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MotoGP 2023
Round 4

スペインGPへ挑むHonda勢。欠場のマルク・マルケスに代わり、イケル・レクオーナが代役出場

es Circuito de Jerez - Angel Nieto

第4戦スペインGPが、4月28日(金)から4月30日(日)までの3日間、イベリア半島の南西部に位置するヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで開催されます。前戦アメリカズGPでは、アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が今季初優勝を達成。昨年から厳しい戦いを強いられてきたHondaにとっては、本来のパフォーマンスを発揮する大きな一歩となりました。

スペインGPへ挑むHonda勢。欠場のマルク・マルケスに代わり、イケル・レクオーナが代役出場

今大会は、ホームGPを迎え、今季ベストリザルトを目指すジョアン・ミル(Repsol Honda Team)、2連勝を目指すリンス、ヘレスを得意とする中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)、そして、開幕戦ポルトガルGPの決勝レースで転倒し、右手親指を骨折したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として、Team HRCからスーパーバイク世界選手権に出場しているイケル・レクオーナが出場します。

ヘレスの歴史は、初開催となった1987年に始まります。以来、スペインGPの舞台として定着。同地で開催されるのは今年で37回目となります(88年はハラマで開催)。コロナ禍の中で4か月間シリーズが中止となった2020年は、7月に第2戦スペインGPと第3戦アンダルシアGPが開催されました。グランプリ史上初の同一サーキットでの2連戦として開催され、21年以降は、例年通り、4月下旬から5月にかけて開催されます。

ヘレスのあるアンダルシア地方は、一年を通じて温暖な気候で、平常時はウインターテストの舞台となります。今年はマレーシアとポルトガルで行われ、ヘレスではテストは行われませんでした。しかし、選手、チームともに経験値の高いサーキットであり、初日からレベルの高い走りが予想されます。

Hondaは、これまでヘレスで通算22勝を達成しています。12年はケーシー・ストーナー、13年はダニ・ペドロサ、14年はマルク・マルケスとRepsol Honda Teamが3年連続で優勝しました。

さらに、マルケスは、15年3位、16年2位と表彰台に登壇。17年はペドロサがポール・トゥ・ウインを達成し、マルケスが2位。18年はマルケスが14年大会以来、2度目の優勝、19年は3度目の優勝を達成し、Repsol Honda Teamは、06年から14年連続でスペインGPの表彰台に立ち続け、Repsol Honda Teamの大会連続表彰台記録を更新しました。

しかし、コロナ禍になった20年以降は表彰台を獲得しておらず、今年は4年、5大会ぶりの優勝と表彰台を目指します。

開幕戦ポルトガルGPでポールポジションを獲得、今年から始まった「スプリント」で3位になりメダルを獲得。しかし、翌日の決勝レースで転倒し右手親指を骨折したマルケスは、今大会も欠場することが決まりました。マルケスは25日にマドリードのルベール・インターナショナル・ホスピタルでメディカルチェックを受け、まだ骨折した部分が十分に回復していないことが確認され、第5戦フランスGP(5月12日~14日)の復帰を目指すことになりました。

欠場が決まったマルケスの代役として、スーパーバイク世界選手権にTeam HRCから出場しているレクオーナが出場します。レクオーナは20年、21年とKTMのマシンでMotoGP参戦の経験があります。今大会はRC213Vで初走行となりますが、ポテンシャルのあるライダーだけに、地元ファンの前で、その活躍に注目されます。

Repsol Honda Teamで初めてのホームGPを迎えるミルは、今季ベストリザルトをめざし、全力で挑みます。ミルは、開幕戦ポルトガルGPでは着実に走って11位になりポイントを獲得しましたが、連戦となった第2戦アルゼンチンGPでは、土曜日の「スプリント」レースでほかのライダーと接触して負傷し、決勝を欠場。第3戦アメリカズGPでは、「スプリント」レースで12位。13番グリッドから挑んだ決勝では、9位までポジションを上げましたが、転倒リタイアに終わりました。

ミルは17年にHondaでMoto3クラスのタイトルを獲得、20年にスズキでMotoGPチャンピオンを獲得しています。Repsol Honda Teamのライダーとして迎える初めてのホームGP。地元ファンの声援の中で今季初表彰台、初優勝を目指します。

