ヒート3で大倉が今季2勝目を挙げ、Honda勢が1-2フィニッシュ

IA1 ヒート3

IA1 2025

Round 6

2025年10月20日

ヒート3で大倉が今季2勝目を挙げ、Honda勢が1-2フィニッシュ

オフロードヴィレッジ

10月19日(日)、全日本モトクロス選手権(JMX)第6戦21Group カップ東福寺保雄記念の決勝がオフロードヴィレッジ(埼玉県)で開催されました。JMXのV9チャンピオン、故・東福寺保雄氏に対するリスペクトを込めた大会で、パドックには東福寺氏の思い出の品が展示され、幅広い年齢層のファンが訪れていました。また、2025年スーパーモトクロス世界選手権(AMA-SMX)チャンピオンの下田丈(Honda HRC Progressive)が凱旋帰国し、今大会にゲストとして来場。サイン会が行われ、長蛇の列ができるほどの賑わいでした。

●IA1 ヒート1

大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)はやや出遅れたものの、混戦の中で巧みにポジションを上げ、オープニングラップを2番手でクリア。2周目以降、トップの大城魁之輔(ヤマハ)を僅差で追いました。しかし、パッシングポイントが少ないコースとあってなかなかチャンスを得られず、7周目に入ったところで転倒。浅井亮太(ヤマハ)に次ぐ4番手に後退しました。

8周目以降、大倉は浅井との距離を詰め、さらにその後方には大塚豪太(T.E.SPORT)と西條悠人(カワサキ)も続き、表彰台の残り1枠をかけた4台の接近戦に。周回遅れを縫いながらの接戦が続き、11周目には大倉が浅井をかわしました。さらに、最終ラップとなった13周目には大塚も浅井をパス。大倉が3位で表彰台に上がり、大塚は1秒弱の差で4位となりました。

●IA1 ヒート2

大倉はスタート直後に3番手。すぐに浅井の先行を許すと、ジェイ・ウィルソン(ヤマハ)にも抜かれ、5番手で1周目をクリアしました。2周目、浅井がクラッシュして後退したため、大倉は4番手にポジションアップ。上位勢はやや縦に長くなりましたが、3周目から大倉はペースを上げ、3番手を走る内田篤基(カワサキ)との距離を詰めました。

しかし、大倉はすぐにはパッシングのチャンスを得られず、5周目に内田を抜いた段階で、2番手の西條とは約7秒差。その後もギャップを詰めることができず、4番手に上がってきた大城を引き離したものの、大倉は3位でチェッカーを受けました。レース中盤には内田や渡辺祐介(ヤマハ)と5番手争いを繰り広げた小方誠(TEAM HAMMER)は、内田のリタイアがあり6位でゴールしています。

●IA1 ヒート3

スポット参戦のジラッジ・ワナラック(Honda Racing Thailand Team)が、星野優位(ヤマハ)に次ぐ2番手で1周目をクリア。大倉は出遅れたものの、オープニングラップを6番手でクリアすると、次周には5番手に浮上しました。3周目、ワナラックはウィルソンに抜かれて3番手に後退し、大倉は順位を上げ4番手。4～5周目には上位4台が2秒前後のギャップで連なりました。

レース後半、上位勢の間隔が詰まると、10周目に入ったところで先頭だったウィルソンが転倒して5番手に後退。ワナラックが星野をパスしました。次周、大倉も星野の攻略に成功。ワナラックがトップ、大倉が約2秒差の2番手でラストラップとなった12周目に突入すると、大倉がこのレースの最速ラップタイムを叩き出しつつ逆転し今季2勝目を挙げ、ワナラックが2位となりました。

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大倉由揮 ⁴

Honda Dream Racing Bells

ヒート1は、大城選手を抜けそうで抜けず、この周こそと意気込んだところで転倒。それでも表彰台圏内までリカバーできた点はよかったと思います。ヒート2は、3番手に浮上するまでに時間を使いすぎましたが、コース攻略に手間取りペースが悪すぎたことの方が問題で、なんとか3位で耐えしのいだレースでした。ヒート3は、スタートで大きく出遅れたものの、レース序盤でそれなりに順位を上げることができました。レース終盤は、時間が足りず焦りましたが、同じHondaに乗る東南アジアの若きライダーに負けるわけにはいかないと思って、最後にすべてを出し尽くしました。ワンミスで表彰台を逃すのが当然のような15分+1周のオフロードヴィレッジで、3ヒートとも表彰台に立てたのは、成長の証だと思います。

JIRAJ WANNALAK ⁴⁷

Honda Racing Thailand Team

日本のレースにはこれまで2度エントリーしたことがあるのですが、1回目は大雨でレースがキャンセルになり、2回目は前日の公式練習でケガをして、走ることができませんでした。今回、思っていたよりも早く再挑戦の願いがかない、うれしく思っています。でも、ヒート1とヒート2はスタートが悪く、途中で転倒するなどコースを攻略できずに終わってしまいました。一方でヒート3は最高のスタートが決まり、レース終盤にトップに立った時は「よし、勝てる!」と思いました。ところが次周、バックマーカーの処理でミスしてしまい、大倉選手の接近を許すことに…。逆転されたのは残念ですが、大倉選手とHondaの1-2フィニッシュができたことに満足しています。