スペインGPへ挑むHonda勢。欠場のマルク・マルケスに代わり、イケル・レクオーナが代役出場
第4戦スペインGPが、4月28日(金)から4月30日(日)までの3日間、イベリア半島の南西部に位置するヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで開催されます。前戦アメリカズGPでは、アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が今季初優勝を達成。昨年から厳しい戦いを強いられてきたHondaにとっては、本来のパフォーマンスを発揮する大きな一歩となりました。
今大会は、ホームGPを迎え、今季ベストリザルトを目指すジョアン・ミル(Repsol Honda Team)、2連勝を目指すリンス、ヘレスを得意とする中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)、そして、開幕戦ポルトガルGPの決勝レースで転倒し、右手親指を骨折したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として、Team HRCからスーパーバイク世界選手権に出場しているイケル・レクオーナが出場します。
ヘレスの歴史は、初開催となった1987年に始まります。以来、スペインGPの舞台として定着。同地で開催されるのは今年で37回目となります(88年はハラマで開催)。コロナ禍の中で4か月間シリーズが中止となった2020年は、7月に第2戦スペインGPと第3戦アンダルシアGPが開催されました。グランプリ史上初の同一サーキットでの2連戦として開催され、21年以降は、例年通り、4月下旬から5月にかけて開催されます。
ヘレスのあるアンダルシア地方は、一年を通じて温暖な気候で、平常時はウインターテストの舞台となります。今年はマレーシアとポルトガルで行われ、ヘレスではテストは行われませんでした。しかし、選手、チームともに経験値の高いサーキットであり、初日からレベルの高い走りが予想されます。
Hondaは、これまでヘレスで通算22勝を達成しています。12年はケーシー・ストーナー、13年はダニ・ペドロサ、14年はマルク・マルケスとRepsol Honda Teamが3年連続で優勝しました。
さらに、マルケスは、15年3位、16年2位と表彰台に登壇。17年はペドロサがポール・トゥ・ウインを達成し、マルケスが2位。18年はマルケスが14年大会以来、2度目の優勝、19年は3度目の優勝を達成し、Repsol Honda Teamは、06年から14年連続でスペインGPの表彰台に立ち続け、Repsol Honda Teamの大会連続表彰台記録を更新しました。
しかし、コロナ禍になった20年以降は表彰台を獲得しておらず、今年は4年、5大会ぶりの優勝と表彰台を目指します。
開幕戦ポルトガルGPでポールポジションを獲得、今年から始まった「スプリント」で3位になりメダルを獲得。しかし、翌日の決勝レースで転倒し右手親指を骨折したマルケスは、今大会も欠場することが決まりました。マルケスは25日にマドリードのルベール・インターナショナル・ホスピタルでメディカルチェックを受け、まだ骨折した部分が十分に回復していないことが確認され、第5戦フランスGP(5月12日~14日)の復帰を目指すことになりました。
欠場が決まったマルケスの代役として、スーパーバイク世界選手権にTeam HRCから出場しているレクオーナが出場します。レクオーナは20年、21年とKTMのマシンでMotoGP参戦の経験があります。今大会はRC213Vで初走行となりますが、ポテンシャルのあるライダーだけに、地元ファンの前で、その活躍に注目されます。
Repsol Honda Teamで初めてのホームGPを迎えるミルは、今季ベストリザルトをめざし、全力で挑みます。ミルは、開幕戦ポルトガルGPでは着実に走って11位になりポイントを獲得しましたが、連戦となった第2戦アルゼンチンGPでは、土曜日の「スプリント」レースでほかのライダーと接触して負傷し、決勝を欠場。第3戦アメリカズGPでは、「スプリント」レースで12位。13番グリッドから挑んだ決勝では、9位までポジションを上げましたが、転倒リタイアに終わりました。
ミルは17年にHondaでMoto3クラスのタイトルを獲得、20年にスズキでMotoGPチャンピオンを獲得しています。Repsol Honda Teamのライダーとして迎える初めてのホームGP。地元ファンの声援の中で今季初表彰台、初優勝を目指します。
前戦アメリカズGPで優勝、登り調子でホームGPを迎えるリンスは、2連勝の期待の中でスペインGPを迎えます。アメリカズGPが開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、今季初のフロントロー獲得の2番手から土曜日の「スプリント」レースで2位、そして日曜日の決勝レースでは、LCR Honda CASTROLで3戦目にして優勝を達成しました。
リンスはこれまでヘレスでは、14年にMoto3クラスで3位、16年にMoto2クラスで3位、そして19年の大会ではマルケスに続いて2位でフィニッシュしています。今大会は2連勝と2大会連続表彰台が期待されます。
リンスのチームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、開幕から3戦、マシンのセットアップに集中してきました。開幕戦ポルトガルGPでは12位、第2戦アルゼンチンGPでは13位、第3戦アメリカズGPは転倒リタイアに終わりました。苦戦の理由は、リアのトラクション不足でエンジンのパフォーマンスを活かしきれないためですが、中上にとっては、もっとも得意とするヘレスで問題解決に挑みます。
ヘレスでは、MotoGPクラスにデビューした19年に9位、コロナ禍の20年の2連戦では、スペインGPで10位、アンダルシアGPで4位になり、21年も4位とヘレスで2戦連続4位と、表彰台獲得にあと一歩に迫りました。苦戦が続いた昨シーズンは7位でしたが、シーズンを通してのベストリザルトとなりました。昨年から苦戦が続く中上ですが、今年のスペインGPは、自身にとって大きなターニングポイントのレースにする意気込みです。
HRC公式Instagramで最新情報をチェック!
https://www.instagram.com/hondaracingcorporation/