のテストでは転倒とケガのために予定していたメニューを完全には消化できませんでしたが、元気あふれる走りは、今年の活躍を大いに期待させるものでした。右足のケガは開幕戦までに回復する見込みです。
これまで最高峰クラスで6回タイトルを獲得しているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今回のテストに参加していませんが、開幕戦カタールGPにエントリーを済ませました。出場できるかどうかはまだ分かりませんが、昨年骨折した右上腕部の骨折部位周辺の骨の強化が進んでいることが発表されました。マルケスは開幕戦に向けてリハビリとトレーニングを続けていますが、最終的には医師の判断を仰ぐことになります。
マルク・マルケスが出場できない場合は、昨年、ケガをしたマルケスの代役として12戦に出場し、今回の公式テストでもすばらしい走りを見せたステファン・ブラドル(Honda Test Team)が出場することになります。昨年の最終戦ポルトガルGPでは7位入賞。今回のテストでも、開発テストを続けながらすばらしい走りを披露しました。
Pol Espargaro
44
Repsol Honda Team 総合10番手 3日間合計 126ラップ 1分53秒899 1日目 「今日もとてもいい日になりました。正直、思っていた以上に前進することができたと思います。コースに出るたびに限界点を高めることができました。あとコンマ数秒縮めなければなりませんが、大きく前進しました。今日は前回のテストより0.8秒タイムを短縮しました。そのためコンスタントに比較のポイントが変わりました。常に学んでいる状態ですが、重要なことは安定性です。この点に関しては、今は満足しています。これからは、いろいろなことを試していきたいです」 2日目 「今日の転倒は不思議な感じでした。これまでとは違う風が吹いていましたが、ブレーキングゾーンの最後の方は風があまりありませんでした。転んだのは違うタイヤに変えたときだったので、タイヤの相性がよくなかったのかもしれません。別のタイヤを使ったら、速いペースで走れたので、それほど大きな問題ではありませんでした。今のところ、かなりいい感じです。Hondaのマシンは僕の自然なライディングスタイルにとても合っています。そしてライディングをとても楽しめています。まだ始まったばかりですが、これからが楽しみです。すべてうまく行けば、いいシーズンになると思います」 3日目 「今日は天候が悪く、ちゃんと走行できませんでした。みんな同じ状況なので仕方ありません。とにかく4日間のテストで、とてもいい仕事ができました。開幕戦に向けてかなり準備が整ったと思います。短い日数でしたが、僕はうまくHondaのマシンに合わせることができたと思います。テスト期間中の Repsol Honda Teamの努力に感謝したいです。すばらしいチームですし、テストのほとんどの時間を最大限活用することができました。どのようなシーズンになるのか楽しみです」
総合10番手 3日間合計 126ラップ 1分53秒899 1日目 「今日もとてもいい日になりました。正直、思っていた以上に前進することができたと思います。コースに出るたびに限界点を高めることができました。あとコンマ数秒縮めなければなりませんが、大きく前進しました。今日は前回のテストより0.8秒タイムを短縮しました。そのためコンスタントに比較のポイントが変わりました。常に学んでいる状態ですが、重要なことは安定性です。この点に関しては、今は満足しています。これからは、いろいろなことを試していきたいです」 2日目 「今日の転倒は不思議な感じでした。これまでとは違う風が吹いていましたが、ブレーキングゾーンの最後の方は風があまりありませんでした。転んだのは違うタイヤに変えたときだったので、タイヤの相性がよくなかったのかもしれません。別のタイヤを使ったら、速いペースで走れたので、それほど大きな問題ではありませんでした。今のところ、かなりいい感じです。Hondaのマシンは僕の自然なライディングスタイルにとても合っています。そしてライディングをとても楽しめています。まだ始まったばかりですが、これからが楽しみです。すべてうまく行けば、いいシーズンになると思います」 3日目 「今日は天候が悪く、ちゃんと走行できませんでした。みんな同じ状況なので仕方ありません。とにかく4日間のテストで、とてもいい仕事ができました。開幕戦に向けてかなり準備が整ったと思います。短い日数でしたが、僕はうまくHondaのマシンに合わせることができたと思います。テスト期間中の Repsol Honda Teamの努力に感謝したいです。すばらしいチームですし、テストのほとんどの時間を最大限活用することができました。どのようなシーズンになるのか楽しみです」
Takaaki Nakagami
30