前戦アメリカズGPで優勝、登り調子でホームGPを迎えるリンスは、2連勝の期待の中でスペインGPを迎えます。アメリカズGPが開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、今季初のフロントロー獲得の2番手から土曜日の「スプリント」レースで2位、そして日曜日の決勝レースでは、LCR Honda CASTROLで3戦目にして優勝を達成しました。

リンスはこれまでヘレスでは、14年にMoto3クラスで3位、16年にMoto2クラスで3位、そして19年の大会ではマルケスに続いて2位でフィニッシュしています。今大会は2連勝と2大会連続表彰台が期待されます。

リンスのチームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、開幕から3戦、マシンのセットアップに集中してきました。開幕戦ポルトガルGPでは12位、第2戦アルゼンチンGPでは13位、第3戦アメリカズGPは転倒リタイアに終わりました。苦戦の理由は、リアのトラクション不足でエンジンのパフォーマンスを活かしきれないためですが、中上にとっては、もっとも得意とするヘレスで問題解決に挑みます。

ヘレスでは、MotoGPクラスにデビューした19年に9位、コロナ禍の20年の2連戦では、スペインGPで10位、アンダルシアGPで4位になり、21年も4位とヘレスで2戦連続4位と、表彰台獲得にあと一歩に迫りました。苦戦が続いた昨シーズンは7位でしたが、シーズンを通してのベストリザルトとなりました。昨年から苦戦が続く中上ですが、今年のスペインGPは、自身にとって大きなターニングポイントのレースにする意気込みです。


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Marc Marquez
Marc Marquez 93
Repsol Honda Team
昨日CTスキャンを行いました。右手のケガは順調に回復していますが、まだ骨が完治していません。そのため、スペインGPに出場するのは危険だということで出場を取りやめました。医療チームとともに、リスクを冒さないことを決め、さらに2週間後のル・マンで復帰することにしました。スペインGPはいつも特別です。ホームレースであり、そして何よりもファンの前でレースを楽しみたいと思っていたので、欠場は非常に残念です。一日も早く復帰できるよう、リハビリを続けます。たくさんの応援メッセージをありがとうございました! 

Joan Mir
Joan Mir 36
Repsol Honda Team
Repsol Honda Teamのライダーとしてスペインのファンの前で初めて走るのは特別なことです。今週末も前進できることを願っています。オースティンでは転倒してしまい、思っていたような結果を出すことができませんでした。しかし、レースでは重要なステップを見つけることができたので、ヘレスでトライするのが楽しみです。オースティンとヘレスはレイアウトも特徴もかなり違いますが、いつも快適に走ってきました。レース後のテストでは、仕事とライディングにだけ集中して取り組めるので、楽しみにしています

Iker Lecuona
Iker Lecuona
まずはマルクの回復を心から願っています。MotoGPで彼の存在は特別であり、ファンだけではなくライダーたちにとっても彼がいなくてさみしいと思っています。僕にとっては、MotoGPに戻ってきて、夢のチームで走ることができるすばらしい機会になりました。スペインの観客の前でそれを実現できるというのは本当に特別な気分です。でも現実的にならなければなりません。とても厳しい週末になると思います。昨年と今年はTeam HRCでスーパーバイク世界選手権に完全に集中して過ごしてきました。今はすべてが異なるMotoGPに慣れなければならないし、初めて乗るHonda RC213Vを学ばなければなりません。とにかくベストを尽くします

Alex Rins
Alex Rins 42
LCR Honda CASTROL
アメリカズGPは我々にとってすばらしいものになりましたが、ヘレスは全く異なるGPになります。我々は、仕事を続け、RC213Vの開発に取り組み、一歩一歩進んでいくことを目標に今大会も全力で挑みます

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
ヨーロッパラウンドが始まります。ヘレスは大好きなサーキットなので、とても楽しみです。これまでもヘレスでは、いい結果を残してきました。これまで抱えている課題の解決に取り組むには最適のコースです。マシンのセットアップを進め、ベストリザルト獲得に挑みます

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