IA1 ヒート3
IA1 2024
Round 7

スポット参戦した下田が圧倒的なスピードで総合優勝を果たす

jp オフロードヴィレッジ

9月29日(日)、普段よりもジャンプを増やし、テクニカルなレイアウトに変貌したオフロードヴィレッジで、全日本モトクロス選手権(JMX)の第7戦が開催されました。今大会のIA1クラスには、AMAで活躍中の下田丈(Team Honda HRC)が出場。450ccマシンでのライディングが、注目の的となりました。

スポット参戦した下田が圧倒的なスピードで総合優勝を果たす

●IA1 ヒート1

1周目、ホールショットを奪った横山遥希(Honda Dream Racing LG)を下田がすぐにパスすると、3番手にはジェイ・ウィルソン(ヤマハ)、4番手に大塚豪太(T.E.SPORT)が続きました。大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)は、1周目8番手で追従しました。序盤、横山はウィルソンを数秒離しながらトップの下田を僅差でマーク。4番手の大塚はトップ3から徐々に遅れました。

トップを走る下田は、4周目辺りから2番手の横山との距離を少し広げ、レースが後半に入った7周目には約2秒差。9周目には、横山の背後にペースを上げたウィルソンが接近しました。横山は次周でウィルソンに逆転されましたが、その後も僅差でマークを続けました。

ラストラップとなった13周目、再逆転を狙った横山が転倒。レースは下田がトップチェッカーを受け、横山は3番手でフィニッシュしました。しかしレース後、レッドクロスフラッグの振動区間におけるジャンプのペナルティーにより、下田と横山に1順位降格の裁定。これにより下田が2位、横山が4位、最終ラップに大塚をパスした大倉が6位となりました。

●IA1 ヒート2

再び横山がホールショットを奪い、これに内田篤基(カワサキ)や能塚智寛(カワサキ)が続きましたが、下田が一気に順位を上げ、オープニングラップ前半で早くもトップに浮上しました。1周目は下田、横山、ウィルソン、大倉、能塚、大塚の順で通過。2周目には、下田と横山とウィルソンがそれぞれ約2秒間隔の差で走行し、ウィルソンの背後には大倉が迫りました。

トップの下田は、レース序盤から全日本勢を圧倒するラップタイムを刻み、徐々にリードを拡大。4周目には、横山はペースを上げたウィルソンに逆転を許し、大倉は後続を3秒ほど離しつつ約4秒差で横山を追いました。

7周目、横山がややペースを上げ、逆にウィルソンが少しペースダウンしたことで、2、3秒あった両者のギャップが一気に消滅。9周目に入るところで横山が先行しました。ここから、横山とウィルソンが僅差の2番手争い。しかし11周目に横山は痛恨の転倒を喫し、3番手に後退しました。そして13周のレースは、下田が独走で勝利。横山は3位、大倉は4位でゴールしました。

●IA1 ヒート3

ホールショットのウィルソンを、下田がオープニングラップの序盤で逆転。1周目を下田、ウィルソン、横山の順でクリアしました。大倉は出遅れ、9番手からの追い上げを強いられる展開に。レース前半、トップの下田は1周につき1秒程度のペースでリードを拡大し、6周目までに約5秒のアドバンテージを築きました。

横山は2番手のウィルソンを僅差で追っていましたが、5周目にウィルソンがペースアップしたことで3秒近いビハインドに。しかしその後は再びウィルソンとほぼ互角のタイムを刻み2、3秒差でマークを続けました。大倉は、僅差で追っていた大塚が後退したこともあり、5周目には7番手まで順位を上げました。

レース後半、トップの下田が独走状態で快調に周回する中、横山は9周目からタイムを落とし、ウィルソンのリード拡大を許しました。そしてレースは13周で終了。下田がヒート2に続き勝利を収め、横山は3位でフィニッシュしました。大倉は、単独走行を続けて7位でフィニッシュ。総合成績では下田がトップ、横山が3位、大倉が5位となりました。


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下田 丈 030
Team Honda HRC
約2年ぶりに、そしてHondaのライダーとしては初めてJMXに参戦することができました。普段はアメリカでのレースですが、私は日本人なので、できることなら年に一度くらいは日本のレースを走ってファンの方々と交流したいし、自分の走りを楽しんでもらいたいと思っています。レースについては、土曜日の練習走行、日曜日のタイムアタック予選辺りまでは少し調子が悪かったかもしれません。Hondaの450ccマシンに乗った経験が少なく、コースがスーパークロス傾向だったことから、慣れながらレースをするような感じでした。とはいえ、ヒート2辺りからは80~90%くらいの走りができたのでまずまず満足しています。これから約3週間は日本で家族と過ごし、11月中旬のパリ・スーパークロスを経て、アメリカのスーパークロスでシーズンインします。そういう意味では、今大会が自分にとっては今シーズンの最終レースというイメージなので、日本で締めくくれたこともうれしく思っています。

横山 遥希
横山 遥希 41
Honda Dream Racing LG
3ヒートともスタートがよく、中でもヒート1とヒート2はホールショットを奪うことができましたが、下田選手に第2コーナー辺りで先行されました。ヒート1はレース中盤まで喰らいつくことができました。ヒート2はペースが上がらずに苦戦しました。各セクションはそれほどトリッキーには感じませんでしたが、メインラインを中心に路面が滑りやすい状態になってきてからは、これを外しながらジャンプやリズムセクションを攻略しなければならず、難しさを感じました。とはいえ、ヒート3を含めてそれほどネガティブになるような内容ではなかったはずです。下田選手と比べたらスピードは劣っていますが、それほど大きな差ではないことも確認できました。次の週末は、日本代表としてモトクロス・オブ・ネイションズに出場します。オーストラリアでも経験を積んでいますし、日本でも外国人ライダーたちとバトルできる位置にいると思っているので、自信を持って戦ってきたいと思います。

大倉 由揮
大倉 由揮 2
Honda Dream Racing Bells
今回はかなり苦戦しました。ヒート1はスタートで出遅れ、なんとか7番手まで追い上げたものの、そこからはペースが悪く、少しリズムをつかみ始めたくらいのところで終わってしまいました。ヒート2は、それなりにスタートで前に出られて、走りもまずまずに感じていましたが、ヒート3ではまたスタートで出遅れました。前のライダーを攻略するのに手間取り、ようやく7番手に浮上した時には、前との距離がかなり離れてしまっていました。なんにせよ、今回はトップ3との実力差が明らかになりました。悔しいですがこれが現実なので、まずはしっかり受け止め、来週のモトクロス・オブ・ネイションズでも世界のスピードを学び、全日本の最終戦で自身の走りとリザルトに結び付けたいと思っています。絶対にこのままでは終われないという気持ちが強いので、なんとしても最終戦でばん回したいです。 


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