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MotoGP 2023
Round 2

新フォーマットでの2戦目、アルゼンチンGPにHonda勢が挑む

ar Termas de Río Hondo

ポルトガルGPからの連戦となる第2戦アルゼンチンGPが、3月31日(金)~4月2日(日)までの3日間、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの北西約1,200kmに位置する、アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われます。2020年と21年はコロナ禍で大会が中止となりましたが、22年に大会が復活し、今年で8回目の開催となります。

新フォーマットでの2戦目、アルゼンチンGPにHonda勢が挑む

テルマス・デ・リオ・オンドは、サンティアゴ・デル・エステロ州の州都サンティアゴ・デル・エステロから約65kmに位置する町で、温泉が出ることから、アルゼンチン国内ではスパリゾート地として知られています。また、サーキットからはアンデス山脈の雄大な景色を望むことができます。

アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドが完成したのは08年。その後、13年に大幅な改修が行われ、同年8月には初の世界選手権となる世界ツーリングカー選手権(WTCC)が開催されました。

ロードレース世界選手権は、14年4月に当地で初めて開催され、決勝日は5万2,749人(3日間の合計で12万5,961人)のファンを集め、以後毎年3日間で13万人を越えるファンを集めています。テルマス・デ・リオ・オンドは人口2万5,000人の小さな町ですが、アルゼンチンGPには毎年大勢のファンが詰めかけ、この国の一大イベントの一つに成長し、地元の経済発展に寄与しています。そのため、ファンはもちろんのこと、レース関係者にとっても宿泊施設などを確保するのが非常に難しい大会の一つ。宿泊施設を確保できないファンたちは、夜を徹してお祭り騒ぎを楽しんでいます。

アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、ほぼ平坦な土地に作られた一周4.806kmのコースで、メインストレートが1.076kmと長く、中高速コーナーが続くシンプルなレイアウトとなっています。

アルゼンチンGPの歴史は、1961年、ブエノスアイレス郊外のアウトドローモ・オスカル・ガルベスでスタートしました。以後、1999年まで断続的に計10回開催され、14年からテルマス・デ・リオ・オンドに舞台を移し、アルゼンチンGPは通算18回目の開催となります。

開幕戦ポルトガルGPで11位のジョアン・ミルは、Repsol Honda Teamで2戦目を迎えます。ミルは、アルガルベ・サーキットでHondaライダーとしてのデビュー戦に挑み、日曜日の決勝レースでは、トップ10から約5秒差の11位でした。ミルは、昨年11月にRC213Vに初ライドし、今年はマレーシア・セパンとアルガルベで行われた公式テストでセットアップを進め、走行するごとにパフォーマンスを引き上げています。

これまでミルは、Moto3クラスに出場した17年にテルマス・デ・リオ・オンドで優勝しています。その後、Hondaエンジンを搭載して行われていた18年のMoto2クラスでは8位。そして、MotoGPクラスでは、昨年の大会で表彰台獲得にあと一歩の4位となり、このサーキットを得意としています。

チームメートのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、開幕戦ポルトガルGPで通算64回目のポールポジションを獲得し、今年からスタートした「スプリントレース」で3位のメダルを獲得してファンを喜ばせました。日曜日に行われたレースでは、序盤にミゲル・オリベイラ(アプリリア)に接触し、リタイアに終わりました。この転倒でマルケスは右手親指を骨折、オリベイラも打撲により、ともに今大会を欠場することとなりました。

右手親指を骨折したマルケスは、マドリードの病院で手術を受け、折れた箇所を2本のネジで固定しました。4月14~16日にアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される第3戦アメリカズGPでの復帰を目指します。

開幕前ポルトガルGPでHonda勢最上位の10位でフィニッシュしたアレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)は、今大会でさらに上位を目指します。リンスも今大会がRC213Vで2戦目のレースで、ミルと同様に新しいマシンを学んでいる最中ですが、テルマス・デ・リオ・オンドは得意とするサーキットだけに、大きな注目が集まります。

これまでリンスは、Moto2時代の15年に2位、最高峰クラスでは18年の大会で3位となり、クラス初表彰台を獲得しました。昨年の大会でも3位になっており、今年の大会での活躍に注目されます。

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、開幕戦ポルトガルGPでは、予選18番手からスプリントレースで15位、決勝レースは12位でフィニッシュしました。

Honda勢はウインターテストからリアタイヤのグリップ不足に苦戦してきました。そのため中上は、決勝レースではリアにソフトコンパウンドのタイヤを選択しました。今大会もリアのトラクション不足解消に取り組み、19年の7位を越えるリザルトを目指します。


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Joan Mir
Joan Mir 36
Repsol Honda Team
ポルトガルGPを終えて、すでに次のレースに向かっています。僕たちはまだ学習しているところですが、マシンに乗る時間が多く、すぐにアイディアをトライできるのはポジティブなことだと思います。ポルティマオの週末はいろいろありましたが、今週末はインシデントもなく、たくさん走行できることを願っています。両方のレースで引き続き仕事に取り組み、スピードを上げることが目標です。昨年はテルマスでいい結果を残すことができたので、今年はどんなレースができるのが楽しみにしています。開幕戦でケガをしたマルクの回復を心から願っています。コース上で彼と一緒に走り、ピットでも一緒に過ごしたいです

Alex Rins
Alex Rins 42
LCR Honda CASTROL
MotoGPクラスで初めて表彰台に上がったアルゼンチンに向かいます。このサーキットはとても好きです。スプリントレースとメインのレースで、どちらも戦闘的な走りができることを願っています。また、プラクティスでは新しいパーツもトライしてみたいです。全力でがんばります

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
スピードを上げ、すべてのセッションでうまく合わせられるように引き続き一生懸命がんばります。ベストを尽くして今週末も一歩前進したいと思います

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