IDEMITSU Honda LCR 総合12番手 3日間合計 114ラップ 1分54秒262 1日目 「今日はそれほど悪くありませんでした。いくつか重要なテストをしました。すべて頭の中でクリアになっています。新しいパーツを使ったマシンのフィーリングはよかったです。ラップタイムは前回の2日間のテストのときよりかなり安定していました。マシンのフィーリングとペース、そしてラップタイムはかなりよかったと思います。もちろん改善しなければならないセクターもありますが、正しい方向へ向かっていて、マシンはかなり快適になりました。今日はとてもうれしいです。引き続き残り2日間一生懸命取り組みます」 2日目 「今日は最初からトリッキーなコンディションでした。最初の2時間はフロントエンドに自信がありませんでしたが、18時くらいからフィーリングが戻ってきて、チームと一緒にマシンを改善していきました。最終的にはかなりいいフィードバックがあり、ラップタイムは昨日とほぼ同じでした。もちろん、どのセクターでタイムをロスしているのか、ということをもっと深く理解しなければなりません。今日は新しい車体パーツをいくつかテストしました。一歩一歩いい方向へ進んでいます。明日はロングランをこなして、開幕戦に向けて理解を深められることを願っています。予選のタイムも改善できるように取り組む必要があります」 3日目 「今日はコンディションがよくなるまで長い間ピットで待たなければなりませんでした。最後は路面コンディションをチェックするためにコースに出ましたが、とてもセットアップできる状態ではありませんでした。そのためレースウイークに向けてスタートの練習をすることにしました。マシンは新しく、システムも新しいので役に立ちました。最終日は思うように走れませんでしたが、全体的にはいいフィードバックが得られました。残念ながらロングランはできませんでしたが、開幕戦に向けて準備は整っています。レースが楽しみです」
総合12番手 3日間合計 114ラップ 1分54秒262 1日目 「今日はそれほど悪くありませんでした。いくつか重要なテストをしました。すべて頭の中でクリアになっています。新しいパーツを使ったマシンのフィーリングはよかったです。ラップタイムは前回の2日間のテストのときよりかなり安定していました。マシンのフィーリングとペース、そしてラップタイムはかなりよかったと思います。もちろん改善しなければならないセクターもありますが、正しい方向へ向かっていて、マシンはかなり快適になりました。今日はとてもうれしいです。引き続き残り2日間一生懸命取り組みます」 2日目 「今日は最初からトリッキーなコンディションでした。最初の2時間はフロントエンドに自信がありませんでしたが、18時くらいからフィーリングが戻ってきて、チームと一緒にマシンを改善していきました。最終的にはかなりいいフィードバックがあり、ラップタイムは昨日とほぼ同じでした。もちろん、どのセクターでタイムをロスしているのか、ということをもっと深く理解しなければなりません。今日は新しい車体パーツをいくつかテストしました。一歩一歩いい方向へ進んでいます。明日はロングランをこなして、開幕戦に向けて理解を深められることを願っています。予選のタイムも改善できるように取り組む必要があります」 3日目 「今日はコンディションがよくなるまで長い間ピットで待たなければなりませんでした。最後は路面コンディションをチェックするためにコースに出ましたが、とてもセットアップできる状態ではありませんでした。そのためレースウイークに向けてスタートの練習をすることにしました。マシンは新しく、システムも新しいので役に立ちました。最終日は思うように走れませんでしたが、全体的にはいいフィードバックが得られました。残念ながらロングランはできませんでしたが、開幕戦に向けて準備は整っています。レースが楽しみです」
Stefan Bradl
6
Repsol Honda Team 総合13番手 3日間合計 63ラップ 1分54秒427 1日目 「前回のテストに続き、今日もマシンのフィーリングはよかったのですが、2コーナーで転倒してしまいました。今回のテストでは、このコーナーはみんなにとってトリッキーなところです。転倒したときは限界でプッシュしていました。転倒自体はそれほど大したことはなかったのですが、グラベルで不自然に転がり、かなり痛みがありました。メディカルチェックに行きましたが、特に問題はありませんでした。それでも重要なテストがまだあと2日あるので、今日は休むことにしました。明日には回復したいです」 2日目 「今日はまずまずの日でした。空力パーツなど、テスト項目がたくさんありました。路面コンディションが少し変わりやすい一日でしたが、まずまずのテストになりました。なぜか今日はトリッキーなコンディションでしたが、自分たちの持っているもので対応しました。明日はすべてをうまく組み合わせて、できる限り最高のパッケージにしたいです」 3日目 「残念ながら今日はあまり話せることがありません。風と砂の状況がよくなかったからです。このようなコンディションではなにもできません。このサーキットで6日間のテストを行いました。テストプランに沿って仕事を進め、エンジニアの元にはたくさんのデータが集まりました。マシンはとてもうまく機能しているので、満足しています。開幕戦でHondaはいいポジションにいると思います」
総合13番手 3日間合計 63ラップ 1分54秒427 1日目 「前回のテストに続き、今日もマシンのフィーリングはよかったのですが、2コーナーで転倒してしまいました。今回のテストでは、このコーナーはみんなにとってトリッキーなところです。転倒したときは限界でプッシュしていました。転倒自体はそれほど大したことはなかったのですが、グラベルで不自然に転がり、かなり痛みがありました。メディカルチェックに行きましたが、特に問題はありませんでした。それでも重要なテストがまだあと2日あるので、今日は休むことにしました。明日には回復したいです」 2日目 「今日はまずまずの日でした。空力パーツなど、テスト項目がたくさんありました。路面コンディションが少し変わりやすい一日でしたが、まずまずのテストになりました。なぜか今日はトリッキーなコンディションでしたが、自分たちの持っているもので対応しました。明日はすべてをうまく組み合わせて、できる限り最高のパッケージにしたいです」 3日目 「残念ながら今日はあまり話せることがありません。風と砂の状況がよくなかったからです。このようなコンディションではなにもできません。このサーキットで6日間のテストを行いました。テストプランに沿って仕事を進め、エンジニアの元にはたくさんのデータが集まりました。マシンはとてもうまく機能しているので、満足しています。開幕戦でHondaはいいポジションにいると思います」
