Formula 1

角田裕毅 タイトルへの挑戦

F1は今週末、3連戦の初戦が始まり、いよいよ2020年シーズンの最終章に入ります。そして、3連戦の最初の2戦は、FIA F2選手権との併催でもあります。

角田裕毅 タイトルへの挑戦

Honda/Red Bullの育成選手である角田は、F2初挑戦となる今シーズン、ここまで目覚ましい活躍をみせ、ルーキー選手のトップ、全体ランキングで首位から44ポイント差の3番手でシーズン最後の2戦を迎えます。そして、角田を含むF2の選手にとって、今週末は9月27日に行われたロシア大会以来の久しぶりのレースになります。


まずは、レースの合間をどのように過ごしたのか、角田に聞きました。

「シーズン前のような、“ニューノーマル”の生活をするように、できるだけ心がけました。今の状況は、年初に英国がロックダウンを行った時に似ています。トレーニングは、トレーナーとビデオチャットで行いました。そして、日本の友だちとTVゲームをするなどして、リラックスして過ごしました。

リズムを取り戻すためにどのぐらい時間が必要かは、フリー走行で走ってみないと分かりませんが、そんなに時間はかからないと思っています。ロシア大会から、感触はそれほど変わってません。クラッチを離す瞬間など、スタートでわずかな違いを感じるかもしれませんが、前戦までとの違いを確認しながらフリー走行を走れば、すぐに感触を取り戻すはずです」



「2カ月間のブレークの合間には、イモラでF1マシンをドライブしました。それも、マシンの感覚を忘れず、シャープな感覚を維持する助けになっています。いつでも走れるように、F2のシミュレーターでもたくさん練習してきました」

Scuderia AlphaTauri HondaのF1マシンで行った走行テストは、多くの注目を集めました。角田はその貴重な機会を無駄にしないよう、F1マシンでの初走行の経験を、今シーズンのパフォーマンスに最大限活かすべく努力しました。

「300km走り、F2でも活かせる有意義な経験ができました。マシンのセットアップ方法もそうですし、今までよりも効率的にウォームアップする方法を学ぶ上でも有意義でした。F1では、全てを自分に合わせてセットアップすることができます。セット変更がどう作用するかを1周ごとに確かめられたので、マシンに対する理解が深まりました。ブレーキングとエンジンブレーキのバランスなど、F2での走行に役立つこともたくさんありました。

ここまでのF2のレースでは、フリー走行からいいペースで走れていたので、チームのCarlinには今までどおりのいい仕事を期待しています。プレッシャーはないですし、焦る必要も感じていません。やるべきことをやるだけです」



シーズン最後の2戦で、それぞれ最大48ポイントが獲得可能なので、タイトルに王手をかけて来週の最終戦に臨むことができます。しかし角田は、チャンピオン獲得だけを意識して気負いすぎることはないようです。

「もちろん、最終戦までタイトル獲得圏内で戦いたいです。今シーズンの開幕から目標はチャンピオン獲得でしたが、それにはバーレーンの2戦を上位でフィニッシュしなければなりません。今までと同じように、まずはフリー走行に向けて集中します。まずは、1周目のターン1をどうやって攻めるか、どのタイミングでブレーキをかけるかを考えます。

リザルトやランキングを意識しすぎることはしません。1周1周、1コーナー1コーナーに集中します。もちろん、より多くのポイントを獲得したいですが、1周1周に集中すれば、おのずと結果がついてくると思っています。とにかく、いいペースで走れるように努力します」


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