Alex Marquez
73
LCR Honda CASTROL 総合18番手 3日間合計 92ラップ 1分54秒692 1日目 「2回目の公式テスト初日はかなりポジティブでした。重要な比較テストを行い、2021年シーズンをどちらのマシンでスタートするかを決める大事な日でした。結果として僕が選んだものが正しい選択でした。明日は1台のマシンで取り組み、セットアップを進める重要な日になります。リズムは悪くありません。でもライバルたちと彼らのパフォーマンスをみると、僕たちはもっと前進しなければなりません。でもいい方向へ向けて取り組んでいると思います。タイムアタックの時間はありませんでしたが、明日は予定に入れています。タイムアタックを行って、トップに近づくことは重要なことです」 2日目 「今日はアイムアタックとフルレースシミュレーションを予定していました。最初にいくつかテストをこなし、そのあとタイムアタックを始めようとしたら、ハイサイドで転倒してしまいました。幸い、僕は無事ですが、右足をケガしてしまいました。少しヒビが入りましたが、痛みなどはありません。そのため、レースシミュレーションができませんでしたが、ポジティブな面について考えなければなりません。今日はフィーリングがよく、タイムアタックでも、とても快適に走行することができました。これは開幕戦に向けてポジティブなことです。 明日、医師に何と言われるか待たなければなりません。明日は風が強くなりそうですが、コンディションがよくて医者が許可してくれれば、僕が最初にコースに出ます。以前同じような状況で走ったことがあります。とにかく、シーズンが始まるまでには110%準備を整えたいと思います。すばらしい仕事をしてくれているLCR Honda CASTROL チーム全体に感謝したいです。今週の転倒は申し訳ないと思っていますが、もっと強くなれると思います。ポジティブなことはたくさんあります。シーズン開幕までには準備が整うと思います」 3日目 「テスト最終日は走行しないと昨夜決めました。その方が2週間後のレースウイークをいい形で迎えられると思ったからです。今日は天候もあまりよくありませんでした。たくさんの映像やデータインフォメーションを見て前進するためにサーキットに行きました。今シーズン最初のテストを全力でサポートしてくれたLCR Honda CASTROLに感謝したいです。マシンとチームのフィーリングはとてもいいです。シーズンをスタートする準備は整いました。再びチームとカタールに来るときが楽しみです。そのころには右足のケガが100%治っていることを願っています」
総合18番手 3日間合計 92ラップ 1分54秒692 1日目 「2回目の公式テスト初日はかなりポジティブでした。重要な比較テストを行い、2021年シーズンをどちらのマシンでスタートするかを決める大事な日でした。結果として僕が選んだものが正しい選択でした。明日は1台のマシンで取り組み、セットアップを進める重要な日になります。リズムは悪くありません。でもライバルたちと彼らのパフォーマンスをみると、僕たちはもっと前進しなければなりません。でもいい方向へ向けて取り組んでいると思います。タイムアタックの時間はありませんでしたが、明日は予定に入れています。タイムアタックを行って、トップに近づくことは重要なことです」 2日目 「今日はアイムアタックとフルレースシミュレーションを予定していました。最初にいくつかテストをこなし、そのあとタイムアタックを始めようとしたら、ハイサイドで転倒してしまいました。幸い、僕は無事ですが、右足をケガしてしまいました。少しヒビが入りましたが、痛みなどはありません。そのため、レースシミュレーションができませんでしたが、ポジティブな面について考えなければなりません。今日はフィーリングがよく、タイムアタックでも、とても快適に走行することができました。これは開幕戦に向けてポジティブなことです。 明日、医師に何と言われるか待たなければなりません。明日は風が強くなりそうですが、コンディションがよくて医者が許可してくれれば、僕が最初にコースに出ます。以前同じような状況で走ったことがあります。とにかく、シーズンが始まるまでには110%準備を整えたいと思います。すばらしい仕事をしてくれているLCR Honda CASTROL チーム全体に感謝したいです。今週の転倒は申し訳ないと思っていますが、もっと強くなれると思います。ポジティブなことはたくさんあります。シーズン開幕までには準備が整うと思います」 3日目 「テスト最終日は走行しないと昨夜決めました。その方が2週間後のレースウイークをいい形で迎えられると思ったからです。今日は天候もあまりよくありませんでした。たくさんの映像やデータインフォメーションを見て前進するためにサーキットに行きました。今シーズン最初のテストを全力でサポートしてくれたLCR Honda CASTROLに感謝したいです。マシンとチームのフィーリングはとてもいいです。シーズンをスタートする準備は整いました。再びチームとカタールに来るときが楽しみです。そのころには右足のケガが100%治っていることを願っています」